沼部 亮平｜Ryohei Numabe

大学卒業後、三井住友銀行よりキャリアをスタート。
財務アドバイザーとして、企業オーナーなどの富裕層を中心に金融コンサルティングに従事。
その後営業推進部と共同で、エンゲージメント向上施策の立案から実行までを経験。

より深く人に関わる働き方をしたいという想いから株式会社アサインに参画。

現在は、マーケター支援の責任者として、事業会社・支援会社ともにコネクションを有し、経営戦略上重要なポジションのヘッドハンターとしても活動。マーケティング戦略の上流設計や事業会社マーケターポジションへの支援実績が豊富。

今回は、アサインのエージェントとして、マーケター支援を得意とする沼部さんにお話を伺いました。ロジカルで知的な印象の裏に、熱い思いを感じるインタビューとなっています。

本日はよろしくお願いいたします。沼部さんは、マーケターの方のご支援実績が特に多いですよね。

はい。マーケター職種の方のご支援を得意としています。

広告代理店へのご支援も、事業会社へのご支援も双方可能で、マーケターのスキル領域は問わず幅広くご支援させていただいておりますが、特に事業会社マーケターへのご支援が多いですね。

マーケター職種のご支援にあたり、意識されていることはございますか。

その方のマーケターとしてのご経験やスキルを正確に理解し、具体的なキャリアの選択肢をご提示することです。

これはマーケター職種に限ったことではありませんが、職種ごとのやりがいや難しさは、その仕事を経験したことがある人にしか分かりません。エージェントとしてお話させていただくにあたり、その方の経験されてきたことやスキルセットを正しく理解し、職種に対するリスペクトを持ってご支援するという姿勢は、大切にしています。

マーケター職種は専門性が高く、転職市場においては、20代の社会人歴が浅い人であっても、ポテンシャルよりもスキルが重要視される割合が、他職種に比べて高くなります。

現時点の自身のスキルを正しく理解したうえで、次の選択肢を考えなければ、スキル面のミスマッチで受からないポジションや企業を受け続け、転職活動が長期化してしまう原因となります。そのため、エージェントとしてその方の現時点でのスキルと、それが評価される選択肢を正しく理解し、そのうえで本人のポテンシャルが存分に発揮される選択肢をご提案できるように意識しています。

専門性の高いマーケター職種に対する知見が深いからこそできる支援ですね。

はい。もう一つ、その方のポテンシャルが存分に発揮される選択肢を捉えるうえで、定数と変数を分けて整理し、共通項を見つけ出す面談を意識しています。

ご年齢や現時点のスキルセットに加え、希望年収やワークライフバランスなど、変えられない事実や譲れない条件等を定数、その方の仕事に対するモチベーション等、環境次第で変えられる部分を変数と捉えています。転職活動において、定数は変えられませんが、変数をいかに最大化できる支援をするかが、エージェントとして、求職者様の転職活動の成功とキャリアの実現にとって重要であると考えています。

なるほど。変数を最大化するための支援について、具体的な取り組みを教えてください。

例えば、ご面談ではその方の幼少期から過去を遡り、節目節目の意思決定の理由や、全力で打ち込んだこと、成長した時期や苦しんだ時期など、その方の人生を映し出すエピソードをお伺いしていきます。エピソードを並べていくと、その方のものごとの選択基準や、良い状態と悪い状態の共通項が見えてきます。

自分では気付けない共通項でも、客観的な視点でみて整理をすることで気付けることがたくさんあります。私が面談でしていることは、エピソードからその方の共通項を見つけ出し、言語化することです。ただ言語化するだけでなく、パワーポイント資料に落とし込み、面談で資料を投影しながら、言葉だけでなくグラフや図で視覚的に認識を揃えながらお話を進めていくようにしています。

自分自身の過去と現在を資料で可視化することで、自分の変数が最大化される状態はどんな条件が揃ったときなのかを、理解しやすくなります。それを理解したうえで、今後のキャリアプランを描き、足元の転職先から入社後のキャリアの歩み方といったマイルストーンに落とし込んでいくことで、目の前の転職活動に対する、その方自身の納得度合いが各段に高まります。

その状態で、自分自身の今後のキャリアと目の前の選択肢に向き合うからこそ、変数を最大化したキャリアを、実現できると考えています。

資料で可視化することで、納得度が高まりそうですね。変数、つまりモチベーションを最大化するという点にこだわってご支援されていますが、なぜ大切にされるのでしょうか。

何に取り組むにしても、その人のモチベーション次第で結果が大きく変わるからです。

私の話となりますが、学生時代にラグビーの強豪校でキャプテンをしていました。強豪校といえど全員が同じ方向を向いているわけではなく、ラグビーにかける思いや時間にも差がありました。そこで、一人ひとりと話す時間をとり、それぞれの悩みや大切にしたい思いを聞き、悩みの解消に向き合いました。そうすることで、日々の取り組みに対するメンバーのモチベーションが向上していくのが分かり、チームとしての目標も果たすことができました。

「同じ取り組みをしても、モチベーション次第で結果は大きく変わる」「人のモチベーションは、適切なアプローチをすれば上げることができ、前を向ける」ことを痛感し、人が人生の長い時間を費やす仕事でこそ、高いモチベーションで臨み、その人らしく前向きに取り組んでほしいという思いから、モチベーションを最大化するご支援を大切にしています。

ありがとうございます。最後に一言、お願いします。

キャリアを選択するというのは勇気がいることです。

ただ、人生は一度きりですから、自分らしい選択をしてほしいと思っています。

私は、一人ひとりの求職者様が、その方らしい選択に辿りつくために伴走できるのが、エージェントという仕事だと思っています。そのために、転職活動中はもちろん、転職後もその方らしく歩めるように伴走させていただいています。

実際に、ご支援させていただいた方々とは、ご転職後も継続してご連絡を取らせていただいており、キャリアプランの実現にむけてざっくばらんにご面談のお時間を頂戴しています。時折、飲みのお誘いを受けたり、結婚のご報告やお引越し先の相談を受けたりということもありますが、キャリアのパートナーとしてだけでなく、人として頼っていただけているなと感じられ、私としては嬉しい瞬間ですね。

今後も、エージェントとしても人としても、とにかく頼っていただける存在でありたいと思っています。