ダイレクト出版の社員に向けて書いたレターを転載しています。
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To: ダイレクト出版のみんなへ
From: 小川忠洋
最近、事業部門と事業支援部門で議論したところ、方針というか考えに少しズレがあったようだ…
こういったズレがあること自体は当然のことなので、日常茶飯事として考えればいいんだけど、問題はこのズレが起きないようにすることが、とても大切だということ。
これ、部門単位での話だけじゃない。部門の中でも、チームのメンバー、個人個人が、仕事をやる上で、ちょっとした方向性のズレってのは、必ず、生じる。だから、そのために、会議、ミーティングがある。あるいは、人数の少ないチームでは、会議やミーティングなどしなくても、毎日、顔を合わせて、毎日一緒にメシを食ったりして、毎日、仕事に関しての話をしているので、方向性がズレることはない。
愚問だけど、方向性が一致しているチームと、それぞれ、バラバラなチームではどっちが、強いだろうか?どっちが成果を出すだろう?答えは言うまでもない。
高校の物理でみんな習ったと思うけど、ベクトルがズレていると、お互いにその力を消し合ったりする。ベクトルが一致していると、力を強めあう。このベクトルの一致をマネジメントの世界ではアラインメントと呼んだりしてる。
ま、余談はさておき。
少人数の時には、何も考えなくてもみんなのベクトルは一致する。だけれど、人数が増えてくれば、増えてくるほど、バラバラになっていくので、それを意図的に一致させる必要がある。だから、マネージャーが必要になるわけで、かつ、マネージャーがチームの成果に対して圧倒的なインパクトを持つわけだ。
じゃ、そのためのマネージャーの仕事って何か?
メンバーの力を引き出して、他のチームとのベクトルを一致させて成果を倍増させる。そのために、必要なのは、「情報共有」。
情報共有は、マネージャーのとっても重要な仕事。
これを甘く考えちゃいけない。情報は、チームにとっても、個人にとっても「力」となる。だから、マネージャーは、メンバーや他のチームに「力」を与えるために、情報共有、情報発信するのが、大切な仕事だ。
情報があれば、大抵の人は正しい判断ができる。だけれども、情報がないままで、判断しろと言われると、かなりキツい。
例えば、会社の財務内容を全く知らなければ、どの事業が儲かっていて、どの事業が損失を出しているかが分からない。感覚値では分かったとしても、往々にして感覚値は間違っているので、実際のところは分からない。この状態で、正しい判断ができるか?もちろん、できない。正しい情報が手に入れば、何をやるべきで何を止めるべきかが簡単に分かる。そして、その会社はもっともっと伸びる。だけれども、情報がないので、なんとなくの判断しかできない。
情報が力だ!というのはここにも表れる。例えば、財務内容を知っているメンバーと知らないメンバーが、新規事業に関して議論をしたとしよう。どっちが、この議論で優位だと思う?当然、知っているメンバーでしょ。だって、「でも、おまえコレ知らんやろ」と言われたら一撃終了じゃね?だから、知っているメンバーの方が圧倒的に強い力(情報)を持っているわけ。
最近、情報共有・情報発信が足りない。その事業部が何をしようとしているのか?どんな状況なのかは、他からは見えなくなっている。
「いや、自部門内では毎週、ミーティングやってるので情報共有できてます」というような態度では、他の部門からの協力をどうやって得るのか?特に、事業支援部門のように、事業部をサポートする側のサポートを、情報を与えずにどうやって得るのか?テレパシーで感知できんのか?んなわけないよね。伝えないと伝わらない。
情報発信は、受け取った相手に力を与える。
だから、全体に情報発信するということは、自分以外の全員に力を与えることになる。考えてみてほしいんだけど、今、100人くらいの人がいるわけで、100人が、ほんの僅か、ちょっとずつだけど、知識・情報が増えてレベルアップするわけ。これより大切な仕事があるかな?
情報共有と発信が、マネージャーの重要な仕事。
情報共有と発信が、チームで成果を出すための重要なポイント。
特にウチみたいに、働く人のロケーションがばらばらなチームでは、情報共有はめちゃめちゃ重要だ。