「施工管理」という仕事、そして福島第一という現場
東京パワーテクノロジー(TPT)で施工管理を担当する皆川 裕二郎さん(32歳)。
担当しているのは、福島第一原子力発電所の廃炉関連工事です。
「施工管理の仕事は、手順書の作成、現場の監督、品質管理、安全管理。そして原子力で働くなら、そこに"放射線管理"が加わります」
火力や土木の施工管理と何が違うのか。皆川さんはこう答えます。
「放射線管理には専門のチームがありますが、だからといって現場の担当者が専門チームに任せきりでいいわけではありません。私たち一人ひとりも放射線に対する意識を持ち続けながら行動する必要があります。一般的な施工管理にプラスして、常に線量に注意しながら業務を進めなければいけません。その点が、火力部門や土木部門との大きな違いだと思います。」

今取り組んでいるのは「水を抜く」ミッション
現在、皆川さんが挑んでいるのはモックアップ試験。目的は、原子炉建屋の地下2階に溜まった水を抜くこと。
「やりたいことはシンプルに"水を抜く"だけ。でも実際にやることは、かなり難しいです」
工程はこうです。
①地上階の床にボーリングマシンで穴を開ける
②地下1階は線量が高く人が入れないため、コアビット(素材に円形の穴を開けるための工具)を延長して床を貫通させる
③地下2階までの経路上にある、配管・H鋼・ダクトをAWJ(アブレイシブ・ウォータージェット) で切断・撤去
④最終的に水中ポンプを地下2階に投入し、排水する
「地下は人が入れないので、調査しきれていない部分もあります。想定外のものが出てくることもある。1つクリアしたら、また次の課題が出てきます」
この試験のためだけに建てられたモックアップ施設。それほど、廃炉工事一つひとつの重みは大きいのです。
難しさと、面白さ
「入社当初は、先輩社員の指示のもと、動くことが中心で、正直につまらないと感じることもありました。ですが、現場経験を積み、「この現場はお前に任せる」と言われるようになると、自分の判断で工程が決まり、自分が「中止」と判断すれば作業が止まる。現場を自分の責任で動かしているという感覚は、やはり大きなやりがいがあり、とても面白いと感じています。」
さらに、モックアップの意義について。
「課題をクリアするたびに、作業員の皆さんがどんどん安全な方向に進んでいく。皆さんの安全を守れる。それが一番のやりがいです」

一生をかける仕事として
「例えばビル建設なら2〜3年で建設工事は終わりますが、この現場はそういう性質のものではありません。この先、長い年月をかけて、向き合っていく仕事だと思っています」
そして、地元・福島出身の皆川さんにとって、この仕事にはもう一つの意味があります。
「震災と原発事故に直接巻き込まれた地域の出身です。地元を復興させたい、その一心です」
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