システム会社で働くSESエンジニアのメリット・デメリット
システム会社でSES(System Engineering Service)エンジニアとして働くことは、個人のキャリアにおいて多くの機会と課題をもたらします。ここでは、その主なメリットとデメリットを解説します。
メリット(利点)
1.多様なプロジェクト経験とスキルアップの機会
・様々な業界(金融、製造、流通など)や、異なる技術スタック(Java, Python, C#, クラウドなど)のプロジェクトに参画する機会があります。
・これにより、幅広い知識と経験を短期間で習得でき、自身の市場価値を高めることができます。
・常に新しい技術や開発手法に触れる機会が多く、スキルアップのモチベーションを維持しやすいです。
2.キャリアパスの柔軟性
・特定の企業や技術に縛られず、自身の興味やキャリアプランに合わせてプロジェクトを選択できる場合があります(SES企業との相談によります)。
・例えば、開発からインフラ、PMO支援など、様々な役割を経験することで、将来のキャリアの方向性をじっくりと見定めることができます。
3.人間関係の広がり
・様々なクライアント企業の社員や、他のSES企業のエンジニアと協業するため、多岐にわたる人脈を築くことができます。
・これは、将来的な転職や独立の際にも役立つ貴重な資産となります。
4.客観的な評価と自身の成長
・複数の現場を経験することで、様々な視点から自身のスキルや働き方を客観的に評価される機会が増えます。
・これにより、自身の強みや弱みを明確に把握し、成長のための具体的な課題を見つけやすくなります。
5.比較的安定した雇用
・SES企業に正社員として所属している場合、プロジェクトが終了しても、次のプロジェクトが始まるまでの期間も給与が保証されることが一般的です。
・フリーランスに比べて、雇用の安定性があります。
デメリット(課題・注意点)
1.帰属意識の希薄さ
・所属するSES企業ではなく、クライアント企業で働くことが多いため、所属会社への帰属意識が希薄になりがちです。
・社内イベントや社内研修への参加が難しい場合もあります。
2.キャリア形成の主体性が必要
・多様なプロジェクトを経験できる反面、自身のキャリアプランを明確に持ち、それに沿ったプロジェクトを希望しないと、場当たり的な経験で終わってしまう可能性があります。
・SES企業任せではなく、自ら積極的にスキルアップやキャリア形成の方向性を考える必要があります。
3.コミュニケーションコスト
・クライアント企業の文化やルールに適応し、新しいチームメンバーとの関係を構築する手間がプロジェクトごとに発生します。
・プロジェクトによっては、人間関係の構築に苦労することもあります。
4.待遇や福利厚生の差
・SES企業によっては、給与水準や福利厚生が、大手SIerや自社開発企業と比較して見劣りする場合があります。
・また、クライアント企業の社員と同じ場所で働いていても、待遇面で差を感じることがあるかもしれません。
5.技術やノウハウの蓄積が難しい場合がある
・プロジェクトごとに環境が変わるため、特定の技術や業務知識を深く掘り下げて自社に蓄積する機会が少ないことがあります。
・また、プロジェクトによっては、部分的な作業のみを担当し、全体像が見えにくいこともあります。
6.待機期間のリスク
・プロジェクトとプロジェクトの間に、次のアサインが決まらない「待機期間」が発生する可能性があります。この期間は給与が支払われることが多いですが、自身のスキルが錆びつくことや、精神的な負担を感じることがあります。
まとめ
SESエンジニアとして働くことは、多くの経験を積んでスキルアップしたいと考えるエンジニアにとっては非常に魅力的な選択肢です。しかし、その一方で、自身のキャリアを主体的に考え、積極的に行動していく姿勢が求められます。メリットとデメリットを理解し、自身のキャリアプランに合致するかどうかを慎重に検討することが重要です。