「BtoBのマーケティング支援事業って、実際何をやっているか見えづらい…」
そんな疑問をお持ちの方へ。今回は、HIDANEのマーケティング支援事業部長・鈴木に、サウナ施設のリアルな課題解決と、泥臭くも熱い支援の裏側をたっぷりと語ってもらいました。
直接クライアントの売上に貢献できる「ヒリヒリ感」と、サウナ集客の奥深さが伝わるインタビューです。マーケティングの力で施設の魅力を引き出し、ファンを増やしていく。そんな伴走型支援のリアルに迫ります!
インタビュアー 今回はマーケティング支援事業部の紹介ということで、事業部長の鈴木さんにお話を伺います。よろしくお願いします!
鈴木 よろしくお願いします!
鈴木 翔|共同代表 /マーケティング支援事業部長
東京大学文学部卒業後、楽天株式会社に入社。新規事業部署にて営業・マーケティング・開発を幅広く経験。楽天サウナ部代表を務めた後、HIDANEを創業。日本最大級のサウナメディア「サウナコレクション」を運営しながら、サウナ施設のマーケティング支援事業を牽引する。
学生時代の「旅」から楽天、そしてサウナとの出会い
インタビュアー まずは、鈴木さんのこれまでのキャリアについて詳しく教えてもらえますか?学生時代からどんなことに熱中していて、そこからどうやって楽天に入社することになったのか、その経緯も聞きたいです。
鈴木 学生時代は東京大学の文学部に通いながら、自転車部で日本中を旅行したり、バックパッカーとして海外を旅したりしていました。ゲストハウスでアルバイトもしていて、とにかく「旅」に熱中していた学生時代でしたね。日本中、そして世界中を自分の足で巡りながら、いろんな土地の文化や人に触れるのが本当に好きだったんです。
楽天に入社した理由は、学生時代に参加したインターンが大きなきっかけです。アメリカのシリコンバレーにある楽天の支社でインターンができるというプログラムがあって。
実際にシリコンバレーで過ごしてみて、UberやAirbnbといったインターネットサービスが世の中のインフラになり、人々の生活を劇的に変えているのを肌で感じました。「これから世界を動かしていくのは、間違いなくITサービスだ」と強く実感し、その最前線で自分も挑戦したいと思い、そのまま楽天に入社を決めました。
インタビュアー なるほど、シリコンバレーでの原体験が大きかったんですね。楽天では具体的にどんな仕事をされていたんですか?
鈴木 「楽天超ミニバイト」という新規事業の部署に配属されました。そこでは、営業からマーケティング、さらには開発のディレクションまで、本当に幅広く経験させてもらいました。
大企業という恵まれた環境にいながらも、ゼロから事業を立ち上げる楽しさや難しさを味わえたのは大きかったです。チームの仲間と1つの目標に向かって泥臭く走っていく感覚は、今の事業運営にも活きる非常に良い経験になりましたね。
インタビュアー そこから、どうしてサウナにハマったんですか?今ではサウナを事業の軸にされていますが、昔から好きだったわけではないんですよね?
鈴木 実は、楽天で配属された部署の人たちが、揃いも揃ってみんなサウナ好きだったんです。最初はサウナに全く興味がなくて、「熱いだけじゃん」と思っていました。でも、先輩たちに無理やり連れて行かれて(笑)。
最初はしんどかったんですが、水風呂に入って外気浴をしているうちに、気づいたらその圧倒的な「気持ちよさ」に完全にハマってしまいました。そこからのめり込み、気づいたら「楽天サウナ部」の代表にまでなっていましたね。
サウナを通じて気づいた「日本の魅力」を届けるために起業
インタビュアーその後、起業して今の会社(HIDANE)を立ち上げたわけですが、大企業を辞めてまで起業に踏み切った背景には、どんな思いがあったんでしょうか?
鈴木 学生時代から旅が好きだったのですが、サウナにハマってから、全国各地のサウナ施設を巡るようになりました。サウナを目的として旅をすることで、これまで行ったことのない地域に足を運び、知らなかった「日本の魅力」に改めて気づくきっかけがたくさんあったんです。
日本には、まだまだ知られていない素晴らしい場所や文化、そして人がたくさんいます。日本がこれからより豊かで魅力的な国になっていくためには、こうした「まだ知られていない魅力」をしっかりと押し出し、国内外のたくさんの人に知ってもらうことが何より大事だと強く思うようになりました。
そこで、自分自身が「魅力をより伝えていける仕事」、そして「魅力そのものを作っていく仕事」がしたいと考えるようになりました。
そんな時、沖縄で「アースバッグサウナ」という、土で作る非常に珍しいサウナに出会ったんです。その空間の素晴らしさに感動し、「これを関東でも作りたい!」と強く思ったのが、起業への一番大きなきっかけですね。それで思い切って会社を辞め、自分たちのサウナを作り、日本中の魅力を世界に届ける会社としてHIDANEを立ち上げました。それが約2年前のことです。
マーケティング支援事業とは?「施設のCMOになる」伴走型支援
インタビュアー 起業してすぐに、今のマーケティング支援事業も立ち上げたんですか?
鈴木 そうですね。一番最初の新規事業として立ち上げたのが、このマーケティング支援事業です。自分たちの最大の強みは、「あるものの魅力を引き出し、たくさんの人に知ってもらうこと」だと考えています。
サウナ業界は今、空前のブームもあって施設がたくさんでき、競争環境が非常に激しくなっています。その一方で、ビジネスとしての単価はそこまで高くないため、集客や経営面で苦しんでいる施設が多いのが現状です。
でも、そうした施設の多くは、単に「知られていないだけ」だったり、「本当の魅力がユーザーにしっかり伝わっていないだけ」だったりするんです。特にサウナは、浴室内が撮影できない閉ざされた空間なので、SNSなどで魅力を伝えるのが非常に難しいという特有の課題があります。
そこを私たちがマーケティングの力で手助けすることで、本来のポテンシャルを発揮し、より輝く施設がたくさんあるはずだと思い、この事業を始めました。
インタビュアー 具体的には、お客様(施設)に対してどんな価値を提供しているんですか?BtoBの支援事業って「何をやっているか見えづらい」と思われがちだと思うのですが。
鈴木 ざっくり言うと、施設のマーケティング活動をトータルでサポートし、売上や集客の課題を解決しています。
具体的には、まず私たちが運営している日本最大級のサウナメディア「サウナコレクション」を活用します。そこで、施設の魅力が最大限に伝わるハイクオリティな動画を制作・発信し、まずは圧倒的な「認知」を獲得します。
認知が広がった後は、施設の公式SNSアカウント(Instagramなど)をより魅力的に設計・運用します。日々の投稿コンテンツの制作も私たちがサポートし、メディアから流入してきた興味を持ったユーザーを、しっかりとフォロワーとして獲得・育成していきます。
そして最終的に、ただフォロワーを増やすだけでなく、実際の「予約」や「来店」につなげるところまで一貫してサポートしています。直近で言えば、スタンプラリーなどのキャンペーンを企画・実施したり、インフルエンサーを巻き込んだイベントを開催したりと、リアルな集客施策まで踏み込んでいます。
インタビュアー なるほど。単発のコンサルティングや広告運用ではなく、継続的に深く伴走していくイメージですね。
鈴木 はい、まさに「一気通貫の伴走型」です。ある種、その施設の「CMO(最高マーケティング責任者)」として経営陣と同じ目線に立つようなイメージですね。
なので、先ほどお話ししたSNS運用やメディア掲載だけが私たちの仕事の全てではありません。施設さんからマーケティングに関する相談を受けたら、基本的には何でもやります。
例えば、より広い層にリーチするためにテレビCMを制作したり、他の施設さんや企業と連携してスポンサーを集めたりと、いわゆる総合広告代理店のような動きをすることもあります。施設の売上を上げるためなら、泥臭いことでも何でもやるのが私たちのスタイルです。
泥臭い信頼構築と、売上が上がった時の達成感
インタビュアー 伴走型となると、施策の実行だけでなく、課題設定や目標設定から一緒に入り込むんですか?
鈴木 そうですね。明確な目標がないと、施策がブレてしまい、成果も不透明になってしまいます。なので、最初に施設さんのニーズや経営課題を徹底的にヒアリングし、「どの目標(KPI)を一緒に追っていくか」をすり合わせます。
一番わかりやすいのは「売上」や「来店人数」ですが、必ずしもそこだけが目標になるわけではありません。例えば、複数施設を展開している企業であれば、施設間を回遊してもらう「周遊率」を重要なKPIに置くこともあります。また、そもそも認知が足りていない施設であれば、うちのメディアでアンケートを取って「ブランド認知度」を追ったりと、施設の規模やフェーズに合わせて柔軟に目標を設定しています。
インタビュアー 事業を立ち上げてから2年、大変だったことも多かったと思います。特に「これはハードシングスだったな」と感じるエピソードはありますか?
鈴木 マーケティング支援というビジネスは、クライアントとの「絶対的な信頼」の上に成り立っています。月額でコンサルティング費用をいただく以上、費用対効果は非常に厳しく見られます。「本当に効果が出るのか?」「毎月これだけ払って、具体的に何をやってくれるのか?」という疑問を払拭し、信頼を勝ち取るまでが本当に難しいですね。
また、せっかく時間をかけて積み上げてきた信頼関係も、先方の担当者が変わったり、役員の一声で施策が急に止まってしまったりと、一瞬でリセットされてしまうこともあります。これはサウナ施設に限らず、BtoBの伴走型事業全般に言える難しいところであり、一番悔しくて辛い部分でもありますね。
インタビュアー 逆に、この事業をやっていて「本当に良かった」「この仕事をしていて最高だ」と思える瞬間はどんな時ですか?
鈴木 あるサウナ施設の支援をさせていただいた時のことです。そこは本当に素晴らしい施設なのに、マーケティングがうまくいっておらず、全く知られていないという「認知」の大きな課題がありました。
そこで、弊社のメディアを使って一気に認知を広げる施策を打ち、同時にSNS広告の運用や、施設内のオペレーション改善を含めたコンサルティングも行いました。その結果、数ヶ月で売上が本当に2倍以上になったんです。
「明らかに私たちが介入したことで、クライアントのビジネスに貢献できている」という結果が数字としてハッキリ出た時が、やはり一番嬉しいですね。「HIDANEさんにお願いして本当に良かったです」と直接感謝の言葉をいただき、契約が更新された時は、達成感とともにクライアントと深い信頼関係を築けたことを実感しました。
そうやって、本気でビジネスに向き合い、信頼できる仲間(クライアント)が日本中に広がっていく感覚は、この仕事ならではの大きなやりがいになっています。
求められるのは、スキルよりも「相手への想像力」
インタビュアー 今後、この事業をさらに拡大していくにあたって、どんな人と一緒に働きたいですか?
鈴木 マーケティング支援において一番大事なのは、「その施設の魅力を、いかに多角的に引き出せるか」だと思っています。どんな施設でも、見せ方や切り口次第で必ず魅力的に映るはずなんです。
なので、すでに人気の施設から、今はまだ人が入っていない施設まで、どんな施設でもその「良いところ」に気づき、面白がって引き出せる人がいいですね。
具体的なマーケティングのスキル(広告運用の経験やSEOの知識など)よりも、まずは色々なことに興味を持ち、クライアントに対して真摯に向き合って「どうすればこの施設が流行るか」を考え抜ける人が向いていると思います。スキルは後からいくらでもついてきますから。
インタビュアー その中で、特に重要だと思うコンピテンシー(行動特性)は何でしょうか?
鈴木 一言で言うと、「相手への想像力」ですね。クライアントが今何を考えているのか、将来的に何を成し遂げたいのかを深く想像し、共感する力が非常に重要です。
私たちの仕事は、自分たちがやりたいクリエイティブを作るわけでも、ただの作業代行をするわけでもありません。クライアントが求めている理想の状態に向かって、伴走していく仕事です。だからこそ、相手の立場に立って考える想像力が不可欠なんです。
これは一朝一夕で身につくものではなく、クライアントとの対話を何度も重ね、現場で泥臭く経験を積む中で少しずつ磨かれていくものだと思っています。
インタビュアー 鈴木さん自身も、最初からその想像力があったわけではなく、現場での経験の中で培ってきたんですか?
鈴木 はい、まさにそうです。最初から完璧だったわけではありません。色々なクライアントと向き合い、時には失敗して試行錯誤する中で、コミュニケーション量の重要性に気づきました。
こちらが持っているマーケティングスキルやノウハウを武器にして、「こうすべきです!」と押し付けるのではなく、まずは相手が求めているものをいかにヒアリングできるか。つまり、「聞く力」がコンサルタントとしての基本姿勢として一番大事だと、現場でやり始めてから痛感しましたね。
サウナから始まり、日本の魅力を世界へ
インタビュアー 最後に、マーケティング支援事業の今後のビジョンについて教えてください。
鈴木 サウナのマーケティング支援については、まだまだ「マーケティングを少し変えればもっと人気になるのに」という施設がたくさんあると思っています。そうした施設に私たちがより多くの価値を提供できるよう、自分たちの属人的なノウハウを体系化し、より展開しやすい形にソリューションを仕組み化していくことが直近の大きな目標です。
そして、将来的には影響範囲をさらに広げていきたいです。今はサウナ業界が中心ですが、私たちがやっている「魅力を引き出し、人に届ける」というマーケティングの本質は、どの業界でも変わりません。
今後はサウナだけでなく、宿泊施設やレジャー施設、さらには地方創生など、他の産業にも私たちのマーケティング支援を展開していきたいと考えています。それができれば、弊社のミッションである「日本の魅力を世界に届ける」という大きな目標の実現に、より近づけると思っています。
インタビュアー サウナを起点に、日本の魅力を世界へ広げていく。非常にワクワクするビジョンですね!本日は熱いお話をありがとうございました!
鈴木 ありがとうございました!
鈴木 翔|共同代表 /マーケティング支援事業部長
東京大学文学部卒業後、楽天株式会社に入社。新規事業部署にて営業・マーケティング・開発を幅広く経験。楽天サウナ部代表を務めた後、HIDANEを創業。日本最大級のサウナメディア「サウナコレクション」を運営しながら、サウナ施設のマーケティング支援事業を牽引する。