ケンテックスでは、主に自動車修理工場で使用されている設備機器や材料などを取り扱っています。その中には、他の業界では認知度が低く知られていないのですが、とても便利なものもたくさんあります。
その一つが「ジオクリーナ」と言われる機械です。
溶剤塗料をスプレー塗装すると大量の有機溶剤(シンナー)が放出されます。自動車修理工場で使われている塗料であれば8割近くがシンナーであり、その全てが塗装時や乾燥時に塗料から揮発(蒸発)して大気中に放出されます。
一般的な自動車修理工場であれば、毎日少なくとも何リットルかのシンナーを大気中に放出していることになります。規模が大きくなればなるほど修理台数が多くなり、塗装面積が大きくなるので、その量は倍増していきます。
このような有機溶剤を減らすためには、二つの方法が一般的です。
一つは活性炭フィルターなどを通して排出することで、ある程度の量を活性炭に吸着させて減らすことができます。ただし、吸着させるので時間が経つに連れて能力は減っていきます。期間が過ぎれば交換しなければならず、その費用もかなりのものになります。吸着させた活性炭に熱をかけることで有機溶剤を燃焼させ活性炭を再生することもできますが、その場合活性炭の体積が減ってしまい、補充しなければならなくなります。当然、再生時にCO2を発生させることにもなります。
もう一つは、元から排出する有機溶剤を燃焼させる方法です。ガスを燃焼させるので設備が大掛かりになります。また、有機溶剤だけでは燃焼しきらないので、灯油やプロパンガスなどを利用します。こちらも大量のCO2を発生させることになります。当然設備は高額ですし、維持費用も莫大になります。
当社で扱っているジオクリーナはこのどちらの方法でもありません。また、設備費用はそれなりのものになりますが、維持費用はかなり安くなります。というか、電気(ファンなどを回すため)と水道水だけだからかなり抑えることができます。そして、なんといっても素晴らしいのが排出されるCO2がほとんどないということです。
有機溶剤は炭素と水素を大量に含んでいる分子です。この分子を水だけで分解できるようにしたのがジオクリーナです。ここ数年の間に、とても大きなメーカーさんの工場に何台か納めさせていただきました。また、自動車修理工場さんの溶剤排出量を削減するためでも、様々な地域で導入させていただいています。(上記の写真はその一社で撮らせていただいたものです。)
先週末も東北の製造工場様で大型のジオクリーナを納品させていただきました。こちらでも、排出される有機溶剤を減らして環境に貢献すること、そして、コスト削減を目指されています。そのお手伝いをすることで、私たちも環境を守る仕事をすることができます。
私たちは、ジオクリーナを一台でも多く世に送り出すことで、導入していただいた工場の皆様とともに有機溶剤の排出を減らしてきます。そして、その結果として光化学スモッグなどの発生を減らし、より良い環境づくりに役立てると思っています。