以前の記事でもご紹介した、奥誠の主な事業である「金属事業」。
その中でも我々が持続可能な社会実現への取り組みとして注目している「都市鉱山」についてさらに深堀りをしていきます。
●都市鉱山って何?
まずは、そもそも「都市鉱山」とは何なのか、という点からご説明していきます。
「都市鉱山」とは、1980年代に東北大選鉱製錬研究所の南條道夫教授らにより提唱され始めた言葉です。
現代の都市では、スマートフォンや家電などの電化製品が数多く利用されていることはみなさんご存知でしょう。
そういった地上に蓄積された工業製品に内臓されている金属資源を資源と見なし、回収、そして積極的に再利用することを試みる概念の全体を「都市鉱山」と呼んでいます。
特に日本には、世界トップレベルの量の都市鉱山が眠っていると言われており、その規模はなんと資源大国にも匹敵するほどだとされています。
●都市鉱山の特徴
都市鉱山のメリット・デメリットを含む特徴を説明します。
まず、都市鉱山は所在や確定埋蔵量が明確であり、天然素材のような探索の必要がありません。
さらに、一度は加工を経て利用された素材であるため、不純物などが混合されておらず、天然で採掘される貴金属鉱石よりも高品位であることが多いです。
また、廃棄物を再利用できるという点でも、ごみの焼却による温室効果ガスの削減や、生産コストを抑えることができるなど、様々な効果が見込めます。
しかし一方で、家電製品やスマートフォンの回収率が低く、十分な金属を回収できないという問題も抱えています。
分別や分解にもある程度のコストがかかるため、今後は家電製品回収率の向上や貴金属回収のコスト削減が課題となりそうです。
●都市鉱山の具体例
では、「都市鉱山」は具体的にはどんなものがあるのか、具体例を挙げてご説明します。
上記画像は、近年急速に普及が進んだスマートフォンやパソコンなどの電子機器です。
みなさんもそれぞれお持ちの物も多いでしょう。そしてこれらは数年ごとに買い替えることが多く、使用しなくなった旧機は、売るにも売れず、家のどこかにしまいがちではないでしょうか?
しかし、そういった電子機器の基板には様々な金属から成る部品が内蔵されており、その中にはレアメタルなどの希少で価値の高い金属が含有されているものも多くあります。
スマートフォンを例に挙げると、振動モーターにはネオジム、ICチップには金・銀・銅、バッテリーにはリチウム・コバルトなど、その他にも数多くの種類の金属が利用されています。
こういった、使用済みの電子機器に内臓され、利用されていない貴金属類が「都市鉱山」です。
このように、「都市鉱山」は新たな電子機器の生産に必要不可欠であり、リサイクルをすることによって、奥誠環境商事の目標である、持続可能な社会の実現へ大きく貢献することが可能です。
これからも奥誠環境商事は、より良い未来を目指して事業を展開していきます。