AIが不正利用の脅威から守る 身分証確認ソリューション AI-eye Trust
AI-eye Trust(アイアイトラスト)は、AI技術を駆使して瞬時に不正利用ユーザーを検知します。年齢確認や身分証明、本人確認の業務を効率化し、コスト削減を実現します。
https://aieye-trust.jp/
こんにちは。
プロダクト開発部でリードディレクターを務めているyamoです。
2023年2月にNewbeesへ入社し、今年で3年目になります。
入社当初は、恋活・婚活マッチングサービス「マリッシュ」を担当していました。その後、ライブ配信システムのディレクターを経て、現在は自社開発サービス、「AI-eye Trust」のプロジェクトをメインで担当しています。
余談ですが、最近はストリートファイター6にどっぷりハマってしまい、アーケードコントローラーを購入して日々対戦しています。対戦ゲームは集中力UPやメンタルの強化にもつながるのでおすすめです。
今回は、AI-eye Trustがどのように生まれ、現在どのような開発を行っているのかをご紹介したいと思います。
AI-eye Trustは、不正利用ユーザーを抑止するためのセキュリティソリューションです。エンドユーザーの年齢確認や本人確認を行う“審査業務”を半自動化することで、従来は人の目に頼っていた作業を大幅に軽減し、業務効率化とコスト削減を実現します。
また、AI技術を活用して不正利用の兆候を瞬時に検知することで、企業はより迅速で正確な運用を行うことができます。その結果、サービスの信頼性向上と運用負担の軽減を同時に実現することが可能になります。
AI-eye Trustは、自社サービスとして立ち上げることを前提に始まったプロジェクトではありませんでした。
きっかけは、クライアントが利用していた「成人判定機能」提供の終了です。現在、4人に1人がマッチングアプリで結婚相手に出会うと言われるほど、オンライン上での出会いは身近なものになっています。その一方で「なりすまし」や「投資詐欺」などの不正利用の問題も増加しています。こうしたなかで、Newbeesでは以前から別プロジェクトで年齢確認システムを組み込んでおり、成人判定機能を開発するためのノウハウも社内に蓄積されていました。
そのため、クライアントから相談を受けた際には比較的スムーズに機能開発に取り組むことができました。
その後、
といった背景が重なり、「この仕組みを自社サービスとして展開できるのではないか」という議論が社内で生まれたのです。
こうして、AI-eye TrustはSaaS化を目指す自社プロダクトとして動き出すことになりました。
現在、AI-eye TrustはSaaS版の正式リリースに向けた開発を進めており、
実運用環境での検証を行いながら、主に以下の機能が稼働しています。
これらはOCRや画像処理アルゴリズム、機械学習モデルによる画像判定などを駆使してセキュリティ強化のサポートを実現しています。
導入実績としては、2社が既存管理画面に組み込み型でご利用いただいている他、1社は一部機能をAPIで提供してご利用いただいています。
ここからは、AI-eye Trustの開発における試行錯誤についてお話しします。
プロジェクト発足当初、チームメンバーは全員プロダクト開発部で構成されており、専任のディレクターやデザイナーはアサインされていませんでした。
システム開発としては、この体制でも大きな問題なく進めることができていましたが、SaaSとして展開していくためには、
をしっかり設計する必要があります。
そんな折、私がディレクターとしてプロジェクトに参加することになりました。
最初は既存の開発プロセスに倣って要件定義をしていたのですが、しだいに「この進め方で本当に良いのだろうか」という違和感を持つようになりました。セキュリティ需要が高まっていることは明らかでしたが、「なぜNewbeesがこのサービスを作るのか」「我々が提供できる“価値”とはなんなのか」という問いに、チームとして明確な答えを持てていなかったのです。
そこで、改めて以下の2つを整理することにしました。
まずは、実際の利用企業に話を聞くところから始めました。
1人あたり約90分のユーザーインタビューを5名に実施し、UXチームと協力して課題分析を行いました。分析結果はAI-eye Trustの関係メンバー全員に共有し、チーム全体でユーザー理解を深めました。
これにより、どの職種のメンバーもユーザーの顔を思い浮かべながら開発できる状態を作ることができたと思います。
次に、AI-eye Trustが社会にどんな価値を提供するのかをチーム全員で考えました。
ワークショップでは、
といったテーマで自由に意見を出し合いました。
類似する意見をグルーピングし、抽象化していくことで最終的に以下のバリューが整理されました。
これにより、チームの意思決定は大きく変わったと感じます。 目の前のタスクだけではなく、プロダクトの目指す未来を基準に議論できるようになりました。
AI-eye Trustの機械学習開発は、機械学習エンジニア(以下、MLエンジニア)とディレクターが密にコミュニケーションを取りながら進めています。
基本的な開発フローは以下の通りです。
1つのモデルを実運用レベルまで仕上げるには、おおよそ2か月程度かかります。MLエンジニアがモデルの挙動を説明してくれたり、逆に私がユーザーの現場課題を共有したりと、技術とビジネスの視点を行き来しながらプロダクトを作っています。
AI-eye Trustプロジェクトの特徴は、以下の4点です。
自社サービス開発としてはかなり恵まれたスタートラインに立っていますが、一方で課題もあります。
メンバーの多くは自社サービス開発の経験がほとんどありません。社内にも確立された進め方があるわけではなく、都度ルールを作りながらプロジェクトを進めています。
また、一部のメンバーは他プロジェクトと兼務しているため、スタートアップ企業と比べるとスピード面で難しさを感じる場面もあります。
こうした状況の中で、私が特に意識していることがあります。
具体的には以下の通りです。
メンバー同士の得意・苦手を共有する場を作りました。
▼チームビルディングワークショップの様子
UXチームの分析資料とは別に、デザイナーやエンジニアも含め、全メンバーにインタビュー動画を視聴してもらいました。
業務フローや状態遷移を可視化することで、ビジネス・デザイン・エンジニア間の認識ズレを減らしています。
Newbeesは受託開発を長く続けてきた企業ですが、その中で培ってきた技術や運用のナレッジを活かし、より社会に価値を提供できるシステムを作りたいという想いが少しずつ強くなってきました。AI-eye Trustは、そうした流れのなかで生まれた初の自社サービスです。
正直なところ、本人確認や年齢確認の分野では私たちは後発のプレイヤーです。逆に言えば、社会にとって本当に価値のあるサービスとは何かを問い続けながら、プロダクトを育てているフェーズでもあります。
まずは競合と遜色のない機能群を整備し、その上で実運用データを活用しながら、AI-eye Trustならではの強みを磨いていきたいと考えています。
まだ試行錯誤の途中ですが、AIの力で安心・安全なサービス運営を支え、人が本来向き合うべき価値に集中できる環境を実現したいと考えています。
その挑戦を、一緒に進めていける仲間をお待ちしています。