TRIVE GROUPでデザインマネージャーとして活躍する原田佳樹
サービスのUI/UXデザインを統括しチームをリードし続けるのはもちろん、現在はPMとして、半年から一年単位のサービス戦略を経営陣と話し合い、具体的な戦術へ落とし込む役割も担っている。
さらには、新規事業案を代表の籔本にほぼ毎日提案するなど、事業を創ることへのアンテナも高い。
そんな原田は、大学時代に一度ペットのCtoCサービスで起業。
Chatworkの元代表山本さんや、シードを中心に投資をする大手ベンチャーキャピタルからも出資を受け事業を展開していたものの、残念ながら約1年ほどでクローズを経験している。
「あの時の起業は、今考えたら全然事業に向き合えてなかった」
大きな挫折を乗り越え、なぜTRIVE GROUPで働こうと思ったのか。
サービスに対しての気持ちの変化や、経験から学んだ事業に向き合うことの重要性を聞いた。
「海外視察、資金調達、サービスローンチ」目先のキラキラは一瞬で崩れ去った
>>TRIVE GROUPに入る前は何をしていたんですか?
ペットの出張トリミングをしたい人と施術者をマッチングするCtoCプラットフォームを運営していました。
スタートしたきっかけは、大学の起業家育成授業。
友人3名でチームを作り、ビジネスプランを考えて最終日に複数の大学OB起業家の前でプレゼンするというものでした。
大学生が考えるサービスなので、どの事業アイディアも正直確度は低く、「いいね〜」「頑張ってね〜」と流され気味なフィードバックをもらっていたのですが、僕らのチームの事業アイディアはとても好評で、先輩起業家からの質疑応答も盛り上がったのを覚えています。
その中で、Chatwork元代表の山本さんからは特に事業をご質問をいただき、その場で数百万のエンジェル投資を受けることが決定しました。
「CtoCプラットフォームやペット事業の将来性」「横展開の可能性」「メンバーの熱量」など総合的に判断してもらった結果だと思っています。
ちょうどそのタイミングで、チャットワークはアメリカに進出しており、山本さんのご厚意で「せっかくだからシリコンバレー視察ついでに開発合宿しよう!」とお誘いをいただきました。
シリコンバレー視察は、サービスのリリースに向けてデザイン、開発、会議を強化的に行いつつ
AppleやGoogle、Facebookなどの企業視察
現地のCtoCモデルのリサーチ
エレベーターピッチでのフィードバック
現地で起業してる学生との交流
など、今考えても人生の選択に大きな影響を与えてくれた経験をさせていただきました。
シリコンバレーから帰国した後、サービスのローンチに向けてチームが本格稼働し始めました。
合宿で作成したLPを元に、リスティングをかけて、ユーザーの感触を図る。
毎日着実にユーザー数は増加し、並行して進めていたユーザーヒアリングからも、なんとなくニーズがありそうなのが見えて来るまでに時間はかかりませんでした。
リスティング資金やサーバー代などで、出資額では到底運転資金が足らず、外部調達を検討。
結果、シードを中心に投資をする大手ベンチャーキャピタルから数千万の追加出資を受けることが決定しました。
それがきっかけで、業務委託としてリモートで関わっていた北海道のエンジニアも上京。
チームも最終的には6名まで増えていきました。
つい数ヶ月前まで大学生だった僕らが、事業をスタートさせ、ユーザーの感触も上々、1,500万の資金調達が成功し、メンバーも増えてる。
当時は、無敵状態というか、イケイケどんどんで物事全てうまくいくような感覚だったのを覚えています。
そこから2-3ヶ月ほどの期間を投資し、徐々にプラットフォームを作り、ユーザーを集客するようになっていきました。
しかし、ここから少しずつ歯車が狂いました。
ユーザー数がLPの時の伸びと全く変わらず徐々に事業計画からビハインドするようになっていったんです。
地域を限定しビラを配ったり、リスティング広告を配信したり、獲得にあたって最低限必要なことはできていました。
しかしユーザー獲得に戦略性と呼べるものが一切無く、効果的な施策が何一つ打てていませんでしたが、当時はそれにすら気づいていませんでしたね。
追い討ちをかけるように、大学4年生だった僕らに、このまま事業を続けるか、就活をして企業に就職するかの選択のリミットも近づいていました。
言葉には出してませんでしたが
「このまま伸びるかどうかもわからないサービスをやるのは正直きつい・・・」
そう誰しもが思っていたと思います。
そんな折、創業メンバーの1人が事業から降りる判断をしたことが決定打になり、チームからどんどん人が離れていきました。
目の前の数字が伸びない、改善できそうな打ち手もない、チームが険悪なムードになり、人が辞める。
結果、代表と僕しか残らず、「人がいなくて続けられない」という形で事業撤退せざるを追えなくなってしまいました。
成功させないとチームも、事業も、ユーザーも全員が不幸になると身を持って体感したと共に、最後までユーザーに向き合うことの重要さを痛感しました。
犬を相手にしていたプロダクトが人になるだけ!
その後の身の振り方や、反省の壁打ちとして50名以上の起業家や諸先輩型にアドバイスをいただいていました。
その中で出会ったのがTRIVE GROUP代表の籔本です。
同じtoCサービスをグロースさせ、起業に対しての経験値も高い、バックアップしてくれているメンバー層の厚さなど魅力的に映る部分が多かったのですが、話して2-3分でお互いフィーリングがあったのは、一緒に事業をやる上でとても大きな意思決定要因担っています。
そこからも事業家として全然未熟な僕の話を親身になって聞いてくれ、サービスクローズするにあたって、今後の進路など自分のことのようにアドバイスをくれました。
そんな折、起業に対してまだ諦め切れていなかった僕に、CtoCのスキルシェアマッチングアプリの事業立ち上げのタイミングで、「デザイナーとして一緒にやろう!」といってくれた時のことは今でも鮮明に思い出せます。
僕も「犬を相手にしていたプロダクトが人になるだけ。この人とこのサービスを一緒に大きくしたい」と心の底から思えたので、二つ返事でOKさせてもらいジョインすることになりました。
とはいえ、自分で事業を作ることへの未練もあったので最初は週3日の業務委託からスタートしました。
ところが、ジョインして初日の朝礼で、メンバーの話してることが理解できなかったんです。
僕も同じCtoCのサービスを資金調達受けてやっていたので、最低限の知識はあるつもりでした。
事業への向き合い方、サービス・業界へ知識において、圧倒的な差を感じさせられ、全然自分でできるレベルじゃないなと思い知らされましたね。
結果、入社初日に「毎日出社させてください」と籔本に直談判し、フルタイムメンバーとしてジョインすることにしました。
>>TRIVE GROUPにジョインして意識が変わったことはありますか?
TRIVE GROUPにジョインしてからは「とにかくリーンに出す」
事業に対するスピード感の違いに圧倒されました。
TRIVE GROUPでは、とにかく早く、最低限の機能を作り仮説を世に出してみる。そしてユーザーの反応を見てみる。
仮説通りなら、作り込んでいけばいいし、仮説と異なるならまたリーンに改善する。
“speed is value”の意識が徹底されています。
自分で事業をやっていた時は、完璧主義な性格なので、例えリリースが遅れても1ピクセルもずらさないこだわりを持ってプロダクトを作ってきました。
それでは効果がなかった時に遅れを取り戻せないですし、事業の進みも遅くなる。
品質の妥協ではなく、事業に向き合いデザイナーとしてのプライドを捨てること。
とにかく素晴らしいビジュアルにするのがデザイナーのバリューではありません。
デザインと事業の関わりを考えないといけないと感じた瞬間でした。
上場はあくまでKPI。同じ目標に向かう仲間と市場の期待値を超えるアウトプットを出すだけ
>>今後TRIVE GROUPで成し遂げたいことは?
大きく2つあります。
- デザインマネージャーとしての投資判断を磨くこと
- 新しい事業を作ること
デザインマネージャーとしての投資判断は、
手前のデザインへだけでなく、採用や育成へ仕事の抽象度をどんどん上げていく。
例えば、直近弊社に正社員でジョインが決まった田島はいい例だと思っています。
というのも、UI/UXができて、事業目線をもったデザイナーって他業種に比べ採用難易度が高いんですよ。
今まで300名くらいのデザイナーの方とお会いさせていただきましたが、20代で事業目線が持ててるデザイナーは片手で数えられるほど。
僕は、デザイナーが事業に向き合う上で、「人に教えてもらうより自分で決断経験値を積むこと」
つまり「野生育ち」これしかないと思っています。
それをインターンから実践し、先の時間軸をみせ、チームで大きい目標を目指すことの面白さ、そして目標を達成し一緒に祝うことの高揚感と達成感を伝え続けた結果だなと思っています。
詳しい採用の経緯は田島の記事をご覧ください
この採用を一過性のものにせず、継続して行えるようになっていくこと。
これが大きなミッションになってくると思います。
また、中長期的に上場後、時価総額1,000億という目標に向かって自分がどんなバリューを出せるかを考えた時に、2番目の新しい事業を作ることが重要になってくると考えています。
大学時代は、「なんとなく起業したい」という中途半端な思いから事業をスタートしてしまいました。
とりあえずいいデザインにすれば、ユーザーに使ってもらえるはず
施策もとりあえず効果がありそうなことをやる
今考えれば、成功するはずがありません。
TRIVE GROUPには「成功するには、成功するしかない」というバリューがあります。
入社当初から、徹底的に事業に向き合い、UI/UXをリーンに回し続け、ユーザーからのFBを愚直に反映し、「会う人全てが採用候補」と人に会い続け、デザインチームを作り、責任範囲をプロダクトを見る側へ侵食させていく。
そして、自分の関わったプロダクトが営業利益10規模に大きくなり、売却に貢献した。
この経験が大きな自信になっています。
直近は、目先のデザインのタスク以外にも、代表の籔本と毎日新規事業のディスカッションをしています。
新規事業の様子はこちらから!
TRIVE GROUPが拡大し続けていくためにも、時価総額1000億を突破するにも事業創造は欠かせないピースだと考えています。
一度事業に失敗したタイミングで、TRIVE GROUPにジョインしていなければ、また事業をやりたいとは思っていなかったと思いますし、できたとしてもまた中途半端に終わってしまっていたでしょう。
今、正直苦しい事業がタイミングで、どうしたらいいかわからない。昔の僕みたいな方もいると思います。
今後は、そういった方の事業相談にも乗らせていただき、事業を推進させる手助けをすることで、自分自身の事業に対する見方や確度もあげていき、いずれはTRIVE GROUPで一緒に事業ができる仲間を探していきたいなと思っています。
あとがき
TRIVE GROUPでデザインマネージャーとしてチームを引っ張る原田。
どんどん社外に進出し、チームの顔として「デザイナーが抑えておくべき定番欧文フォント31個」の記事を公開したり、
技術書典というイベントで「ゼロから始めるデザインシステム」という本を執筆したりしています。
そんな原田のバックグラウンドは、学生起業。
ペットのトリミングCtoC事業が、元Chatwork代表の山本さんの目にとまり出資を受けたことから、事業家としてのキャリアがスタートしている。
しかし、事業の伸び悩みがきっかけで、チームの解体が進み、「人がいなくて続けられない」という最悪な形で事業をクローズ。
成功させないと、チームも、事業も、ユーザーも、関わってる人全員が不幸になると身を持って体感しているのは、今となっては原田の大きな強みになっている。
その後、失敗の原因を瞬時に見極め、リカバリーを図るため、多くの先輩起業家にアドバイスを求める姿勢。
入社直後からデザイン責任者として、代表の籔本や杉野、竹口など、いいマインドセットに囲まれ、大きな目標に向かってチャレンジしてきたことが、今の原田の活躍に大きく関連しているだろう。
TRIVE GROUPは「信賞必罰」の文化が色濃く根付いており、今回の原田の例の他にも、2月にジョインした黒田も若干19歳ながら、過去の事業立ち上げ経験を買われ、入社後即事業責任者に抜擢されている。
今事業に向かっていても、時勢的に必ずしも成功しているとは限らない事業家が多くいるだろう。
その経験は決して無駄ではない。
過去の失敗を引きずるのではなく、一度精算し、大きな目標をみんなで目指していくTRIVE GROUPで新たに事業をスタートしてみるのも、面白くはないだろうか?