工房と若者を繋ぐ「後継者インターンシップ」

「年間100人の後継者を産地に」ニッポン手仕事図鑑が手がける「後継者インターンシップ」は "年間100人の後継者を産地に”をスローガンに、全国の伝統工芸産業の産地と未来の後継者となり得る若者のマッチングを行うインターンシッププロジェクトです。

【名古屋黒紋付染 後継者インターンシップの実技能体験の様子】

両者を紹介するだけでなく、真の後継者になってもらうために実技能体験（1泊2日の現地インターンシップ）と移住後の生活や働き方などの環境を整えるためのインターンシッププログラムを組み合わせ、産地の自治体などと協力して行っています。

いるのに、お互いを知らない。

日本各地の伝統工芸品の産地・工房では、深刻な後継者不足問題を抱えています。ニッポン手仕事図鑑はこれまで、映像で伝統工芸職人の今と声を伝えるメディアとして8年間で90本以上の動画を制作してきました。その中で職人さんのお話を伺う度に聞こえてきたのは「後継者がいない。」という言葉でした。しかし、あまり認知されていないのですが職人を目指す若者が技術取得のために学ぶ学校は全国に140校以上存在しており、職人になりたいと希望する若者は決して少なくありません。しかし、職人希望の若者は「受け入れてくれる工房、弟子にしてくれる職人がいない。」と思っているという現実があります。

後継者問題の解決策は繋ぎ役が存在すること

伝統工芸後継者問題の一番の課題は、現役の伝統工芸職人・工房と若者が出会う機会が著しく不足していることです。そこで、ニッポン手仕事図鑑が両者の繫ぎ役となり2021年より「後継者インターンシップ」を開始。これまでに開催した9回全てのインターンシップで、若者が産地に移住し伝統工芸を引き継ぐ後継者を誕生させることに成功しています。

《実績》

「後継者インターンシップ」実施回数9回

・総応募者数：877名

2021年度：428名（学生313名、社会人115名）

2022年度：449名（学生300名、社会人149名）

・内定者数：36名

2021年度：13名（全8産地開催）

2022年度：23名（全9産地開催）※2023年4月時点

応募倍率の平均　24.1倍

・内定決定率100％

開催したすべてのインターンシップで後継者が誕生しています！

・開催したインターンシップの様子

後継者インターンシップを加速させるべき理由

産地における成功事例を作っている事は大きな成果だと自負しています。現在ニッポン手仕事図鑑が直面している課題は、インターンシップ参加希望者に対して、受け入れ枠がまだまだ不足しているということです。

1回のインターンシップ実施で後継者になれるのは1-2名。これは移住までセットで本気で後継者になってもらうがための最大受け入れ人数が1-2名だからです。その少ない枠に対して毎回20倍以上の応募が殺到するようになりました。さらに、後継者インターンシップの機会を紹介する公式LINEには職人希望の若者の登録者数がこのほど4,000人を超えました。

双方のニーズが顕在化できたことは大きな成果ですが、次のステップとしてニッポン手仕事図鑑は後継者インターンシップの機会をもっともっと作っていく必要があると実感しています。

「日本でいちばん、職人を愛するメディア」の仲間を募集

そして、同時に焦りを感じています。時間がないのです。それは忙しすぎて手が回らないという意味ではありません。伝統工芸職人の高齢化は顕著です。急がなければ、伝統工芸が絶たれてしまう現実があります。現役の職人が現在たった1人しかいない伝統工芸も実際に沢山あり、大げさではなく1分1秒を争うほど猶予がないのです。だから、伝統工芸を100年先の未来に残す繫ぎ役としてニッポン手仕事図鑑の仲間になってくれる方を絶賛募集中です。

とはいえ、無責任に機会だけ量産すればいいというものではありません。これがラストチャンスだと思って私たちに伝統工芸の未来を託してくれた職人さんに対して「やっぱりダメでした」とは簡単にいえません。わたしたちのプロジェクトの成否は、職人さんの未来に直結しているのです。

事業をスタートさせた当初から大切にしているわたしたちの行動指針は「日本でいちばん、職人を愛するメディアです。」と言い切れるかどうかです。職人さんの喜びを我がこととして喜ぶことができる、職人さんと真のパートナーとなれる、そんな志のある方にニッポン手仕事図鑑の仲間になってほしいと思っています。

【参考】

ニッポン手仕事図鑑HP/お手伝いできること

【メディア掲載実績】

• 西日本新聞：鬼丸雪山窯元での開催の様子
• SBC信越放送：松本民芸家具での開催の様子
• 中日新聞：松本民芸家具での開催の様子