株式会社Play Kicks Ventures(プレイキックスベンチャーズ)は、EC・デジタルマーケティング支援事業と人材育成事業を通してクライアントに対してEC関連のさまざまな課題解決を行っております。
今回は代表取締役の岩田社長にインタビューを実施。今回のインタビュー(後編)では、Play Kicks Venturesの強みやPlay Kicks Venturesで働く魅力、市場の将来性などについて伺いました。
<プロフィール>
岩田敏臣:代表取締役
1985年生 愛知県出身。大学卒業後、大手広告代理店にて、テレビCM、雑誌広告、ラグジュアリーブランドを担当。大手シューズチェーンストアでの勤務を経て、2013年 マドラス株式会社入社。2019年よりEC事業を軸としながら、OMO事業の推進、物流WMS刷新プロジェクト、デジタルを活用し、全社最適化に取り組む。現マドラス株式会社 取締役本部長。2023年1月、株式会社Play Kicks Venturesを設立。
ー 学生時代についてや、広告代理店を志望された理由を教えてください。
学生時代は中国に進出している多国籍企業のマーケティングコミュニケーションに関する論文を書いていました。
当時(2004年ごろ)は日本企業の中国進出が話題になっていて、中国の消費者に対して、中国の文化や特性を理解し、中国の消費者に対してどのようなコミュニケーションをとれば成功となりえるのかということを学んでいました。
中国の消費者の心に迫るには、どんなPRをしていったらいいのかということに興味があり、例えば、サントリーの現地法人の社名は「三得利」であり、企業、お客様、パートナーの三者ともに利益が得ることができるいうメッセージが込められており、中国人の心に迫るようなきっかけづくりをしていたことに当時すごく共感したことを覚えています。
「どのようなコミュ二ケーションをとれば成功するのか」、「ダイナミックに人の心を動かす消費行動を起こすためにはどうすればよいのか」という点にとても興味があり、広くものを伝えるだけでなく、人のアクションにつなげる業務をやってみたかったため、広告代理店を中心に転職活動を進めていました。
大手広告代理店に入社後は、テレビ放送局との折衝、交渉、テレビCMの買付業務や、スポーツブランドや化粧品ブランドの雑誌広告企画、買付、ラグジュアリーブランドの雑誌広告の担当をしていました。
「ひとの気持ちを動かす」ということが仕事をする上でとても大事だと思いながら仕事をしていたと思います。
ー 大手シューズチェーンストアではどのような業務を担当されていたのでしょうか?
学生時代にスポーツジムの受付でのアルバイトしかしたことがなく、代理店でスポーツブランドを担当した経験や、高校時代の単身でのアメリカ留学の経験があったため、外国人のお客様も多い渋谷センター街の大手シューズチェーンストアで販売スタッフとして勤務していました。ここでの業務は、お客様にシューズの販売を行うことでした。この経験から、顧客対応スキルや販売の現場感覚を磨いたことが、その後のキャリアに大きく役立っているかなと思います。
ー マドラス株式会社に入社された経緯や、業務内容についてお伺いさせてください
当初は、新しくスニーカー事業を展開をするということで、自身が経験した、マーケティングやPR手法で貢献できるのでは?と考え入社した経緯があります。
スポーツブランドのマーケティングコミュニケーションの経験と、大手シューズチェーンストアでの販売の経験などを活かし、自社のブランドをどう確立するのかという点に従事していました。
その後、EC事業を軸に、ECリニューアルプロジェクトを経て、デジタルマーケティング、オムニチャネル、OMO事業推進、全社最適化に取り組んでいます。PR業務も責任者として担っています。また、社内のグループウェアの一元化プロジェクトを実現し、現在は、物流システム刷新プロジェクトを担っています。
ー Play Kicks Venturesの事業にも関わると思いますので、マドラス社でのEC事業の取り組みについても詳しく教えてください
「組織体制強化」「オムニチャネルの促進と理解」「目標の明確化」の3点に取り組んできました。
2019年、EC事業について、経営陣は踊り場と捉えており、その状況を脱したいという思惑がありました。EC事業の責任者として、まずはチーム体制から自分で考える必要がありました。
EC部門は、営業部の中にあるのか、総務部(情報システム系部門)の中にあるのか、「営業部であって営業部じゃない」というような、お店として捉えられていない状況がありました。その際に、組織体制の大きなきっかけになったのは、「ECの現場責任者には優秀な人材を就けてほしい」という社長の一言がありました。
チームを強化するため、店長経験者やネット事業の希望者に声をかけていきながらチームを作っていきました。また、会社の中での在庫の問題、組織の問題を改善するため、ECのリニューアルプロジェクトを立ち上げ、いよいよECリニューアルプロジェクトがスタートするという時期に緊急事態宣言があり、社員が出社できずコミュニケーションがとりずらい中で、要件定義のためのミーティングをしたことは、印象に残っております。
ECの自社物流化、店舗会員とEC会員の統合、自社ECと外部モールの在庫一元化、ブランドサイトと自社ECサイトの統合、自社ECサイトからの店舗送客の可視化、などの課題の洗い出しをから、チーム体制の強化をしながらひとつひとつ解決していきました。
この経験を通して、日本の企業のデジタルの遅れや、ECへの理解が少ないのは、担当者に丸投げになっている、担当者に任せればいいだろうということが問題の本質なのではないかと考えるようになりました。
ECのテクノロジーやAIのスピード感が、企業の中におけるスピード感よりはるかに進んでしまっていること、そして、そこへの理解に乏しい会社が、デジタル化の遅れだったり、ECの遅れにつながっていると感じています。
経営者や事業承継者、EC担当者たちの学びの場、コミュニケーションの場があまりないと思っており、日本全国にこういった問題が多くあるのではないかと考えています。
これを解決するためには、学術的にリスキリングでただ知識を学べばいいのではなく、成功体験や失敗体験を、実践的に学ぶ場と関係を作る場(コミュニティ)が必要で、アトツギの立場の人や会社の要職者が学ぶ場を提供する必要あると考えています。
ECが進んでいる会社の事例ばかりではなく、しっかりと企業にヒアリングをして何が課題なのかを抽出し、その課題解決の事例をしっかりと伝えていく必要があり、そこを納得感が生まれると思っているので、そこをしっかりと啓蒙してことをやっていかないといけないのかなと思っています。
この事業を新しい会社として取り組みたいと考えています。
ー 今後、株式会社Play Kicks Venturesで実現したいことは?
広告代理業での経験、また事業会社における、DXやEC事業の推進等を経て、経営と現場の狭間で起きている課題解決をしたいと考えています。
次世代のビジネスリーダーの育成、特にEC運営責任者やDX推進の役割を担う人材にとって不可欠なスキルや知識を習得できるプログラムを展開したいと考えております。
特に実現したいのは、経営層、事業承継者を対象にした、教育サービス、メディア、コミュニティを実現したいです。「アトツギ」と「コマース」を掛け合わせたサービス名を考えています。