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IPA動画レビュー:(3つのかばん/情報セキュリティ)

■IPA:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構
企業で働く上で必須と言ってもいい事柄が、
情報セキュリティの遵守です。
情報は企業運営に直結する資源であり、
そのセキュリティを守ることは、企業の財産・信用・経営を守ることです。

では、情報セキュリティを守る上で、
具体的にどういったリスクが存在するのか?

それをわかりやすく教えてくれるのが、
独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)が発信しているこちらの動画シリーズです。


■レビュー元紹介:IPA_No.1
情報セキュリティ啓発映像
3つのかばん -新入社員が知るべき情報漏えいの脅威-:IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

【あらすじ】
営業部に配属された新入社員・杉村。
課の人々に挨拶を済ませると、
セキュリティ研修の講師・安藤に呼び出される。
彼に招かれて入った会議室に置かれているのは、
何やらいわくありげな三つのかばん。
安藤によれば、このかばんには三つの大事な企業機密が入っており、

それぞれ
「顧客情報」、「業務上知りえた情報」、「営業秘密」
のかばんだという。

これは研修であると念押しし、
まずは「顧客情報」のかばんを開けるよう言う安藤。
言われた通りかばんを開けた杉村が、安藤に付いてオフィスへ出ていくと――。



【感想】ネタバレを含みます。
最初に「顧客情報」のかばんを開けた杉村は、
業務メールに紛れ込んでいた
「関係者を装ったウイルスメール」
を開けてしまい、顧客情報を漏えいしてしまう。

さっきまで和やかだったオフィスの空気は一変。
関係者に頭を下げる上司、
重苦しくひそひそ声で話をする同僚に、杉村と一緒に視聴者は青ざめる。


二つ目のかばんも恐ろしい。
業務で知りえた情報についてSNSで触れた結果、
サプライズ企画についての情報がネットのニュース記事になってしまい、
顧客が話題性のために直前まで公表しないようにしていたのを台無しにしてしまう。
顧客から厳しいお叱りを受け、平謝りに謝る上司の姿を見せられるシーンは、
視聴者も杉村になってしまったかのように胃が痛む。

ただサプライズを台無しにしたというと軽く聞こえるが、
SNSでの炎上からネットニュースに取り上げられ、
裁判や賠償問題に発展するという解説で、事の重大さが身にしみる。
もちろんその賠償問題は情報漏えいした社員個人に降りかかってくることもあるし、
賠償責任が問われなかったとしても、会社から重い懲戒処分を受けることは間違いない。
一瞬の気の緩みで、今後何十年の人生を棒に振ってしまうのだ。


三つ目のかばんがもたらす結果はことにショッキングだ。
会議室を出た杉村の目の前に広がるのは、
品技術などの営業秘密が漏えいしたことで
会社の業績が悪化し、会社そのものが潰れ、電気が消えた無人のオフィス。
ただ一回のファックスの誤送信により、営業秘密が漏えいし、
倒産に至ってしまったことが明かされる。

ここまでの、三つのかばんによってもたらされた悲劇はシミュレーションに過ぎない。
杉村がかばんを閉じると、研修は終わり、
何事もなく明るいオフィスに迎え入れられる ハッピーエンドで動画は幕を閉じる。
とはいえ、動画の印象はエンディングより、漏えいにより起こる悲劇の方が遥かに強い。

特に三つ目のかばん、
「営業秘密」の漏えいがもたらす無人のオフィスの光景は、
私の頭に強く焼きついた。
もちろん、「顧客情報」や「業務上知りえた情報」の漏えいによっても
無人のオフィス=会社の倒産は容易に起こりえる。
自分のみならず共に働く仲間の未来まで簡単に摘み取ってしまう情報漏えいを避けるため、
会社の情報を取り扱う時は小さなことにも気をつけようと、改めて思わされた動画だった。

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