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新オフィスのテーマは「旅」。新たな環境で三井物産グループ4万人の人材開発を担う

私たち三井物産人材開発(株)は三井物産グループの人材開発・組織開発を担う企業です。グループには世界中で4万人を超える人が働いており、それらの人々のニーズに合わせ、様々な育成プログラムを提供しています。

三井物産および三井物産グループでは、2030年の姿を示した長期業態ビジョン2030において、企業や人を「つなぐ」から自らビジネスを「つくる」への進化を掲げています。

これに合わせて、当社もビジョンの実現に向け、2020年11月に新たなオフィスに移転。シンボルツリーが生える緑豊かなオフィスで新たなスタートを切りました。今回は、移転プロジェクトに関わった社員2名にインタビューを行い、新オフィスの魅力をあますことなく聞き出します!

中江 紳
人材開発部 グローバル・グループ人材開発室

■人材こそ財産。様々な領域で活躍するプロを育成する

――今回の記事は22年卒の新卒に向けて発信したいと考えています。はじめに、三井物産人材開発(株)の事業内容を教えてもらえますか?

中江:私たちの主たる事業は、「研修」です。三井物産グループには506社の連結対象関係会社が存在しています。このうち、研修受講対象企業となる70社強のグループ社員に向けて研修を行っているのが私たち三井物産人材開発(株)です。「質の高い人材開発機能の提供を通じて三井物産グローバル・グループの人材育成を支援すること」を目指しているため、対象は幅広く、新人研修から管理職研修まで、役割や目的別に学習ニーズを満たすプログラムを用意しています。

――三井物産グループの人材の「質」を高める役割を担っているのですね。

中江:そうです。考えられるニーズに合わせてプログラムを用意していますし、目的に合わせてカスタマイズも行っています。三井物産グループはグローバルで活動しているので常に最先端の情報が入ってきます。私は研修の企画をはじめ、講師や人材コンサル業務も担当していますが、様々なプログラムのエッセンスを取り入れ、起こりうる未来を予想して常に最先端の研修を提供しているんです。

――現代のビジネス環境に対応しながら、幅広いプログラムを用意しているのですね。学びの機会が人材の成長につながり、ひいてはグループ全体の業績に影響していくので、やりがいのある仕事だと思います。

中江:そうですね。私たちは人材開発・組織開発のプロフェッショナル集団です。様々な事業領域・商品・分野に精通した「その道のプロ」の活躍を支えることが私たちのミッションですし、プロ人材の挑戦と創造を後押ししていけたらと考えています。


■大きなシンボルツリーは、「社員が集まれる場所」を目指して植えられた

――次はこの記事のテーマ「オフィス」に話を移しましょう。三井物産人材開発(株)は2020年11月にオフィスを移転して、観葉植物を取り入れた開放的な職場環境をつくりました。プロジェクトに携わったおふたりから、こだわりのポイントを聞かせてください。

真崎:私が最も力を入れたのは執務室の真ん中に植えたシンボルツリーです。樹の周囲には様々な観葉植物を植え、ドーナツ型の机を置いて、5~6名くらいの社員が座ってミーティングやランチができるようになっています。ツリーはどの席にいても見えるよう配置したので、「あそこは雰囲気がいいから、ツリーで話そう」と自然と足が向く場所を目指しました。

――確かに、オフィスのどこにいても見えるので目立ちますね。

真崎:そうなんです。視界に入れば「行ってみようかな」と考えますよね。

新オフィスはフリーアドレスを採用したので、社員がカジュアルに交流できる場所が必要でした。フリーアドレスの場合、オフィスの隅で誰とも接することなく仕事を進めることもできます。けれど、他のメンバーの人となりを知らなければチームワークは円滑にできません。自然と足が向く場所があれば、メンバー同士が顔を合わせる機会が増えますから。

――シンボルツリーの前には社長席がありますね。これは意図的に配置したのでしょうか?

真崎:その通りです。社員視点で考えると、やっぱり社長席には近寄りづらいじゃないですか(笑)。社長は「社員の声を聞き、積極的に交流したい」と話していたので、人が集まるツリーの前に席を設けました。この場所なら社長の耳にも自然と会話が入ってきますから、メンバーのパーソナリティやコンディションが把握しやすいと思います。

――今のお話を聞いて、チームワークを大切にしているのだと感じました。社員の声を積極的に取り入れる姿勢がオフィスに表れているんですね。

中江:個人の力やアイデアは大切にしていきたいと思っています。というのも、三井物産グループでは長期業態ビジョンにおいて「新たな価値を生む」を掲げました。私たちは「個」と「個」のコラボレーションを促し、知的化学反応を起こすことで、まだ世の中にない新たな価値やビジネスを生み出したい。三井物産グループの研修で使用される新しいオフィスは、こうしたビジョンを実現する場でなくてはいけません。

――なるほど、だからこそ人が集まる場所が必要だったのですね。

真崎:ここは必ず必要な場所でした。まだ新オフィスに移転して間もない状態ですし、感染拡大を防ぐために出勤している社員は少ない状態です。しかし、フリーアドレスになってからはいつもと違うおしゃべりが聞こえてくるようになりました。直接話さなくても会話が聞こえてくると人柄が分かる。開放感が違うので、今後出社する社員が増えた時には交流のきっかけになっていくと思います。

中江:従来は部署ごとにデスクがまとまった、いわゆる「島型」のオフィスだったので、変化がはっきり分かりますよね。お互いに声がかけやすくなり、質問もしやすくなりました。メンバー間の心理的安全性は大きく向上しています。


■新オフィスのテーマは「ジャーニー(旅)」。人々が自由に往来できる空間をつくった

――このオフィス(研修室を含むフロア全体)には当社のビジョンが反映されています。そのほかにビジョンやミッションを意図してつくられた空間はあるのでしょうか?

中江:オフィス全体の話では、コンセプトに「ジャーニー(旅)」を掲げました。私たちの主たる事業は研修、すなわち三井物産グループの学びの機会を提供すること。何かを学ぶことは新しい何かと出会うこと、つまり旅に似ている。オフィスの共用エリアには社員だけでなく、研修の受講者もいらっしゃいますから、訪れる人々が「旅のはじまり」を感じられる空間を目指しました。

――壮大なテーマですね。具体的にはどのようにコンセプトを体現しているのでしょうか。

中江:象徴的な場所は「Bazaar(バザール)」と呼ばれる空間です。旅の途中では必ず人々が休み、交わる場所があります。交通の要所をイメージして、人々が自由に集える多目的スペースを設けました。このフロアには受講者としてグループ全体の社員が来訪します。今はコロナ禍の最中で時世的には難しいのですが、将来的には社内外の交流を活性化させ、「Bazaar(バザール)」でイベントなども開きたいと考えています。

――先ほどフリーアドレスの話を聞きましたが、人々が自由に行き交う様は旅を連想させますね。フリーアドレスを行うために、執務スペースにはどのような工夫を施しているのでしょうか?

中江:設備では、様々な業務に対応できる環境を用意しました。「リラックスしながら作業する」「集中して業務を進める」「大きな画面を見ながら仕事をする」「2名でじっくり話す」など、働く状況をイメージしながらプロジェクトチームで空間をデザインしています。たとえば、先述したツリーはリラックス要素です。オフィスに観葉植物を多数植えることで、安らいだ気持ちで働ける環境をつくりました。

そのほか、労務制度やツールにも工夫を施しています。ABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング。時間と場所を自由に選んで働ける制度)を用意したり、クラウドツールを導入して会議や情報共有の効率化を進めたりしました。


■研修のプロが手がけた、こだわりのセミナールーム

真崎:そのほかに、研修室の設計にも力を入れましたよね。

――研修室、ですか?

中江:先程もお伝えしたように、三井物産人材開発は、三井物産グループの研修を一手に担っています。そのためオフィスには研修を行う複数の研修室があるんです。

――なるほど、いわゆる「セミナールーム」ですね。どのようなコンセプトで設計したのでしょうか?

中江:私自身、講師として壇上に立つことも多いので、経験を活かして受講者・講師・運営サイドの三者に有益な空間を目指しました。

まず受講者目線に立ち、疲れにくい環境を整備しています。研修は半日から1日かかりますから、途中で集中力が切れてしまわないよう椅子や什器を選んでいます。加えて、会場のどこにいても見やすい・聞き取りやすい環境を作るため、スクリーンの位置や大きさ、プロジェクターの性能を吟味しました。

――講師と運営視点のこだわりも聞かせてください。

中江:近年ではパソコンやプロジェクターなど、AV(オーディオビジュアル)機器を操作しながらセミナーを進めますが、講師が話しながら快適に機器を動かせるよう、講師経験を振り返りながら機材を選定しました。教室の広さもこだわったポイントです。講師との距離や、グループを組んだときの距離感は研修の質を左右します。細かな点ですが重要な要素なので、これも経験をもとに設計しました。

運営面では、受講者がセキュリティゲートを通るだけで出席管理ができるシステムを導入し、遠隔で入退館を管理するツールも利用しています。夜間に研修を行うこともあるので、会場管理を簡便化するために必要なものだと考えました。

――講師の経験がそのまま研修室に活かされているのですね。

中江:オフィス移転の話を聞いた時に「中途半端なものはつくりたくない」と思って、「オフィス移転プロジェクト」に手を挙げたんです。今回のオフィス移転プロジェクトは挙手制で進められましたが、私は人材開発に関わるものとして、受講者に有益な環境をつくりたかった。学ぶこと、気づくことを楽しんでもらいたいですし、会場にはとことんこだわりたい。なので、絶対関わらなきゃと思ったんです。


■安定した基盤のなかで、挑戦もできる社風

――ここまでお話を聞いて、研修に多大な熱量を注がれていることが感じられました。おそらく、当社に興味を抱いている学生もいるのではと考えています。最後に三井物産人材開発(株)がどのような会社で、どのような社風なのかを質問して締めくくりにしたいと思います。

中江:私の印象では、チャレンジしたい人に挑戦できる場が用意されている会社です。オフィス移転しかり、研修企画しかり、「実現したい」「チャレンジしたい」は「やってごらん」と後押ししてくれます。

現に、まだ研究段階にある育成手法も積極的に取り入れています。当社の代表は「サイエンス」と表現していますが、今後のビジネス環境でスタンダードになりうるものを予想して、研修を企画しているのです。

――三井物産人材開発(株)は大手グループの一角です。大手企業はルールに厳格な傾向にありますが、そのなかで「挑戦する自由」は担保されているのでしょうか?

中江:大手企業らしいルールもありますが、全て存在する理由があり、事業の土台として機能しています。言い換えれば、安定した基盤が存在することになりますから、外資や小規模の会社と違って安心して働ける環境だと思います。

新オフィスは居心地が良い環境なので、新卒生の皆さんにもぜひ訪問して欲しいですね。若いみなさんの力で、当社に新しい風を吹き込んでください!

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