昨年の冬からワンページにインターン生として通っている大学3年生の福間くん。彼は最近、判断に迷っていることがある。それはクライアントから30代に間違えられること。これを誇りに思っていいのか、悲しむべきなのかを測りかねている。ハシムーおかんは彼の名誉のために、間違えられる原因が彼の努力の賜物であることを立証し、決して老けているからでないことをみなさんにお伝えすべく、ここにインタビュー記事を2回にわたって掲載する。
(インタビュアー)「将来は大企業の社長になってワンページを買収します!」という宣言とともに私たちの前に華やかに登場した福間くんだけど、ここにインターン生として来る前の話から聞かせて欲しいな。
(福間くん)高校生の頃から「社長になりたい」という夢がありました。何をする会社なのかは決まってないけど、「フクミクス株式会社」という会社名だけははっきり決まっていて。
この「社長になりたい」という思いから中京大学の経営学部に進みました。
(インタビュアー)社内で「フクミクス」っていうあだ名で呼ばれているのは、そこからきているんだね!大学では自分と同じ志を持った仲間とは出会えた?
(福間くん)メンバーがたった4人の「社長になりなさい」というゼミに参加したのだけど、自分と同じ志を持った仲間は実質この3人かな。「ビジネスモデルを作りなさい」という課題に取り組んで、ハウス食品の東京本社にプレゼンに行ったり、ビジネスのピッチ大会に参加したりして結構いい経験を積ませてもらってるゼミです。
(インタビュアー)面白いゼミだね。その仲間も福間くんと同じく将来を見据えてインターンシップをやったり、がっつり仕事したりしてるの?
(福間くん)僕は特殊なケース。みんなそれぞれ好きなことをやっている連中で、日本一周してるヤツもいれば、アメリカ留学に行ったり、居酒屋のキャッチをやってガッポガポ稼いだりしてるやつとかもいます。
みんなからは色んな刺激をもらってて、いい関係。でも、大学生として同い年の子たちを比較対象とするならば、自画自賛するつもりはないけれど、自分は将来のことを考えて行動しているっていう自信はあるな。
(インタビュアー)私は福間くんのケースしか知らないけど、確かに特殊なんだろうね。学生の段階からこんなに本格的に仕事に取り組む子が他にもたくさんいるとは思えないな。
ワンページとの出会いはどうやって得たの?
(福間くん)中京大学の卒業生が集まる交流の場で「賀詞交換会」っていうのがあるんですが、ラッキーにも在学生の身でありながら、そのアフターパーティーに先輩に連れていってもらって参加したんです。親父さんに「スーツ貸してくれ!名刺入れ貸してくれ!」っていって急場で必要なものを調達して、名刺も文房具屋さんで作って準備しました。
とはいえ、初めての交流会の場で慣れない神経を使ってクタクタになったのでトイレに休憩しに行ったら、ベロベロに酔っぱらった河合社長がいて。
(インタビュアー)あははは!
(福間くん)「おー!学生!お前面白いやっちゃな〜。うちの会社にあそびにこいよ!」って声をかけてもらって。
なんで「面白いヤツ」って思ってもらえたかというと、パーティでマイクをまわしてもらったので「在学生の福間です!僕は将来社長になりますんで、よろしくお願いいたします!」って自己紹介したんですよ。その時、遠くの方で「お〜っ!!」って声を上げて反応してくれた人が河合社長で、その河合社長とトイレでばったり鉢合わせしたのが出会いでしたね。
(インタビュアー)まさか、そんな面白い出会いだったとは!
(福間くん)そうですね〜。そこからこんなに深くお付き合いさせていただいて色々面倒見てもらっているので、人生何が起こるか分からないものだなあと思ってて。
(インタビュアー)そんな経緯があってワンページに来ようって思ったんだね。
(福間くん)会社に飛び込むって、いわば未知の世界へいくこと。バックパッカーをするのと一緒で「とりあえず行ってみよう!」っていう精神できました。会社においでよって言われてもいかないとか、何かやりたいって言っててもやらない学生って多いと思うし、自分も深い思いがあったわけではなくて、何の気なしに「じゃあ行ってみよう」と思っただけでした。行けば何かあるだろうという感じ。実は河合社長の会社が何の会社かも知らなくて、来てみたらWEB制作会社だったという。でも、その時の現状として経営者になりたいけど何をしたらいいんだろうって状態だったので、どこかで修行を積みたい思いはありました。
河合社長はこの時のことをベロベロに酔っ払っていながらも覚えていた。将来に関して夢を語る学生は多いが、はっきりと言い切るヤツはいないと河合社長は言う。ましてや「会社に行きます」と口では言うが本当に来る奴もなかなかいないと。よって学生を本気で相手にしないようにしているが、福間くんは忙しくて返信をしない自分に「メールは届いているでしょうか」と何度も連絡をとってきた。こいつは他とちょっと違うと感じたとこの時を振り返っている。
(インタビュアー)それからインターンの時代が始まるわけだけど、インターンって言えるのかというくらいの濃密さがあるね。私から見ると仕事力の伸びが凄くて、今はもう学生さんに見えないんですよ。立派な社会人にしか見えない。
(福間くん)あはは!老け具合がっすか?
(インタビュアー)いやいや!そんなツルツルのお肌で何をおっしゃる!
具体的にいうと、仕事の技術力とかコミュニケーション能力とか高いってことね。私が知りたいのはどうして、そこまで伸びたのかってことなんですよ。
(福間くん)あ〜、そこは自分を見つめ直す良いきっかけになるかな。自分でも何で伸びたのか分からないんですよ。
そもそも営業を取り組み始めた理由なんですが、経営者になりたいって目標を掲げている僕にとってまずは2年、3年と会社を守って潰さずにやっていくのが最初の段階だと思うんです。と言うことは、河合社長になれれば2期目3期目まで必ず持ってこれるということ。
だから逆算して河合社長が僕ぐらいの時に何をやっていたのかを知ればいいわけで、聞いてみたら「本気で営業をやっていたよ」と。じゃあ、僕も本気で営業やれば河合社長みたいになれるんだっていうことで今取り組んでるわけなんです。
(インタビュアー)仕事の最初は徹底的にパクれ!ということもあるもんね。まずは河合社長を目標にしたということか。
(福間くん)だから先に見ているところがイチサラリーマンとは違うんじゃないかなと思って。数字を取って給料もらうのは営業マンとして当たり前なんだけど、ゆくゆくの視点としては「経営者としてやっていく」いうのを忘れずに芯としてもっている自信はあるので、そこが成長のスピード・吸収性としてあるんじゃないかと思います。
あと、河合社長と先輩マネージャーには本当に、ほんっとーにめちゃくちゃ面倒を見てもらっていて。夜中でも分からないことがあれば答えてもらったり、休みの日でもロープレに付き合ってもらったりとかもしているんです。
(インタビュアー)そんなにガッツリ指導を受けていたんだね!
(福間くん)正直、金にならないじゃないですか。最初に学生を育てるなんて。でも僕が向上心を持って何かを成し遂げたいって頑張れば答えてくれる会社だと思うので、それが成長できた理由じゃないかなって思って。
自分も学生の時代に上場企業の社長に育ててもらった身だと河合社長は言う。福間くん同様、学生時代の金にならない自分を何故これほどまでに教育してくれるのか不思議だったのだが、今の立場で考えるとインプット以上にアウトプットする有益さは大きいと語る。相手に伝える能力を養うし、これから若い従業員を迎えるにあたって彼らの志向を知ることもできる。そして何より彼らのキラキラした目をみていると自分もやる気になると。インターンシップにはお互い成長している軸があると河合社長は語っている。
ハシムーおかんは福間くんよりずっと年上だが、彼には一目置いている。しかし河合社長、福間くん、両氏ともに「経営者であるのならば」と言うレベルでの論点であるため、なかなか厳しい意見も出る。河合社長は福間くんを学生として考えると逸材だが、経営者目線で考えるともっと突き詰めて営業をやれるんじゃないかと言うのだ。福間くんが30代のベテラン営業に間違われるほど成熟して見えるのは、どうやらこの目標値の高さに由来しているようだ。第2回では、その辺りのことも探っていく。