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進むべき道を示す「船頭」でありたい。広告制作会社出身の私がアドビでめざすもの

Illustrator、Photoshopなど……デザイナーや写真家を始めとするクリエイティブに携わる職の人々をはじめ、アドビといえば「Adobe Creative Cloud」を思い浮かべる人が多いかもしれません。

ただ、アドビのビジネスは、実はひとつの柱で成り立っているわけではありません。「Creative Cloud」のほかにも、PDFの閲覧など文書データや電子サインなどを扱う「Document Cloud」、マーケティングソリューションなどに特化した「Experience Cloud」と、3つの柱があるのです。

今回、話を聞いたのは、その中でも「Experience Cloud」を扱うエクスペリエンス クリエイション部の山田。新卒で入社した制作会社に9年間勤めた彼が、今アドビで働く理由とは。

9年間の制作会社生活

山田とアドビ製品の出会い。それは、学生時代まで遡ります。大学生だったとき、あるきっかけで「Adobe Illustrator」を扱うようになります。

山田 「大学生の頃、クリエイティブに興味を持ちます。フリーペーパーを作っている友人がたまたま側にいたことが理由です。制作の仕事に興味が湧いて、自分でもアドビの製品を触るようになったんです。我流で操作を覚えていくうちに、Webサイトのバナー制作に関わるようになっていました」

制作のおもしろさを感じ、コピーライター養成講座に通うなど、知見を深めていきました。その後、就職活動では、広告業界や出版社などを志望。新卒で、株式会社博報堂アイ・スタジオに入社します。

山田 「企業や製品の良さを、クリエイティブの観点から引き出す仕事に魅力を感じて、制作会社に入社しました。9年間勤めて、ウェブディレクター、アカウントプランナーなどを経験しましたね」

ちょうどデジタルマーケティングが盛り上がり始めたタイミング。デジタルの流れに乗って順風満帆にキャリアを重ねていきます。ただ、デジタルマーケティングに関わる上で、自社プロダクトの重要性を強く感じるようになっていきます。

山田制作会社という、自社製品を持たない組織に属したことで、それを持つ会社の強さを、ひしひしと感じるようになっていました自社製品があって、さらにその場で働く人のスキルが合わさることで、付加価値が生まれるのだろうと考えたんです。

代理店には、人がいる。だけど、その場に製品がないことのデメリットがあるのだろうと。CMをどれだけ作っても、テレビがこの世の中になくては、その仕事に価値がないですからね」

自社プロダクトの必要性を感じていた頃、山田がたまたま参加したセミナーが転職のきっかけでした。それが、アドビが開催していたデジタルマーケティング講座だったのです。

山田 「講座に参加した瞬間、転職しようと思いました。アドビの業務内容が自分のキャリアの延長線上にあると感じたし、あとは素直に『こんなことまでできるんだ』と驚いてしまって」

偶然参加した、分析ツール「Adobe Analytics」を用いた施策立案のワークショップを通して、アドビの業務を深く理解。タイミングが重なって、2016年2月にアドビに入社しました。

自社ソリューションに憧れて

自身のデジタルマーケティングの経験が活かせて、自社プロダクトを持つ企業への参画。あわよくば、「Creative Cloud」や「Document Cloud」にも触れたいという淡い気持ちも抱きながら、山田はアドビに転職しました。エクスエペリエンス クリエイション部を統括する存在として、現在は、多くの製品を企業に提供するコンサルタントマネジメントに従事しています。

山田 「転職前は、自社プロダクトを持つ企業への強い憧れがありました。実際に働いてみたことで、憧れは確信に変わりました。加えて、プロダクト開発の裏側にまで触れられるのことは予想外でした。新しく知れることが多くて新鮮です」

シリコンバレーに本拠地を置くアドビ。グローバル企業だからこその発見は山田にとっては新たな視点をもたらしています。製品設計やメンテナンス保守のあり方まで。人の動き、ダイナミクスをこれまでよりも感じているのです。

ただ、一方で、山田自身の仕事内容は、制作会社と比較してそれほど大きな違いはないと考えています。

山田 「いずれにせよ、私の仕事はサービスを売ることに尽きるんです。前職では、デザイン制作物を販売していた。今は、分析レポートや製品導入コンサルティングなどのソリューションを提供している。これら二つには、大きな垣根はありません」

ただし、外資企業の風土が根強いからこそ、働き方には大きな違いがありました。

山田 「アドビは自分の役割に集中できる企業です。前職では、ディレクターやプロデューサーが案件をまとめていて、プロジェクトが完結するまで一気通貫で担当していました。ところが、私が現在まとめているコンサルタントは、契約が取れてから仕事が開始するポジション。セールス・カスタマーサクセスマネージャー・コンサルタントと役割ごとの業務定義が明確なので、ひとつの役割に集中できます」

自身の役割を明確にしながら、プロフェッショナルが集うのがアドビの魅力です。また、アドビの人材は、さまざまなバックグラウンドを持っています。人それぞれの違いが面白さでもありました。

山田アドビのコンサルタントは、ベンダー、コンサルファーム、事業会社などあらゆる企業の出身です。バックラウンドが違うと、考え方もアウトプットも全然違うからなかなか面白いですよ。たとえば、『顧客分析』と一口にいっても、同じ言葉から想起するものは一人ひとり異なるはずです。もちろん意思疎通する上での苦労はありますが、それよりも違いを楽しいと感じられています」

制作会社時代から、目の前の人を驚かせる仕事を意識していた山田。その考え方は、アドビに移った今でも変わりません。

船の舵取りは行う。そのなかで面白さを求める

アドビといえば「Creative Cloud」。そのイメージは、今なお変わらずに存在します。「Experience Cloud」はまだまだこれから認知を高めていくフェーズにあるソリューションなんです。今後は、縦割り組織ではなく、組織を横につなげることで、新たな価値を見出していきたいと考えます。

山田 「まだまだ、戦略に関しては模索しています。『Experience Cloud』の競合サービスはいずれも力のある企業が運営していますし、アドビでは勝てない要素もあるでしょう。それなら、アドビだからこその価値を見つけていくほうが良いですよね。たとえば、コンサルタントがいる製品ベンダーであることは、そのひとつだと思っています」

「Experience Cloud」

ーー言い換えるならば、それはまさに「Experience Management Platform」代理店などがソリューションを販売するのではなく、アドビが顧客に対して直接ソリューションやコンサルティングを提供するモデルに強みがあります。

アドビの知見と、顧客の願いとの間に立ってコミュニケーションをとりながら、あらゆる希望を叶えること。「Experience Cloud」が実現するのは、そんなシンプルで壮大な世界観です。

分析ツールを始めとするマーケティングソリューションは、競合の多い領域です。プロダクトだけでなく、コンサルティングを含めたサービスの付加価値を加えることで差別化を図り、新しいユーザーを積極的に獲得していくことを目指しています。

山田 「デジタルマーケティングが世の中に普及してから、もう数年が経ちました。ブームが一巡した今だからこそ、アドビの強みを感じてもらうこと。そうすると、これまでとは異なるアドビの新たな一面を感じていただけるような気がしています」

製品サイドに力を入れて、新しいアドビを届けること。それが、山田が束ねるコンサルタントたちの使命です。

最後に、山田に聞いてみました。

“アドビで、「Experience Cloud」に携わる上で、一番意識していることはなんですか?”

山田メンバー一人ひとりに、楽しいと感じながら働いてもらうことです。エクスペリエンスクリエイションっていうなら、顧客だけではなく、私らだって最高の体験をしたいじゃないですか。今の時代、もう終身雇用制度はありません。面白いと感じることを、自発的に体現してほしいんです。

だから、私自身もメンバーには『平等には評価しないよ』と伝えています。それはネガティブなものでもなんでもなくて、自由に働いてほしいので。

私は、船の船頭役。進むべき道は示すけれど、その道をどう進むのか。それはメンバーに任せています。アウトプットは属人化してもいいから、『それって面白いの?』と、言える組織でありたいと思っています」

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