「自分のバリューを発揮できる『聖域』が作りたかったんです」
そう話すのは、PR会社、Web広告代理店を経て2021年1月にFUSIONに入社した鷹取寛大。
4年でディレクションした動画本数は延べ300本。インフルエンサーをはじめとしたキャスティング事業から、広告ディレクション、ノベルティグッズの制作まで幅広くこなし、エース社員としてFUSIONを牽引している彼。日々どのように仕事に向き合っているのか、その真髄を探ってみました。
鷹取寛大(たかとり・かんた) / 担当
PR会社、株式会社セプテーニを経て2021年1月にFUSIONに入社。インフルエンサーをはじめとしたキャスティング事業を担当。
自分のバリューを発揮できる「聖域」が作りたかった
ーーまず、鷹取さんがこれまでやられてきたことを教えてください。
僕は2015卒でPR会社に入り、大手プラットフォーマーの専任担当として働いていました。当時はどれだけTVに露出できるかがキモでしたが、そこで戦うと僕のバリューが埋もれると感じたので、Web記事の露出を増やすために伴走しました。
そのうちに、TVやWeb以外にも自分のやれることを増やしたいという思いが芽生え、3年目に広告代理店に転職しました。
インフルエンサー事業の専任担当として、コンペ、イベント、YouTuberタイアップ、商材漫画のプロデュースなど、いろいろやらせてもらいましたね。FUSION代表の前田と出会ったのもこのころです。
その出会いがきっかけとなり、2021年1月に入社しました。
ーーもともと関わりがあったんですね。なぜFUSIONにジョインしようと?
入社を決めたのは、シンプルに一緒に仕事がしてみたかったことと、このまま同じ会社にいたところで、自分で自分を成長させられる自信がなかったからです。10年後も社会人としてのバリューを持ち続けるために、あえて今の環境を離れて揉まれる環境に飛び込みたいと。
自分で自分の価値を更新できるのは、自分を律せられる人だけだと思っているんです。僕は自分でインプットするのが苦手なタイプなので、環境に揉まれて育つ道を選びました。
現在は、インフルエンサーまわりのことはほとんど何でもやっていますね。この4年でディレクションした動画本数は200〜300本。クライアントワークの実務的な部分は広告配信以外は全部担当している、といっても過言ではないかもしれません。
ーー本当にいろいろなことをやられているんですね。
自分の聖域を作りたかったんですよね。組織において自分がユニークなバリューを発揮できることが、自信や働きやすさに繋がると思っていたから、1社目はあえてWeb記事、2社目はインフルエンサー、と「需要があるけど椅子が空いているところ」を選んできました。
ーーその経験を重ねて今のポジションを築いていったと。実際に入社してみてどうですか?
自分は「なんとなくできるだろう」という思いで、これまでいろんなものに手を出してきたんですけど、FUSIONはまだ創業間もないので、そもそも席がうまってないんです。
だから、いろんな席に座って、何でもやらなきゃいけない面がある。そこに自分のバリューが発揮されている感覚があって、すごくやりがいを感じています。
ちょうど入社して1年近くになるのですが、なかなか色濃い1年間でしたね。当時の売上規模から現在を見ると、一歩ずつ、実直に前進していくことの大切さを感じます。
個人としては、インフルエンサーのディレクションだけでなく、戦略を設計したり、制作の実際の進行をしたり、自力をつけるための多様なスキルの獲得やスキルアップを目的にFUSIONに入社しているんですが、その観点でも、同様のことが言える気がします。
心情の変化の部分でいうと、やはり責任感が大きくなりました。決して自分がディレクションだけしていればいいわけではなく、お客様との折衝やノベルティ制作など付帯する様々な職域に越境せねばならず、戸惑う場面だらけではありましたね。そして、それを乗りこえるための力の源泉が、自分自身にかける責任感の広がりでした。
インフルエンサーと企業のあいだでベストな提案をするために
ーーFUSIONのエース社員と言われる鷹取さんですが、仕事において大切にしていることは何ですか?
「自分クオリティ」を下回らないようにすることですね。
自分の仕事に関しては、自分なりのクオリティを担保することを徹底しています。
あと、人の気持ちに立ってコミュニケーションを取ることを大切にしています。インフルエンサーの事務所(MCN)の担当の方とお話しすることが多いので、営業トークを飛び越えての意見交換や、本音を話していただくことが重要になってきます。
相手のリアルがわかれば、僕らが提案するものも一層リアルになる。自分は基本的に人当たりがいいと言われるので、その特性をうまく仕事に活かせていると感じますね。
ーーたしかに、インフルエンサーや事務所との細やかなやり取りは、案件を成功に導く鍵となりそうですね。
商材が生身の人なので、インフルエンサーまわりの仕事はどれだけ相手の立場に立って考えられるかだと感じています。
インフルエンサーと企業とのお取り組みの黎明期はスマホゲーム案件での伸長が目立ったタイミングだと思っており、そこから広い業種に一般化されてきたなかでだいぶ擦れてきている肌感があります。
最近のタイアップ動画には、インフルエンサーも視聴しているユーザーさんも「お仕事感」を感じるようになり、意図して期待していた反応とは真逆のネガティブな反応をいただくことも増えているのかなと。
しかし、インフルエンサーの方々の発信力と、支持されているポイントは、彼らの不断の努力によって確立されたものなので、「お金を払っているからこちらの意図のとおりやってほしい」というのは横暴です。
彼らがサービスや商材の魅力に触れて感じた「手触り感」のあるアウトプットをいただくためには、両者が互いを信頼し、真摯に向き合うという、人間関係の原理原則に立ち返ることが重要だと思っています。
だからこそ、ディレクションの際には、お客様のご要望も最大限反映できるように努めつつ、各インフルエンサーの方針やご意見を十分に聞き入れて調整することを意識して進めています。
ーーどちらにも気持ちよく仕事をしていただくうえで、鷹取さんの特性が活きていると。そのなかで印象的だった仕事はありますか?
広告代理店のころに携わった、とあるマンガアプリのプロモーションが印象的でしたね。
まだマンガアプリとYouTuberを組み合わせたプロモーションが一般化されていない時代に、30名ほどのクリエイター様とお取り組みをさせていただきました。結果、認知度の向上に加え、ユーザー数も大きく増やすことができ、お客様に大変満足いただいた事例です。
実は、当社代表の前田と初めて一緒に取り組んだ思い入れのある案件で、慣れないなかで膨大な量の進行を二人三脚で乗り越えた思い出があります(笑)。
FUSIONに入社してからだと、2021年秋冬に実施させていただいた、世界的に有名なゲームブランドの新規タイトルのプロモーションが大きかったです。
かなり大人数のクリエイター様を起用した施策に携わらせていただく機会が多く、それぞれの露出を通じた全体のイメージづくりや、スムーズなそれぞれの進行は、規模が大きいだけに苦慮する部分はありつつも、やりがいがありました。
ふたつめは、FUSIONで携わったノベルティ施策です。ノベルティ自体の企画、クオリティ管理から、生産ラインまでひとりで担当させていただきました。
ーーそんなことまで…! これまでにやられたことはあったんですか?
いや、まったくなかったのですが、知り合いに聞いたり、調べたりしながら進めて、半年かけて無事完成しました。「自分クオリティ」さえ担保できていれば、何とかなるものです。
一人ひとりがアウトプットに共感し、自尊心を高められる組織へ
ーー最後に、鷹取さんが今後挑戦していきたいことはありますか?
引き続き自分はいろんなことをやっていくと思います。
「できるよね?」と言われたら「できますね!」とつい言ってしまうのですが、それが個人のスキルの拡張化に繋がるのなら、未知のものでも引き受けていきたい。
自分の持ってるもので、誰かが必要としてくれるなら、それに応えたいと思っています。
また、FUSION全体としては、提案や制作物などのアウトプットへの深いこだわりに対して共感ができ、それぞれが境界を少しずつ越えながら一流の仕事をする、というような躍動感のあるチームで一人ひとりが自尊心を高められる組織になれたらいいなと思います。
人にはその人なりの戦略があると思うので、そこにフィットさせつつ、それぞれの自分クオリティを担保しながら働いていけたら最高ですね。
(取材・執筆=いしかわゆき/撮影=中澤真央)