1
/
5

なぜ私たちは再生医療に取り組むのか?【Vol.02】 再生医療が抱える課題とは?


私たちASメディカルサポートは、再生医療クリニックの立ち上げのサポートを中心に、再生医療の普及を目指して尽力しています。

まだまだ発展途上の分野のため、「再生医療」という言葉に耳馴染みのない方も多いかもしれません。数多くの治療法があるなか、なぜ私たちは再生医療に取り組むのか?その先にどんな未来が待っているのか?私たちの思い描くビジョンについて、全2回でお伝えします。

今回は、再生医療の課題は何か?普及におけるハードルと、それを取り除くためにASが何に取り組んでいるのかを解説します。

・・・

再生医療を「夢の治療」で終わらせない

再生医療というのは、変幻自在に姿を変えられる「幹細胞」を使って、損傷した細胞や臓器を「再生」させる医療です。投薬などのように、一時的に痛みや症状を緩和するのではなく、原因となっている細胞や臓器自体を回復させます。そのため、従来の治療法では根本的な治療の難しかった、大きな怪我や難病を完治出来る可能性を秘めています。

また、患者様本人の細胞を使うため、拒絶反応などのリスクが低く、安全性が高いのも大きな特徴です。

[そもそも再生医療とは何なのか?詳細は【Vol.1】で解説しています。▶︎https://www.wantedly.com/manage_posts/articles/353390/edit

最先端分野である再生医療ですが、「細胞を使った治療」としてのルーツは、「輸血」です。しかし、血液中の細胞は寿命が短いため、輸血は一時的なケアに留まります。そこで、より根本的な治療を目指して始まったのが、「臓器移植」でした。例えば血液を作れない白血病などに対しては、「骨髄移植」が行われます。骨髄移植であれば、損傷している骨髄自体を健康な骨髄と入れ替えるため、病気の完治を目指せます。

そしてさらに、これらの治療法の問題点である「他人の細胞や臓器を体内に入れる」ことによるリスクを解決するのが、私たちの取り組む再生医療です。

このように、一見近未来的な再生医療も、少しずつ技術が発達してきた結果であり、私たちにとって身近な治療法と地続きにつながっているのです。

そして、現在も研究、発展中の再生医療ですが、2014年に大きな転換期がありました。2つの再生医療法案、「再生医療の安全性の確保等に関する法律(再生医療等安全性確保法)」と「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律(医薬品医療機器等法)」が成立したのです。読むだけで目が回りそうですね(笑)毎回書いてはいられないので、この2つをまとめて、「再生医療法」と呼びますね。

要するに、再生医療の安全性を確保するためにはどんなことを守るべきか、国が基準を作ったのです。つまり、研究の進んできた再生医療に対して、国が「これは法律を作ってきちんと取り組むべきだ」と意思表示をしたということです。

このように、再生医療を「夢の治療」ではなく、確立したいち治療法にしていこう、という流れがいまの日本にはあります。

再生医療を始めるのは、難しい?

完治が目指せて、心身の負担が小さく、安全性が高い。国も再生医療に取り組もうという機運がある。そんな再生医療なのに、なぜ爆発的に普及しないのでしょうか?

まず、再生医療法が制定されたことで、再生医療を始めたいクリニックにとってはハードルが上がることになりました。クリアしなければならない基準が厳しくなり、認可を受けるためには膨大な資料の作成や環境整備等が必要になったからです。もちろん安全な医療を提供するために必要な手順ではあるのですが、このハードルによって導入を諦めるクリニックも出かねず、再生医療の普及という観点からは大きな障壁です。

また、Vol.1でもお伝えした通り、再生医療に使う幹細胞の培養には高い技術が必要です。より高い治療効果を出すためには技術力の高い培養施設(CPC)との連携が不可欠ですが、専門の機器や培養士の必要なCPCを各クリニックが個別で持つことは、現実的ではありません。この培養の難しさも、クリニックが再生医療を始めるハードルになっています。

さらに、再生医療は、現時点では保険適用のない「自由診療」です。そのため、治療するには100万円単位の高額な費用が必要です。そんな金額をポンと出せる人は少ないですよね。たとえ再生医療を提供するクリニックが今後増えても、このままでは「一般的な治療」になることは難しいでしょう。

このように、「クリニックが再生医療の提供を始めること」も「患者様が再生医療を選択して治療を始めること」も、大きなハードルがあるという状況なのです。

ハードルを、一つずつ乗り越えるために

私たちは、再生医療を安全に普及させることで救われる人がたくさんいるはずだ、と信じています。事業を通じて、再生医療は大きな可能性を秘めている治療法だと確信しているのです。

そんな再生医療を普及させるために、ハードルを一つずつ乗り越えようと、地道な業務を積み重ねています。例えば、現在のメイン事業は、「クリニック・病院の再生医療導入支援(コンサルティング)」です。これは、再生医療法によって難易度の上がった再生医療申請をサポートするものです。まずは、導入部分をサポートをすることで、一つでも多く再生医療に取り組むクリニックを増やすことを目指しています。

そして、ここから先の、「導入後のサポート」にも力を入れているのが、私たちASの特異な点です。

まず、ASは自社でCPCを運営しています。高い技術力のあるCPCを持つこと、探すことがクリニックにとって負担なら、私たちがそのCPCを備えて各クリニックと連携すればいい。国内でもトップクラスのCPCを運営しているため、コンサルティングしたクリニックを、開業後も責任を持ってサポートすることが可能です。この事業が、日本の再生医療の質の向上につながるように、CPCの技術力も日々磨いています。

次に、クリニックの開業後、再生医療に関する広報のサポートも行っています。先ほども述べたように、現状では再生医療の治療費はとても高額です。「再生医療を始めました」というだけでは、必要な方にもなかなか選択してもらえないでしょう。そこで、再生医療専門の会社としての知見を活かして、再生医療の効果や可能性を患者様へ正しく伝えるお手伝いをしています。

最後に、再生医療の普及において、最も大きなハードルが残っています。「数百万円の治療費」です。このハードルを乗り越えるために私たちが掲げている目標が、「再生医療の保険適用化」です。

私たちの目指すゴールは、「コンサルティングしてクリニックを開業すること」ではありません。「再生医療を、必要とする患者様に届けること」です。一人でも多くの、病気や後遺症に苦しんでいる方に再生医療に取り組んでいただくために、再生医療の保険適用化を実現し、一般の方々にも手の届きやすい治療にしたい。

そのためには、「再生医療は本当に効果のある治療法である」ということを証明する必要があります。イメージではなく、数値などに基づいた、明確な実績を重ねなければいけません。そこで私たちは、「九州再生医療センター」を設立しました。これは、再生医療(幹細胞治療など)を行うクリニック、全国の提携クリニックの細胞培養を行うCPC、幹細胞治療後の独自プログラムを開発したリハビリ施設からなる、再生医療に特化した複合施設です。培養から治療、リハビリまでをワンストップで行うことができ、このセンターを拠点に再生医療の効果実績も積み上げることができます。

左から クリニック、CPC、リハビリ施設

さらに、現在力を入れている事業の一つが、「再生医療サポートプロジェクト」です。これは、「脊髄損傷、脳梗塞、変形性関節症の症例数を増やしていくことで将来の保険適用化を目指していく」というビジョンのもと、先ほどの九州再生医療センターで実施されているプロジェクトです。各疾患5名ずつに、再生医療による治療とリハビリを無償で提供することで、治療効果を実証する症例を一つでも増やそうと尽力しています。

当社でサポートを続ける車椅子YouTuber、渋谷真子(しぶや まこ)さん。YouTubeでリハビリの様子なども発信されています。

保険適用化を目指すことは、いち会社の取り組みとしてはとても大きな目標で、簡単なことではありません。しかし、再生医療を普及させるためには必要不可欠だと、私たちは考えています。難しいからこそ、自分たちが実現したい。そのために何が必要だろうか?と能動的に考え、一つずつ地道な取り組みを重ねています。

再生医療には、大きな可能性があるとともに、まだまだ越えなければならないハードルが多くあります。私たちは、その課題を一つずつクリアして、患者様に再生医療を届けられるよう、全ての事業部が一丸となって進んでいきます。近い将来、再生医療が当たり前の世の中になっていたら、それは私たちの努力が実を結んだということかもしれません。

[再生医療サポートプロジェクトを含めた、ASの事業の詳細に興味が出てきた方はこちら(富士副社長インタビュー)▶︎https://www.wantedly.com/companies/company_9753865/post_articles/332863

[保険適用化や九州再生医療センター設立など、ASの目指すビジョンに興味が出てきた方はこちら(寺崎副社長インタビュー)▶︎https://www.wantedly.com/companies/company_9753865/post_articles/330941

株式会社ASメディカルサポート's job postings

Weekly ranking

Show other rankings
If this story triggered your interest, go ahead and visit them to learn more