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【30th特別連載企画 Episode 3】創作の連鎖を世界へ

本日は、当社の代表取締役である伊藤が、クリプトン・フューチャー・メディアが歩んできた30年の軌跡を社員と共に振り返る特別連載企画の“Episode 3”をお届けいたします。

この連載企画は、クリプトンの設立30周年を記念して発売した伊藤の著書『創作のミライ 「初音ミク」が北海道から生まれたわけ』(発行所:中央公論新社)に詰め込み切れなかったお話を中心に、あらためて当社についてご紹介できれば・・・という想いで、計6回にてお届けしてまいります。

過去記事をまだご覧になっていない方は、ぜひ本記事と併せてお楽しみください。

【30th特別連載企画 Episode 1】クリプトンのこれまで | 事業を知る
クリプトン・フューチャー・メディアは、本日2025年7月21日をもって、設立30周年を迎えました!これを記念して、当社の代表取締役である伊藤の著書『創作のミライ 「初音ミク」が北海道から生まれた...
https://www.wantedly.com/companies/crypton/post_articles/992716
【30th特別連載企画 Episode 2】音楽×テクノロジー | 事業を知る
本日は、当社の代表取締役である伊藤が、クリプトン・フューチャー・メディアが歩んできた30年の軌跡を社員と共に振り返る特別連載企画の"Episode 2"をお届けいたします。この連載企画は、クリプ...
https://www.wantedly.com/companies/crypton/post_articles/994119


Episode 3 のテーマは「創作の連鎖を世界へ」です。今回は、初音ミクの誕生からずっとキャラクターライセンス事業を担当している目黒、海外展開を取りまとめている布施、3DCGライブやゲーム制作などのデジタルコンテンツ関連を統括している小泉にも参加してもらい、伊藤と共に当社のキャラクタービジネスについて紹介いたします。


写真は左から順に、小泉・伊藤・目黒・布施

伊藤博之:クリプトン・フューチャー・メディア株式会社代表取締役。北海道大学に勤務の後、1995年7月札幌市内にてクリプトン・フューチャー・メディア株式会社を設立。DTMソフトウェア、音楽配信アグリゲーター、3DCG技術など、音を発想源としたサービス構築・技術開発を日々進めている。2013年に藍綬褒章を受章。

目黒久美子:2007年入社。ライセンスビジネスチームのマネージャー。初音ミクの企画立案に携わり、「SNOW MIKU」や『初音ミク「マジカルミライ」』の立ち上げにも参加。音楽関連事業や中国展開の担当を経て、現在は各種イベントやグッズ展開など、初音ミクたちピアプロキャラクターズのライセンスを扱うチームを取りまとめている。

小泉直:2007年入社。デジタルコンテンツチームのマネージャー。もともとは着信メロディ事業で培ったノウハウを生かしたモバイルコンテンツの開発・運営をするチームだったが、近年はコンシューマー向けのゲームやライブ関係の3DCG制作など、デジタルコンテンツに関する業務全般を取りまとめている。

布施美侑:2017年新卒入社。2023年に新設された国際ビジネスチームのチームマネージャー。初音ミクをはじめとしたキャラクターの海外ライセンス展開や、自社制作サービスの翻訳作業など、海外に関する業務全般を取りまとめている。約5年間にわたる業務実績が評価され、最年少でチームマネージャーに抜擢された。


初音ミクのイベントは、初音ミクだけのものではない。

―2007年に歌声合成ソフトウェア「VOCALOID2 初音ミク」を発売し、音楽作品やイラスト、動画などの創作の連鎖が拡がったことをきっかけに、当社はキャラクタービジネスも始めることになりました。

創作の連鎖が拡がり始めた頃の話や、企業さんから商品企画等のご提案をいただいた際の当社の考え方については“Episode 1” でも触れているため、今回は当社が主体となって開催しているピアプロキャラクターズ(『初音ミク』『鏡音リン』『鏡音レン』『巡音ルカ』『MEIKO』『KAITO』の総称)のイベントや、企画・開発しているゲーム等のお話を聞いていきたいと思います。

まずは伊藤社長に、当社がピアプロキャラクターズのライブを運営するようになったきっかけをお聞きしてもよろしいでしょうか?

伊藤:きっかけは、初音ミクが歌って踊るリズムアクションゲーム『初音ミク -Project DIVA-』を、セガさんが2009年にリリースしたことでした。『創作のミライ』の第4章でも触れていますが、最初に行ったライブイベント「ミクフェス'09(夏)」はゲームの販促費で運営されていたんです。それで、その販促予算が2012年に終了することになった際、今度は当社が主体になってイベントを運営していこうと決めました。

初音ミクたちのライブを開催すれば、クリエイターにとっては作品を多くの人に知ってもらえるきっかけになり得ますし、観客にとっては新しい作品と出会うきっかけになり得ます。すでに毎年のライブ開催を心待ちにしてくださるファンも多かったですし、イベントを無くすのはダメだ、と思ったんです。


―そうして2013年に始まったのが、3DCGライブと創作の楽しさを体感できる企画展を併催したイベント『初音ミク「マジカルミライ」』(通称「マジカルミライ」)ですね。

伊藤:はい、その通りです。「マジカルミライ」についてはTOKYO MXさんとの共催という形で開催しており、この12年間で累計50万人以上を動員しています。
もともと初音ミクたちピアプロキャラクターズは”歌声のバーチャル・インストゥルメント(仮想楽器)”として生まれた存在ですから、楽器だけが主役のイベント、というのはしっくりこないんですよね。それで、初音ミクたちを起点とする創作文化のムーブメントをしっかり伝えていくことが重要なんだと思い至り、3DCGライブと企画展を一緒に開催するイベントにしようと決めました。

目黒:「マジカルミライ」ではメインビジュアルの作家さんに衣装のデザインも考えていただくのですが、ファンアートをはじめとした二次創作の参考にもなればと思い、細かい設定がわかるデザイン画も公開しています。近年ではイベントにテーマを設定し、より創作意欲を刺激したり、参加する皆さんにも毎年新たなマジカルミライを楽しんでいただけるように工夫しています。
また、イベント当日の企画展エリアには、来場者がイラストやメッセージ等を自由に書き込んでいただける「piapro(ピアプロ)の壁」を用意したり、好きなクリエイターさんから直接音楽を購入できるような音楽即売イベント「クリエイターズマーケット」を実施したりと、みなさまに創作文化を体感していただけるような企画を取り入れています。

布施:実際の創作活動に役立つ音楽制作の講座などが企画展エリア内のステージ企画として行われるのも「マジカルミライ」ならではですよね。
「マジカルミライ」は国内のイベントですが、海外にも創作文化が拡がっていることをお伝えしたくて、数年前からステージ企画の一つとして海外展開の情報をお話しするトークセッションを行っています。「マジカルミライ 2025」でも、伊藤社長と一緒に企画展ステージ(シンポジウム「初音ミク 海外展開トークセッション」)に登壇予定です。


―今ちょうど海外情報のお話が出ましたが、初音ミクの世界ツアーシリーズ「HATSUNE MIKU EXPO」(通称「MIKU EXPO」)が始まったのは、「マジカルミライ」が始まった年の翌年ですよね。

布施:はい、2014年にインドネシアの首都ジャカルタで開催したのが始まりです。

伊藤:以前「MIKU EXPO」の10周年記念で対談した時にもお話しましたが、最初の開催地はファン投票で決めました。先日発表した最新の世界ツアー「HATSUNE MIKU EXPO 2025 ASIA」では、11年の時を経て再びジャカルタでも公演を行えることになりました。なかなか感慨深いです。

布施:海外の方にもこの日本発で拡がった創作文化のムーブメントについて知っていただきたいと考えているため、「MIKU EXPO」でも「マジカルミライ」のように3DCGライブと併せて展示やワークショップ等を行うようにしています。規模感はどうしても国内イベントより小さくなってしまうのですが、オンラインを活用しつつ、創作文化を体感していただけるサブイベントを実施しています。


―「マジカルミライ」と「MIKU EXPO」・・・どちらも正式名称は『初音ミク』の名を冠していますが、実際には初音ミクに限らずピアプロキャラクターズ全員がライブに登場しますよね。

目黒:はい。「マジカルミライ」のライブにはもちろんピアプロキャラクターズ全員がバーチャルシンガーとして出演しますし、企画展ではピアプロキャラクターズ全員の紹介コーナーや等身大パネルのフォトスポットがあります。
近年のライブでは各バーチャルシンガーのファンに喜んでいただけるようにセットリストやMCも工夫しているので、コロナ禍以前の「マジカルミライ」しか知らないという方が今のライブを見たら驚かれるかもしれません。

布施:「MIKU EXPO」でもピアプロキャラクターズ全員がライブパフォーマンスを披露していますよ。来場されるファンが身に着けているグッズとかを見ると、鏡音リン・鏡音レン・巡音ルカ・MEIKO・KAITOの人気も年々高まっていると感じますし、創作文化が世界に拡がっていることをあらためて実感できます。


伊藤:初音ミクの知名度が一番高いので、イベント名などではどうしても初音ミクが目立つ形になってしまうのですが、様々なクリエイターの創作を支える存在であるという点はピアプロキャラクターズの全員に共通して言えることです。Episode 2 でも似たようなことをお話しましたが、当社にとっては『MEIKO』『KAITO』『鏡音リン』『鏡音レン』『巡音ルカ』も『初音ミク』同様に大切なバーチャルシンガーだと考えています。
それとバーチャルシンガーのライブは有体に言ってしまえば”映像”なので、一緒に盛り上がってくださるみなさまがいて、初めて成立するものだと考えています。楽曲を提供してくださっているクリエイターや迫力ある生演奏でバーチャルシンガーたちのパフォーマンスを支えてくださってるバンドメンバーはもちろん、観客として会場に集ってくださるみなさまも、ライブを創り上げるのに欠かせない存在です。
「マジカルミライ」や「MIKU EXPO」の他にもいくつか初音ミクの名を冠するイベントがありますけど、どれも“初音ミクが主役”という意味ではないんですよね。初音ミクの名を冠するイベントは“この創作文化を一緒に盛り上げてくださるみなさまと一緒に楽しむもの”だと、私は考えています。


ゲーム開発のきっかけは着信メロディ事業だった!

―この対談の始まりで“セガさんが発売した初音ミクのゲームがライブのきっかけ”というお話がありましたが、現在は当社のデジタルコンテンツチームでもオリジナルゲームの企画・開発を行っていますよね。

小泉:はい。つい先日、新作パズルゲームの『初音ミク ロジックペイントS+』をリリースしたばかりです。2021年に発売したNintendo Switch™ゲーム『初音ミク ロジックペイントS』をパワーアップした第2弾で、今回はNintendo Switch™、Xbox One、PlayStation®4、PlayStation®5、Steam版を、世界同時リリースしました。

目黒:ピアプロキャラクターズと一緒に楽しめる1,000問以上のパズルが収録されているんですよね。今作ではパズルの舞台となっているピアプロキャラクターズのお部屋やコスチュームも自由にカスタマイズできるようになっていて、キャラクターの可愛さが増し増しになってる!と思いました。

小泉:そう言ってもらえると嬉しいです。近年のゲーム実況等の配信コンテンツの需要の高まりを鑑みて、今作では実際に遊んで楽しいのはもちろん、配信等で見ても目で楽しめるようなデザインを意識して制作しました。

―最近はコンシューマー向けのゲームの企画・開発が多いですが、その前はスマートフォン向けアプリゲームの企画・開発が中心でしたよね?

小泉:そうですね。私たちデジタルコンテンツチームは、もともと2001年にモバイルコンテンツに参入した時の担当者の業務を引き継いでいるチームなので。今はデジタルコンテンツ全般を扱うチームとしてライブ関係の3DCG制作を担当することもありますが、メインの業務は今もモバイルコンテンツ関連が多いです。
ちなみに今年劇場版も公開されたスマートフォン向けアプリゲーム『プロジェクトセカイ カラフルステージ! feat. 初音ミク』(略称『プロセカ』)の監修も担当しています。たまに『プロセカ』のことを"初音ミクの会社が制作しているゲーム"と認識されている方をみかけますが、『プロセカ』はセガさんとColorful Paletteさんが協業で運営しているサービスであって、当社が制作して運営しているわけではありません。ただ、ピアプロキャラクターズを扱うモバイルコンテンツの一つなので、当社も監修にはがっつり携わっています。
そのほかにも、初音ミクたちは色々なゲームと期間限定のコラボをしたりするので、自分たちのオリジナルゲームを企画・開発するのと並行して、監修作業の方がわりと大変だったりします(笑)

伊藤:Episode 2 の対談でもお話しましたけど、当社では、携帯電話向け効果音サイトの開発をきっかけに、モバイルコンテンツ事業に参入しました。そこで得たノウハウや経験を活かして、その後に壁紙、ゲームと少しずつ手掛けるコンテンツを増やして現在に至っています。アプリゲームを開発する前は、携帯電話向けSNS上のゲームとかも作っていました。
今は“クリプトンが作るゲーム=初音ミクのゲーム”というイメージを持つ人が多いと思いますが、初音ミクを企画する前からゲームは作っていたので、昔はキャラクター要素のないものも作っていたんですよ。


―そうだったんですね!?私も知りませんでした!(※インタビュアーは2018年入社)
では、“当社が初めて開発した初音ミクのゲーム”のタイトルは何になるのでしょう?当社のコーポレートサイトに掲載しているニュースリリース情報は2011年以降のものなので、モバイルコンテンツ関連は2012年の『初音ミク ぐらふぃコレクション』の提供開始が一番古い情報のようでして・・・!

伊藤:んー・・・何だっけ?

目黒:『ボカロライブ』ですかね?

小泉:目黒さん、正解です!
正式名称は『初音ミク ボカロ×ライブ!』と言いまして、モバゲー(当時の正式名称は「モバゲータウン」)というSNS上のソーシャルゲームとして公開したものです。ユーザー間のコミュニケーションを重視した、みんなと繋がることのできる日本初のCGMソーシャルゲームとして提供していました。

布施:どんな内容のゲームだったんですか?

小泉:ユーザーがプロデューサーとして初音ミクをはじめとするピアプロキャラクターズを育成し、ライブで他のユーザーと対戦することの出来る育成型シミュレーションゲームです。キャラクターの成長を楽しみながら、友人とのコミュニケーションを活性化することをコンセプトとしていました。
その後、CGMソーシャルゲームの第2弾として発売したのが、先ほど話に挙がった『初音ミク ぐらふぃコレクション』です。
最近デジタルコンテンツチームが手掛けたオリジナルゲームについては「CRYPTON FUTURE MEDIA GAMES」サイトにまとまっていますので、ぜひそちらを見て気になるゲームを遊んでいただけると嬉しいです!

待ってくれているファンのために。

―コロナ禍以降、当社では新しい取り組みが増えていると思います。国内イベントも、これまでとは異なる地域で開催することが増えていますよね?

伊藤:はい。まだイベントを開催できていない地域のファンのみなさまの期待にも応えたいと考えているので、積極的に検討するようにしています。今年の4月~5月にかけて開催していたライブツアー「初音ミク JAPAN LIVE TOUR 2025 ~BLOOMING~」では国内7都市を巡りましたが、そのうちの2都市(香川・沖縄)では初音ミクのライブ開催自体が初でした。

目黒:2025年の「マジカルミライ」は、国内3都市(SENDAI、OSAKA、TOKYO)で開催します。仙台の会場は「マジカルミライ」初の分散型で、仙台のまちを歩いてスタンプラリーを楽しみながらイベントを楽しんでいただける形での開催となりました。地域密着型と言いますか、地域のみなさまと一緒に盛り上がることができたのかなと思っています。

伊藤:「マジカルミライ」がその地域の町おこし要素になれればという想いもあるので、昨年の福岡、今年の仙台ともに、地元企業や名産品などとのコラボレーションを実施しています。
先日のイベント開催時は、仙台名物である七夕飾りの「マジカルミライ 2025」バージョンが会場の入り口に吊るされていて、街中に溶け込んでいるのがとても印象的でした。


―国内イベントだけではなく、「MIKU EXPO」も2年連続で新天地を開拓していますよね?

布施:そうですね。「MIKU EXPO」は2024年に初のNZ&豪州ツアー(「HATSUNE MIKU EXPO 2024 New Zealand & Australia」)を開催しましたし、2025年には初のアジアツアー(「HATSUNE MIKU EXPO 2025 ASIA」)を開催する予定です。アジアツアーでは、2025年11月5日のバンコク公演を皮切りに、香港、ジャカルタ、マニラ、シンガポール、クアラルンプール、ソウルの7都市を巡ります。初音ミクのコンサートがバンコク、マニラ、ソウルで開かれるのはこれが初です。

伊藤:まだツアーを開催できていない大陸もありますので・・・いつかは初音ミクたちと一緒に行ってみたい、という気持ちはあります。


―そして、新しい地域を意識しているのは、イベントの開催地だけではありませんよね?

小泉:その通りです。先日リリースしたばかりの新作パズルゲーム『初音ミク ロジックペイントS+』は29言語に対応しており、より多くの方にお楽しみいただけます。
世界中の色々な地域にいらっしゃるピアプロキャラクターズのファンのみなさまに当社のゲームを届けることで、ゲーム内で起用している色々なクリエイターさんのイラストや音楽の魅力も一緒に届けられればと思っています。


―これまでイベントやコンテンツをお届けできていなかった地域にもどんどん届けることで、より多くの方に創作文化の楽しさを知っていただけると嬉しいですね。

それでは最後に、Episode 3 の伊藤社長の対談相手としてご協力いただいた目黒さん、小泉さん、布施さんにお聞きします。入社してから今までの中で一番印象に残っている「創る」にまつわるエピソードを教えてください!

布施:「創る」で思い浮かぶといえばやはりMIKU EXPO関連のコンテストかなと思います。
当社のミッションとしてメタクリエイター(クリエイターのためのクリエイター)を掲げている通り、世界中のクリエイターの皆様に活躍の場を提供しようと実施しているコンテストですが、その中で直近のMIKU EXPO 10th楽曲コンテストのグランプリ楽曲がバズったことが印象的です。英語楽曲であるにも関わらず日本のファンの皆様にも受け入れられていたり、香港の商品プロモーションに使われたり、日本や海外のゲームに実装されたりと、世界中に「創る」の輪が広がっているのを顕著に感じました。

創作の輪の広がりや連鎖が初音ミクを取り巻く創作文化の特徴ですが、リリースから20年近く経つ今でもその輪が世界中に広がり続けていることは、本当に類を見ないことだなと感じています。


小泉:ちょうど先⽇7/24に新作ゲーム「初⾳ミク ロジックペイントS+」が発売されましたが、その1作⽬となる「初⾳ミク ロジックペイントS」が思い出に残っています。
デジタルコンテンツチームでは、もともと携帯電話向けの着信⾳配信サイトからモバイル関係の業務を⾏っていました。ゲームもスマートフォン向けのソーシャルゲームなどを作っていましたが、初めてコンシューマー向けにゲームタイトルとして発売したものが、この「初⾳ミク ロジックペイントS」になります。
当時はコンシューマー向けということで⼿探り状態でしたが、せっかくならファンの皆さんと⼀緒に「創りたい」と思い、テーマ楽曲やゲーム中のBGMをピアプロコラボで募集しました。その流れは今も続いており、もちろん先⽇発売した「ミクロジS+」でピアプロコラボで応募いただいた楽曲を沢⼭使わせていただいております。

当社ではやってみたい!と思ったことにどんどんチャレンジできる⾵⼟があり、プロジェクトメンバーが願った「コンシューマーゲームを創りたい!」をファンのみなさんと創れたのが思い出ですね。


目黒:入社してからいろんな「創る」に関わらせてもらいましたが、やっぱり一番印象に残っているのは、「初音ミク」を創るところから関わっていたことです。

今でこそ「雪ミク」や「マジカルミライ」など、いろんなプロジェクトを担当してきましたが、当時は社内の倉庫の一角で、まるで夏休みの自由研究のようなノリで、佐々木さんたちと一緒にブレストしながら企画を形にしていったのがすごく思い出深いです。あの時はまだ“仕事”というより「なんか面白いことが始まりそう!」っていうワクワク感の方が強かった気がします。
学生のころは、ガラケーでHTMLタグを手打ちして自作の同人サイトを運営していたり、イラストや小説を書いていたり、わりと“何かをつくる”ことが好きだったタイプで。札幌でそういうジャンルの仕事ができないかと探していたときに、たまたま着信音の配信サイトを運営していたクリプトンを見つけて、気づいたら面接してそのまま入社していました。

そこから「初音ミク」の企画が立ち上がっていく中で自然と関わることになって…今思えば、あの時の様々なご縁や環境の重なりは、本当に奇跡的だったなと思います。
伊藤社長の最初のアイデアから始まったものが、こんなに大きな広がりを見せて、国や言語も超えて、いろんな人の“創る”を引き出していく。この流れそのものが、私にとっての「創る」の原点であり、今も変わらず続いているなと感じています。


―みなさん、ありがとうございました!

Episode 4 は、クリエイターサポート事業の担当者を交えたトークをお届け予定です。どうぞお楽しみに!


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