プロフィール紹介
経営者としてのこれまでのキャリア
こんにちは。株式会社ぷ、代表取締役CPO(Chief Pu Officer)の脇坂真吏(わきさかまさと)です。
僕のキャリアの原点は、東京農業大学の在学中に起業したことにあります。当時から「小学生のなりたい職業1位を農家にすること」をライフワークに掲げ、農業支援NPO法人「農家のこせがれネットワーク」の立ち上げや、日本最大級のマルシェ(ヒルズマルシェ等)の運営など、農業と地域をビジネスの力で結びつける挑戦を続けてきました。
これまで47都道府県すべてを仕事で巡り、様々な地域で持続可能なビジネスモデルを構築してきました。経営者としては、過去に自ら設立した会社をバイアウト(売却)した経験もあります。また、東証スタンダード上場の石井食品株式会社で地方創生アドバイザーを務めるなど、都市部の大企業や販売ルートとの強いネットワークを培ってきました。
直近の大きな実績としては、北海道東神楽町で廃校を「東神楽大学」として再生したプロジェクトがあります。都市部からの企業誘致や起業家インキュベーションを成功させ、地方に外貨と人の流れを呼び込む仕組みを形にしました。
経営者として今、力を入れていること
2026年1月7日に北海道常呂郡訓子府町(くんねっぷちょう)で産声を上げた民間主導のまちづくり会社「株式会社ぷ」の経営。
今回のプロジェクトにおいて、僕は単なる外部の「アドバイザー」や「コンサルタント」として関わっているわけではありません。自らも資金を出資し、代表権を持って現地にも家を借り、町の未来にコミットする「リスクテイク」の形で参画しています。
今最も力を入れているのは、行政依存からの脱却です。「官が出資し、民が経営する」というハイブリッドなガバナンス構造を維持しながら、民間ならではの圧倒的なスピード感で「自ら稼ぎ、町に還流させる」事業基盤をゼロから構築することに泥臭く動いています。
創業、そして現在に至るまで
創業、あるいは参画の原体験
訓子府町との出会いは、2023年に役場担当者が東神楽大学へ視察に来られたことがきっかけです。訓子府町の伊田町長が公約で掲げたまちづくり会社の設立に向けて、担当者らが道内各地を巡っている際にお越しになり、その後、2024年5月に「まちづくり会社設立プロデューサー」として地域活性化企業人(副業型)として就任したことがきっかけでした。そこから約1年半、四季の移ろいや人々の暮らしを体感しながら、地道なヒアリングを重ねてきました。
この町の会社立ち上げにおいては「構造的なアンバランス(伸びしろ)」への挑戦にもあります。
- 圧倒的な農業の強さ: 人口5,000人未満の自治体において、農業産出額は全国トップクラス(3位)。玉ねぎの国内シェア7%を誇り、ジャガイモ・ビート・小麦など土地利用型の大規模農業として圧倒的に町の産業の中心となっている。
- 圧倒的な観光・商業の弱さ: これほどの生産力がありながら、町内の宿泊施設はわずか1軒。週末に営業している飲食店も少なく、外から来た人がお金を落とす「受け皿」が決定的に不足している。
「産業は強いのに、地域内経済循環を生む機能が弱い」。この課題は、見方を変えれば手つかずの広大な「伸びしろ」そのものでした。2025年6月に政府が閣議決定した、従来の観光客数重視から収益重視へと舵を切る「地方創生2.0基本構想」の潮流とも完全に合致する。この町なら、日本、いや世界の手本となる新しい地方創生のモデルが創れると確信したのです。
苦難と乗り越えた経験
いざ「まちづくり会社を立ち上げる」となっても、最初は「また行政が何か怪しい箱モノ会社を作ったんじゃないか?」「外から来たコンサルがきれい事を言っている」という地域住民や近隣事業者の冷ややかな視線や不安がありました。いえ、今もなおあるといえます。人口4,300人の閉鎖的なコミュニティにおいて、信頼を勝ち得るのは容易ではありません。
そこで僕たちが仕掛けた最初の武器が、この衝撃的な社名「株式会社ぷ」です。
「えっ、ぷ?」と二度見したあなたへ。ふざけているのではありません。これは、僕たちの本気の狼煙(のろし)です。
あえて違和感を抱かせる一文字の社名にすることで、自動的に会話のきっかけを作りました。そして、その背景にある三重の哲学を丁寧にストーリーとして紐解いていったのです。
- 地政学的由来(KUNNEPPU): 町名の末尾であり、アイヌ語で「黒い川(大地の豊かさ)」を意味するアイデンティティの継承。
- 行動指針(NON STOP): まちづくりにおいて停滞を許さず、常に動き続けるスピード感。
- 精神性(NEVER GIVE UP): 人口減少という困難な課題に対し、不屈の精神で挑む覚悟。
この社名をフックにしたストーリーテリングと、10回以上に及ぶ地道な事業者ヒアリングを経て、町民の心に火が灯り始めました。町を愛する意欲的な人々を「熱府師(ねっぱし)」として見える化し、応援し合うカルチャーを作ることで、少しずつ「怪しい会社」から「おもしろい仲間たち」へと認識を変えていきたいと思います。
経営課題とやりがい
経営の面白さと難しさ
この仕事の最大の難しさは、「2050年に人口が半減する(約2,300人になる)」という確定した未来の危機に対し、今この瞬間から持続可能な経済のバトンを仕込むことにあります。単発のイベントで人を呼ぶような一過性の施策は意味を成しません。10年、20年先を見据えた「仕組み化」が必要なのです。
しかし、だからこそ圧倒的におもしろい。
僕たちは現在、2つの強力な事業拠点を軸に動いています。
- まちなかBASE(旧スナックローゼ): 昼はシェアキッチンやカフェ、夜は世代を超えたコミュニティのハブとなる「まちづくりスナック」やゲストハウスを運営。
- 日の出BASE(離農した農家の土地を継承): 2haの畑でのワインブドウ生産、観光いちご農園、地場産食材を提供するレストランを展開。
さらに、直近の2026年4月には、地域で長年愛されてきた「末広ストアー」の事業を株式会社ぷで引き継ぎ、民間主導での事業承継をリアルタイムで実践しています。ただの「絵に描いた餅」ではない、地域のリアルなインフラを自らの手で守り、進化させていく経営のダイナミズムは、他では絶対に味わえないやりがいです。
組織文化・働き方の特徴・こだわり
株式会社ぷの組織文化を一言で表すなら、「速さの民間×安心の行政」のハイブリッド、そして「Process Economy(過程の共有)」です。
- 多様でフラットなチーム: 2026年7月時点で、コアメンバーとして地域おこし協力隊3名、地域活性化起業人3名が在籍しています。それぞれがプロジェクトマネージャー、誠実推進担当、広報担当といったユニークな役割を持ち、年齢や立場に関係なくフラットに意見を戦わせています。
- 過程を見せるカルチャー: 完璧に整ったものだけを世に出すのではなく、泥臭い設立奮闘記や日々の苦労、裏話をnoteやYouTube、Instagramでリアルタイムに発信しています。失敗も含めた「プロセス」を共有することで、社内外に強烈な応援シンドローム(巻き込みの渦)を作っています。
日常を面白がる大人と、未来を創る若者が混ざり合う、エネルギッシュで夢中になれる環境がここにあります。
ビジョン・今後の展望
5年後、10年後、社会にとってどんな存在になっていたいか
僕たちが目指すグランドデザイン(ビジョン)は、「日本一、継ぎたくなる町へ」です。人口が増えるか減るかは結果論。本当に大切なのは、この町に「夢中(Crazy)」を生み出し続けることです。
- 5年後(2030年): 観光いちご農園やレストランが軌道に乗り、自社ワイナリーが始動。オリジナルワインの販売が本格化します。「自ら稼ぎ、地域に還流する“訓子府モデル”」が全国の地方創生の代表例として認知され、第1世代から第2世代へのリーダーシップのバトンタッチが始まっています。
- 10年後(2035年): 「親の事業や想いを若い世代が引き継ぐ」ことが、この町の当たり前の文化として定着します。5年間累計で関係人口8,800人、移住者30人、新規創業・継業を次々と生み出し、「黒字廃業ゼロの町」として日本の地方の希望の光になります。
未来の仲間へのメッセージ
Mission: Make your Crazy 〜日常に夢中がある暮らし〜
僕たちが求めているのは、指示されたタスクをこなす「従業員」ではありません。また、お金だけを出す「投資家」でもありません。僕たちと一緒にリスクを背負い、小さな町の未来を面白がりながら、新しい価値を泥臭く創り上げる「同志」です。
「どうせ無理だ」と言うのは簡単ですし、待っているだけでは町は消滅します。けれど、諦めたらそこで試合終了です。
自分のスキルや情熱を、誰かのため、地域の未来のために100%爆発させてみたい。誰もやったことのない「本気のまちづくり」の当事者として、人生を夢中(Crazy)にさせてみたい。
そんな熱い想いを持ったあなたと、ここ訓子府町で、大いなる夢中を肴に乾杯できる日を楽しみにしています。僕たちの渦に、飛び込んできてください!