小さな頃から創業者であるおじいちゃん、そして懸命に働く両親の背中を見て育ちました。
小さい時、お父さんに
『ぱぱの かいしゃは なにしてる かいしゃ?』
って聞くと、こう答えてくれました。
『パパの会社はなぁ、スーパーの棚の一番下の隅っこのほうで
いつでもホコリをかぶっていて、
だれも見向きもしないような商品を売ってるねんで。』
子供心にも とっても がっかりしたのだけど、
こんな言葉が続きました。
『でもな、それがええねんで。
ショーウィンドーのど真ん中に飾られるような華やかな商品やってみぃ。
すぐにぐちゃぐちゃに荒らされて、うちなんてコテンパンにやられてしまうわ。
みんなに忘れ去られたような商品でも、絶対に必要な人がいてるねん。
わざわざお店に探しに来てくれたその時のために、
ホコリをいつもいつも拭いてきれいに準備してあげるのが
パパの会社の仕事やねんで。』
その時はあまりよくわからなかったけど。
最近すごくその時の会話を思い出します。
ニッチで、地味で、ロングテールの端の端で。
めざましく華やかな売り上げを作るわけでもなく。
それでもコツコツと商売をして、信頼と実績を積み重ねて
ここまでの会社にしてきてくれた、
おじいちゃん、お父さん、お母さん、社員さん。
当時の、吹けば飛ぶような会社に商品を売ってくれた仕入れ先さん。
いろんなヒントをくれた得意先さん。
70年以上というこの歴史に携わってくれたみなさんを、
本当に誇りに思うんです。
その歴史を引き継ぐ私は、
商品を拭いて売り場で待つだけではなく
もっともっと磨きあげてピカピカにして、
これを使うともっともっとこんなに素敵に、
ほら、こんなに楽しいことが待ってるよって、
会社にいるみんなと、お客さんと一緒に
ワクワクしていける会社にしていきたいなぁ。