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スマートスタジアム サッカー編

 12月15日、ついに新しい国立競技場が完成し、竣工式が行われました。

 近年、スタジアムにICTを取り入れて、訪れる人の満足度を高める「スマートスタジアム」が急速に注目されています。5GやIoT、電子決済など最新テクノロジーを駆使した仕組みが、次々と登場しています。

 スマートスタジアムがもたらす新たな体験は、”トキ消費”とも呼ばれるスポーツ観戦の魅力をどう高め、どんな感動を与えてくれるのでしょうか。

目次

  1. 鹿島アントラーズ カシマスタジアム
  2. 大宮アルディージャ NACK5スタジアム大宮

1.鹿島アントラーズ カシマスタジアム

収容人数:40,830名


 カシマスタジアムには、一見わからないですが、高密度のWi-Fi網が整備されています。スタジアムをIoT化するために、Wi-Fiのアクセスポイントを新たに約450カ所設置。3万人以上の来場者が集まるため、受け入れ環境の整備からスタートしました。

引用:https://www.so-net.ne.jp/antlers/lp/connected-stadium

 これだけの利用者がいるとどれだけのWiFiのデータ転送量があるのか気になるところです。カシマスタジアムのデータは分かりませんでしたが、スマートスタジアムの先行事例として有名な米国のリーバイス・スタジアムでは、データ転送量は、1日で10.1TB(テラバイト)に達したとのこと。68,500人収容可能なスタジアムで観客の38%がWi-Fiを利用したため、満席だとしたら約26,000人が利用した計算になります。ちなみに実効接続速度は、4時間にわたって3.0Gビット/秒をキープし、ピーク速度はゲーム開始直前に記録した3.67Gビット。

さてカシマスタジアムでは、このWiFi環境を活かし、様々な取り組みをしています。その一つがスタジアム内にある「SNS連動プリンター」

 特定のハッシュタグを付けてSNSに投稿すると、その写真をプリントできるというサービスで、「来場記念」として、非常に好評です。来場者は無料で写真をプリントでき、スタジアムはSNSで宣伝してもらえるため、Win-Winの施策と言えます。

 サービス提供する試合は毎回、600人前後が利用する人気スポットになっています。


引用:https://www.so-net.ne.jp/antlers/lp/connected-stadium/70815#

 またデッドスペースだった場所にARのポイントマーカーを設置し、スマホのアプリから読み込むと、バーチャルの選手たちと一緒に写真撮影ができるコーナーがあります。毎試合1000人前後の利用があります。さらに、10選手分を集めると、選手からお礼がもらえるというスタンプラリーも実施したところ、こちらも大変好評だったようです。

引用:https://www.so-net.ne.jp/antlers/lp/connected-stadium/70815#

 試合観戦に訪れている方には、チームのファンはもちろん、特定の選手のファンもいれば、いい写真を撮ることに情熱を燃やす方など、来場する動機はさまざまです。その方たちのニーズを捉え、最適なファンサービスを提供できるのがスマートスタジアムです。


2.大宮アルディージャ NACK5スタジアム大宮

収容人数:15,600人

 NACK5スタジアム大宮(大宮公園サッカー場)は1960年、大宮公園内に日本初のサッカー専用スタジアムとして開設されました。

 こちらでも高密度Wi-Fiサービスを提供し、快適な接続を実現。公式スマートフォンアプリを通じて特別コンテンツも提供しています。

引用:https://www.ntt.co.jp/activity/jp/b2b2x/smart-stadium/

 特定の選手を追いかけた映像が見られる他、スタジアム内での快適さをICT技術で追求しています。

 また、スタジアム近隣の大宮商店街と連携し、商店街のお店をマップ付きでアプリ上で紹介したり、クーポン情報をアプリ上で配信することで、スタジアムから店舗への送客を促進しています。入場ゲート前やコンコースなどに設置した10台のデジタルサイネージでも地域応援店情報などを提供し、スタジアム周辺地域の活性化も図っています。

 サッカーに限らず様々なプロスポーツチームの事業者とお話すると、どのチームもその地域の人々に支えられているという気持ちを強く持っており、いかに地域に還元できるかということを常に考えています。どの事業者も人手が足りずなかなかそこまで手が回らない現状がありますが、スマートスタジアムが地域と来場者のハブとして機能する可能性を垣間見ることができます。

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