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【Ep.9】 ひとりで現地法人を立ち上げ、 フランスと日本のコミュニケーションを繋ぐ橋渡し役として奮闘する S.W.さん

こんにちは!AABの宮本です。

AABの社員それぞれがどんな仕事をしているのか、どんな働き方をしているのか、イベントの企画制作の醍醐味とは? …などなど、様々な話を伺い、公開する「スタッフインタビュー」。

今回の【Ep.9】では、フランスオフィスのブランチマネージャーである S.W.さんに話を伺いました。フランスオフィスの体制は他の拠点とは異なり、現在所属しているのは S.W.さんのみ。文化も習慣も日本とは異なるフランスで、どのように仕事をされているのでしょうか?

「海外で活躍してみたい!」「イベント業界や企画制作に興味はあるけど経験がない・・」と思われている方などの参考になればと思います。

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ー S.W.さん、まずは簡単な自己紹介をお願いします!

S.W.:
2011年入社の S.W.です。
現在はフランスオフィスに駐在しています。

新卒で入社した会社は、コールセンターの部門で働きました。
金融系のクライアント先へ派遣され、社外の人たちのなかで柔軟にチームに馴染み、情報を得て、困ったときに助けてもらう人脈を形成したり・・・と取り組んでました。クレームに繋げないサービスを提供することが求められるなか、電話先の会ったことのない他部署の人と仲良くなるような、コミュニケーション力はコールセンター時代に養いました。

自分の担当しているサービスを改善する立場にないことにもどかしさを覚え、広報・PR分野方面の仕事がしたいと考え始めたときに、AABインクへ転職しました。広告やイベントなどを通して、モノを売るためきっかけをつくるプロモーションの仕事に面白みを感じました。

AABインクに入社したきっかけは、企画を考えることで、多様な案件に薄く広く関わることに関心をもったからです。その時々のトレンドを捉え、モノを売る”きっかけ”を考えることに携われるので、魅力を感じました。

ー 入社前と入社後でギャップはありましたか?

S.W.:
この業界を全く知らなかったので、派手な文化と習慣を引きずっている(ようにみえた)雰囲気に、入社当初は少々困惑しました。例えば、仕事の関係先と飲み会が大事・・みたいな文化がありました。
ただ、この10年で、そんな習慣はすっかりなくなったように思います。

ー 確かに"広告業界=飲み会や接待が多いなんてイメージがありますよね。
  ここ数年や新型コロナウイルス感染症の流行によって、だいぶ業界も変わったように感じますね。

フランスでの案件からオフィスの管理まですべてを担当
案件によって最適なチームを編成して取り組むスタイル

ー では、続いてはS.W.さんのお仕事について聞かせてください。
  現在担当されているのはどのような仕事ですか?

S.W.:
フランスオフィスは2019年3月に設立され、それに伴いフランスオフィスに駐在することになりました。
フランスオフィスは駐在1名なので、会社の業務、オフィスやビザの更新等から、日々の案件について、企画~実施運営まですべてやっています。

案件としては、訪日観光や日本酒等を現地にPRする日本に関連するプロモーションの案件を担当しています。また、案件の内容に併せて、フランス以外の国も担当しています。

ー どのようなところに仕事のやりがい・おもしろさを感じていますか?

S.W.:
現在は私しかスタッフはいないため、企画書の作成や案件の進行の際には、フランスを拠点に、日本のメンバーや現地の協力会社を巻き込むことで、スタッフ不足な部分を補っています。また、案件ごとに、現地でチームを組んで働ける仲間やサプライヤーを探し、案件を実施していくスタイルで、フランスだけでなく、オランダにいる人、英国にいるにいる人、スペイン、ポーランド、たまにアメリカなど・・・と、いろんな国の人とやりとりをして、進めていきます。

なので、担当する案件を通じて、様々な業種・国の人と仕事する機会があり、ジャンルの異なる業種の人からいろいろ学べること、様々な国に出向くことができるのは仕事の面白さのひとつにつながっています。


ー これまででいちばんで大変だった、または、最も嬉しかった仕事のエピソードを教えてください。

S.W.:
入社時は、国内で企画の仕事に携わることをイメージして入社しましたが、全く想像していなかった範囲に自分の経験が活かされていったのが嬉しかったです。

例えば、「学生の頃にリヨンに留学していたのだから、この展示会の企画書を書いてみなさい」と上司に渡された案件から、フランスの仕事へとつながっていったこと。入社当時はフランスにオフィスはなく、ヨーロッパの仕事を頻繁に手掛けている会社ではありませんでした。

また、フランスで四国の観光プロモーションに携わることが多いですが、これも入社前に少し小豆島に住んだ経験が活かされています。フランス人はまだ観光地化されていない場所に行きたいという人が多く、日本人旅行者で溢れていない地元の生活・習慣が体験できると紹介すると、関心を持つ方が多いです。
学生時代にフランスに住んでいたときは、「日本人です」というと、なんて遠くからきたんだ!と言われましたが、いつのまにかいつか行ってみたい旅行先としてフランス人に広く認知されていることがとても嬉しいですし、日本のことをもっと知らないと!と思わされます。

ー フランスで日本のものやことをPRする際に、気をつけていること・心がけていることはありますか?
  また、他の国籍のスタッフやクライアントと仕事をする際に、
  気をつけていること、心がけていることは何かありますか?

S.W.:
日本との差異を知るために、その国の習慣・宗教などの背景を知ることは大切だと感じます。

また、PRしたい商品の背景について、なにがフランスと異なる部分で面白いと感じてもらえるのか、言葉で伝える工夫が必要になります。
例えば、日本人が言う「よい品質」という表現は、こちらにある似たようなものと”何が””どう”異なるのかよくわからないため、フランスの人たちにはうまく伝わりません。

例えば、日本酒の試飲をしたフランスの人は「ナッツの香りがする」等、ワインで表現する言葉を使って、その価値を知ろうとするので、そのような言葉を参考にするようにしています。
こちらにある文化に、日本の文化がどのように合いそうかを考えるようにしています。

日本とは全く違うフランスの習慣や感覚
適度に”適当で柔軟”に構えて、次へと切り替えていく

ー 仕事をしていて大変なことはなんですか?

S.W.:
日本とフランスにおける習慣の違いで、物事がすっと通じないときにストレスを感じるときがあります。日本人は、早急な対応を求めがちで、長時間働くことに違和感を持たないことが多いですが、フランスではあまり通じないです。休日は働かないのが当たり前な文化に対して、至急を求められると困るときがあります。

日本にいたころは、日本時間の17時から忙しくなり深夜まで、クライアントや関係先から問合せがあり、その対応をしていると夜まで働くとになるので、大変でした。。渡仏したことで、日本にあわせて朝早く動くときもありますが、フランス人は17時ごろには勤務を終え、さっと帰ってしまうので、問い合わせても返事がなくなるため、遅い時間に働くことが減りました。

また、フランスの休日やバカンス時期、例えば7月中旬~8月の夏休み、土日、その他の祝日や学校の休暇時期に連絡をしても、全く返事がないときがあります。その時期に、急いで返事が欲しいと日本から言われた場合も、「難しいです」と文化の違いを伝えています。対応の遅れがあっても、うまく回ることが多いので、この国の文化知って、少しおおらかに構えることを学びました。

ー フランスと日本とはかなり習慣に違いがあるのですね。他にも違うと感じるところはありますか?

S.W.:
フランス人は、仕事と休暇をしっかりわけて働くため、だらだらと働き続けることは少ないです。
また、8月の夏バカンスに1ヶ月近く、ほぼ同じタイミングで皆が休むという習慣は、日本にはないもの。夏のバカンス以外でも、フランス人は金曜から週末にかけて短い旅行に行くのが得意で、しっかり息抜きします。

フランスに駐在しているからといって、現地の習慣に沿った働き方はできないため、対応を急ぐ、休みのときも反応するといった日本的な働き方をしないとけないこといけません。ただ、夏休みは休暇を満喫しないと、夏休み明けのフランス人の会話についていけないので、その習慣はいつか取り入れたいと思っています。9月のフランス人は、「元気?どこに行って、なにしたの?」と、久しぶりに会う人、みんな話しています。そんな習慣は日本になかったので、いまだに慣れません。。。

フランスで日本人が驚くだろうことは、大抵のことが遅れる(スケジュール通りには物事が進まない)ことが通常。ただ、コミュニケーションを図ることで、物事が解決するときも多いです。パリだけでは住んでいる人種が多種にわたるので、みんな同じことがなく、いろいろ混ざり雑多なところが面白いです。

ー フランスと日本は時差が大きいですが、仕事をするうえで大変なことや苦労することはありますか?
  また、気をつけていることがあれば教えてください。

S.W.:
現地にきてこちらの時間にあわせて働くようになり、日本にいたときのように遅い時間に追いかけられることが少なくなり、時間帯が楽になりました。

遅くまで働いていると、コワ―キングオフィスにいる周りのフランス人に「まだいるの?ここは日本ではないよ、フランス!」と言われるので時間内で効率的に働き、休暇もとるということを気にしています。

9月になるとお客様先で必ず「夏はどこにいったの?なにしてた?」と聞かれるので、夏のバカンスの話(旅行でどこに行った等)ができないとこの国では楽しい会話ができない人になってしまうんだな・・ということを学びました。

ー 時差や物理的な距離がある中で、社内でのコミュニケーションをとる際に気をつけていることや心がけていることはありますか?

S.W.:
時差があり、フランスの昼ぐらいまでしか連絡とれないな・・と思って早めに動いています。

ー 仕事をするうえで心がけていること・大切にしていることはなんですか?

S.W.:
忙しさのタイミングが不規則なので、いつも健康でいること。

ー 業務を通して身についたスキルや成長できたと思う点にはどういったものがありますか?

S.W.:
異文化間のコミュニケーションスキルと忍耐力ですかね。
というのも、日本で育んだ生活習慣は、海外にでてしまうと通じないことが多いです。

例えば、輸送物が予定日に届かない、申請がいつまでも進まないようなことは日常で、なぜ進まないのか?と怒っていてもしょうがないので待つ・・。リスクを回避するために早めにやる、まあ時間通りには届きませんよね・・・と考えます。

また、日本ならすっと終わる申請が、いつまでも進まないことがあり、交渉することですっと終わることもあります。どうなってる?と追いかけたり、担当者とのコミュニケーションが大事です。

自分の足で 目で、街中からトレンドを見つける
散歩は仕事にも活きるリフレッシュ方法

ー フランスでの暮らし(駐在生活)はどうですか?
  食・楽しみ、コロナ禍での生活などなど。休日の過ごし方などもあれば教えてください。

S.W.:
日本と同じような生活習慣で暮らすことができません。まず、24時まで空いているスーパーはほとんどなく、美容院など日曜日に営業していないなど、日本の生活で普通で便利だったことが、こちらにはないことがありますが、それでも不便に感じてなさそうなので、これでいいのかなと思います。

ー 仕事が忙しいとき、大変な時のリフレッシュ方法があれば教えてください。

S.W.:
忙しいときは、パソコンの前に座りっぱなしになるため、外を歩いてリフレッシュします。
パリの街なかは観光客も多く、パリコレやバカンスにあわせた広告や季節のプロモーション等、シーズンごとにわかりやすく変化するため、それを見ながら歩き、なにが流行ってるのか、どんな国の人が来ていて何を持ってるのか等、観察するのがリフレッシュのひとつになってます。

ー 仕事の経験が私生活で役立っている」と感じた経験はありますか?

S.W.:
フランスに駐在して身についたのは、適度に適当であり、柔軟であること。

日本で育んできた習慣を押し通しても、異文化では通じないことが多いので、自分が柔軟であればストレスが減ると思うようになりました。例えば、予定日に届かない荷物、頻繁に発生するストライキによる交通機関のストップ等、時間通りに進まないことに諦めるようになりました。
はいはい、そうですよね、と思って次を考えます。

ー 趣味や特技で仕事に活かせていることは何かありますか?

S.W.:
旅行が好きという部分で仕事に繋がっていると思います。いち消費者の視点で企画を考える必要あるので、薄く広く、いろんなことに関心が持てることは仕事に活かせていると思います。

AABや自分にしか出せない個性や関係性を大切に
それが次の仕事へつながっていく

ー あなたからみて、会社の雰囲気や環境はどんなものですか?

S.W.:
新しいことに取り組むことを阻むような雰囲気がないので、やりたいことを年齢関係なくやらせてもらえる”自由度のある会社”だと思います。その分、自分に降りかかってくる責任は大きいので、仕事のなかでやりたいことや、やりがいを自分で発見できない人には、辛く感じるかもしれません。ですが、ある程度ひとりで仕事がまわせるようになると、社外にもネットワークをつくって、新しいことができないか?など考えられるようになり、楽しくなると思います。

私の場合は、フランスが関わる案件をきっかけに、クライアントからの要望に併せて、イギリス、オランダ、スペイン、イタリア等、いろんな国を調べ、展示会やプロモーションで出かけることになりました。行ったことのない国、未知の場所もありましたが、「知らないからできません」ではなく、「調べてみますね」から始めることで業務の幅が広がりました。そんな国まで手を広げるの?と言われることはなく、頼まれることで業務の可能性を広げ、新しいことに挑戦していく雰囲気があります。

ー あなたが今後挑戦したいと思う仕事やポジションはありますか?今後の目標があれば教えてください。

S.W.:
決まったポジションは特にないと思います。
私が企画の会社AABインクに入社した頃、ベトナムオフィスはありましたが、海外との仕事に多様に携われるグローバルな会社というイメージはありませんでした。企画を担当するプランナーとして入社したため、「フランスのリヨンに留学していたなら、この企画はリヨンの展示会だから、ひとりで企画をつくってみなさい。」と渡された案件から、フランスの仕事がスタートし、いまAABのフランスオフィスに駐在することになりました。

そのぐらい、状況にあわせて流動的に変化する会社だと思いますし、それにあわせて、自分のポジションも色々変わってきたと思います。

日本だけを拠点としている会社ではないので、様々な国で日本に関連するプロモーションを実施したいと思います。日本―ベトナムーフランスをつなぐようなものなど、AABの得意とするネットワークで、国をまたぐようなことができないかなと考えています。

ー 同業他社に負けない!負けたくない!ところはどんなところですか?

S.W.:
クライアントから、「AABだから、○○さんなので」と頼まれることが大事だと思っているため、見つけてもらえる個性や関係性を大事にしたいと思っています。そのため、特に勝ち負けで気にしたことがありません。

ただ、「何をしたらいかわからないが、なにか変えたい。」という相談に対し、企画から提案し、自分たちで仕事を獲得することを大切にしていると思います。時に、「そのプロモーションは、現地にあってないので意味ないと思います。」ということをはっきり言うなど、「AABらしくやろう」ということを常に意識するように言われていると思います。

ー 新しく仲間になる社員に求めることはなんですか?どんな人が向いていると思いますか?

S.W.:
チームの一部で安定したい人、指示されることを待っていたいタイプより、自分が率先して回したい人は活躍できる機会が多いと思います。もちろん、失敗もつきものですが、やってみようという前向きな自信と、きっとできると考えられる思い込みな性格があるといいですね。

ー 最後に、AABやイベント業界・海外での仕事やインバウンドプロモーションなどが気になっている方々に向けて一言お願いします!

S.W.:
少し足を突っ込んでみないと、世界の見えない業界だと思うので、海外の人と働く機会を求めている人や、日々違うことをやってみたい人に、飽きない業界だと思います。

ーS.W.さん、今回はお話を聞かせていただき、ありがとうございました!

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ここまでお読みいただき、ありがとうございました!
この記事を読んで、「面白そうな会社環境だな」「海外での仕事にチャレンジしてみたい」「日本のPRをしたい」などと思っていただけると嬉しいです。

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