ある大学様からのご依頼で、歩行者通路のに沿って建つ建物の老朽化が激しく、いつ外壁が剥離して落下するか分からず、歩行者が安全に通れるように、簡易的な屋根を歩行者通路に作ってほしいとのご依頼でした。他社様とも見積りを取られており、多分弊社に声が掛かったのは最後の方では無いかなと思います。
色々な協力業者様と相談させていただく中で、ある業者さんが、そもそも外壁が古いのが問題であるのだからそれを直してはどうか。そうすればそもそも屋根なんていらないじゃないか。ということをおっしゃいました。試算してみると予算オーバーで、とても提案できるような金額ではありません。しかし他社と叩き合いで仕事をしてもなぁ…という思いもあって、大学の方に外壁改修で提案してみたところ、確かに予算は無いが、危険を無くすという意味では剥離の恐れがあるところを除去してしまうという部分は屋根を作るよりは合理的である!!それでいきましょう!!とのことで、とりあえず外壁の不良箇所の撤去という形で仕事をいただくことになりました。
そもそもお客様は何を望まれているのか、その為に何の手段を用いることが正解なのか、それを追求することが仕事にとって重要なのだということを気づかされた出来事でした。
それがきっかけで未だに仕事をいただけている訳ですが、今でもこの仕事が私の原点であると思います。