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ちょっと君!口を慎みたまえ!

昨日、2007年くらいの時にバックパッカーでニースに行ったとき出会い、その後シルバーのネコネックレスをつくってくれた張替君とお酒を飲みました。はじめはたわいもない話をしていましたが、だんだんといつものごとく熱を帯びてきて、話は作品の出来について議論になりました。

彼が言うには、僕の作品を見た2012年くらいの頭から木の少年という絵は、明らかに気持ち悪く、説明を超えていて、絶対売れないような作品であった。しかし最近の作品はポップになってきて、売れやすい作品に変わったというものでした。

そこで僕は、その頭から木の作品をホームページのワークス欄から調べ上げました。おそらく、浦和美園にいた時代の中国のアートマーケットを受けて描いた作品と思われました。彼は自分ではアートはよくわからないと言っていましたが、思った以上に分析が鋭かったです。フランシスベーコンの作品群とムンクの叫びを見せた所、ベーコンのは上手いけど、説明がつかないような気持ち悪さではない、どこかで見たことある。または、イメージが喚起しやすい絵だといっていました。一方で今ではかわいくなったと思われるムンクの叫びは、かなり説明がつかない作品であればどう見ても病的なものを感じるといってました。さらにタイトルも重要なのではないかと。叫びというタイトルがなにか違ったものだったら、そこまで恐怖を増幅させられないのではないか、とのことでした。

翻って僕の作品を見るに、以前は絶対売れなさそうな作品を描いていて、恐怖すら感じてたけど、今はポップな色遣いなどに変化していて、だんだんと売れる絵になってきている。仮の話だけど、もしどこかにすごい億万長者がいて、田中拓馬作品をすべて買える立場だとしたら、彼個人の意見では、おそらく昔の怖い絶対売れそうにない作品を買うのではないか、と言ってました。

これらを踏まえてやはり作家の初期の頃の作品傾向は、若いころが返ってこないように、希少なものもあり、そういうのが評価される土壌は確かにあると感じました。また、いまそういうのを描けるかというと模写はできるかもしれないですが、今の作品傾向や描き方から、癖や感覚が変わってしまったためできないという結論に達しました。ただ多くの方には今の方が当然受けるという話の結論でした。

そして、最後に、今度書きますが、画材や絵具、道具がそろってない状況、つまり売れてない状況において工夫していた描き方やそのころのイメージをどう作品に取り入れていくか。つまり、売れるようになる前の工夫や技術をどう取り入れて、頑張って作品にするかという話を検討したいです。つまり、売れる前の工夫するスピリットが大事というのがあります。そして、ある例があります。ある作家で濁った色を使い、売れなさそうな良さを活かしながらさらに技術を上げているイギリス人アーティストを紹介したいと思います。彼の作品は世界的に恐ろしい金額で評価されています。ここが今回の前半の話とつながる境界線でした。

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