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B2B向けのコミュニケーションツール「roundz」を開発する上で気をつけていること

Photo by Ruby Cevallos on Unsplash

こんにちは、ラウンズ株式会社CTOの石渡です。

この記事ではB2B向けのコミュニケーションツール「roundz」を開発する上で常日頃気をつけていることを書いていきたいと思います。

roundz は「声」に特化したテレワークや拠点をまたいだリモートチーム向けのバーチャルオフィス(仮想オフィス)サービスで、私たちは「声のバーチャルオフィス」と呼んでいます。

声のバーチャルオフィス roundz(ラウンズ)
roundz(ラウンズ)は、離れていてもオフィスのような会話を実現する「声のバーチャルオフィス」です。 カメラ無しでプライバシーを確保し、話しかけやすいUIが特徴です。
https://roundz.jp/

roundzは「ビジネス版Discord」を目指して開発をスタートしました。発信/受信という煩わしさがなく、誰もが話したいと思ったときに話したい相手を見つけて話しかけられる、そんなツールを目指しています。

しかしがら友達同士・仲間同士で使うことが多いDiscordとは違い、roundzは職場の上司・部下・同僚と一緒に使って頂くものです。

無料で便利機能満載のDiscordはビジネス用途でも十分役立つものですが、roundzはB2B向けに切り口を変えて差別化し、UI/UXを調整しています。

■ 「できないこと」を大切に

roundzではビデオ通話ができません。一方「ボイスチャットツール」を名乗っている他の多くのツールでは、デフォルトの接続こそ音声接続オンリーですが、少しの追加操作でビデオ通話もできるものが殆どです。

UIをシンプルに保ちたいだけであれば、roundzもこれらに習うべきなのかもしれません。ビデオ通話のボタンを少し深い階層に配置すれば、シンプルさと機能性の両立もでき、「大は小を兼ねる」状態になるでしょう。しかしroundzではそうしていません。それはユーザーのプライバシーを尊重し、テレワークハラスメントが起こる余地を減らすためです。

テレワークにおいて何気ない雑談は大切だと思いますが、「部屋を見せて欲しい」といったプライバシーを侵害するようなやりとりも増えていると聞きます。直接的に依頼しないとしても、上司がカメラをONにしている通話で、部下だけがカメラOFFにするのは難しく、同調圧力によって結局部下もカメラをONにせざるを得ない状況が発生してしまいます。

roundzはビデオ通話ができないツールであることで、ユーザーのプライバシーを保証し、安心して業務のコミュニケーション効率化を行なって頂けるツールとして提供しています。roundzで新機能について議論する際は、常にこういった新機能の負の側面も考慮に入れながら検討しています。

最近ではお客様からも「○○ができないツールが欲しい」という声を聞きます。「できない」ことによって守られるプライバシーがあり、与えられる安心感があるということは、実際にサービスを提供してみての学びでもあります。

できないことは、できることと同じくらい大切にしていくことを心がけて今後も機能改善に取り組んでいきたいと考えています。

■ 「roundzを使わない時間」を大切に

roundzではユーザーの利用状況に応じて、自動的に「取り込み中」というステータスを設定する機能があります。いつでも気軽に話しかけられることをウリにしているroundzですが、この取り込み中状態のユーザーには話しかけることができません。

この設定はカレンダーの予定のタイトルや、起動中のアプリなどをトリガーにして設定することができます。例えばZoomで社外ミーティングを行なっているシーンや、営業で架電を行なっているなど、いきなり話しかけられる困るケースがあります。

プライベートな時間に友達同士で使うDiscordでは不要の気遣いですが、業務時間に使うroundzはこれらのユースケースも視野にいれて、ユーザーが「話せない時間」「roundzを使えない時間」を如何にケアしていくかを常に考えながら機能改善をしています。

■ 「roundzは脇役である」という意識を大切に

roundzは常時最前面に表示できるコンパクトなUIを採用しています。ユーザーの画面の多くを占有するツールは、パワーポイントやエクセルなどの業務に欠かせない必須アプリであるべきと考えています。



もちろん社員同士のコミュニケーションは大切ですが、そのために1画面全てを占有するようなツールだと、切り替えるのに疲れてしまいます。オフィスワークからテレワークに移行する環境の変化だけでも気疲れする中、PCの使い方を大きく変えるようなツールを新規に導入するとさらに負荷が上がってしまいます。

roundzはシングルディスプレイ環境で他のアプリと併用して使うシーンを想定しながら基本のUI設計を行なっています。これまでパワーポイントを多く使っていたユーザーは引き続き同じようにお使い頂き、隅っこの方にroundzを配置して頂くだけで同僚に気軽に話しかけられる状態が作れます。

roundzは他の主役のアプリのアプリ達と一緒に使われる脇役のアプリだということを念頭において、UIのサイズ、表示方法などを検討するように心がけています。


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