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オフィス不動産特化のSaaSをデザインする楽しさ


不動産テック企業estieでVP of Designをしている荒井(@rakenarai)です!
estieではデザイン全般とフロントエンドの一部実装を担当しつつ、最近はデザインチームの構築に注力しています。

趣味はラジオを聞くことで、ハライチのターン!とおぎやはぎのメガネびいきのヘビーリスナーです。ラジオメールを送るレベルで好きです。

本日はオフィス不動産の領域で事業を行うestieだからこそ感じる楽しさをデザイナーの観点で書きたいと思います。前職のヤフー株式会社では、ずっと王道のtoCデザインをしてきたので、その経験とも対比させながらできるだけ具体的に書いてみようと思います。

estieが提供するサービスとは?

株式会社estieは「estie pro」と「estie」という2つのプロダクトを開発しております。

「estie pro」はオフィス不動産事業者向けのSaaSで、大手不動産デベロッパー様や不動産運用会社様を中心に導入いただいております。サービスのリニューアルから1年半ほどで、MRR(月次経常収益)は14倍もの成長を実現することができました。

「estie」はオフィスを探している企業様とオフィスを仲介する仲介会社様をマッチングするマーケットプレイス型のサービスで、スタートアップ企業を中心に多数の企業様のオフィス移転をサポートしています。

estieがプロダクトを通して挑む課題やこれまでの軌跡と成長性は、今年京都で行われたICCサミットの国内最大級のピッチコンテスト「スタートアップ・カタパルト」で優勝した際に公開した以下の記事で紹介されていますので、是非ご一読ください。

ICCスタートアップ・カタパルト優勝と、これからのestie - estie inside blog
去る2021年9月7日、京都で開催された産業を共に創る経営者・経営幹部のためのコミュニティ型カンファレンス「ICCサミット KYOTO 2021」に参加し、その目玉コンテンツの一つである日本最大級のピッチコンテスト「 スタートアップ・カタパルト 」で優勝することができました🎉 ...
https://inside.estie.co.jp/entry/2021/10/01/090000

estieが手がけるプロダクトはいずれもオフィス不動産という領域で、ヤフーで作ってきたデザインとは少し毛色が異なるなと感じています。今回はtoCのデザインを長らく行なってきた私の経験と「estie pro」の開発経験を対比しつつ記したいと思います!

estie proをデザインすること

estie proは前述の通り、オフィス不動産事業者向けのSaaSです。扱うデータが主にビルや区画、各区画に入居している企業情報になります。
estie proは、世間一般的にVertical SaaSと言われる業界特化型のSaaSです。SalesforceやSmartHR等に代表される、業界・業種に関係なく「人事向け」や「マーケ向け」など特定の職種が使用されるHorizontal SaaSと違って、業界・業種ごとに特化した機能を持つSaaSになります。

出典:https://note.com/yuintei/n/nb0d01a121626

Vertical SaaSと位置付けられる「estie pro」のデザインを行なってきた中で感じた楽しさを今日は3点ご紹介したいと思います!

その1:デザインでレバレッジが効く

楽しさの1点目として「デザインでレバレッジが効く」ことがあります。

私は1人のデザイナーとして、toCであろうとtoBであろうと、SaaSであろうとメディアであろうと、あらゆる領域におけるデザインの力を信じています。Yahoo! JAPANアプリをデザインしていた時もその力で事業が進んでいく姿を何度も見てきました。

一方で、限られたスマートフォンの画面領域で、AppleやGoogleが定めるガイドラインに準じながら、解決すべき課題や新たに提供できる価値を探索する難しさも感じていました。
乱立する類似サービスの中から選ばれる理由を強化するため、日々デザインの試行錯誤を繰り返していましたが、デザインによるソリューションが飽和しつつあることも同時に感じていました。

ひょんなことからestieでの副業を始め、オフィス不動産領域における課題を目の当たりにしました。
例えば、自社のビルの値付けをするために競合ビルの価格を調べるにも一苦労な現実があります。さらに、事業者ですら苦労している価格調査をオフィス移転を検討している一般企業が簡単に調べることは当然難しく、不動産のプロの方々に都度問い合わせる必要があります。

これは一例に過ぎず、オフィス不動産領域には様々な課題があります。このオフィス不動産のマーケットは日本を代表する伝統的な産業です。それ故に長い歴史があり、その歴史の中で積み重ねた意思決定やプロセスによって出来上がった商慣習は、新興産業のそれとは異なります。
もしかしたら、現状紙や口頭での情報交換やエクセルで行われる情報管理は最新のWebアプリケーション技術やAI、デザインを用いることでより効率的なものに変えられるかもしれません。我々はその可能性を信じ、より良いオフィス不動産産業の実現に向けて努力しています。

toCの領域ではソリューションの飽和感やデザインの力による改善幅の閉塞感を感じていましたが、オフィス不動産領域では改善の可能性を強く感じます。明確なガイドラインが存在しない自由度の高い世界で、難しい課題に対してユーザと一緒に真摯に向き合う。その結果辿り着いた解をプロダクトに反映し、自らの手であるべきデザインを定める。
estie proの開発において、私はデザインの効用の大きさを実感しています!

その2:メンバー全員参加の総合格闘技感がある

楽しさの2点目として「メンバー全員参加の総合格闘技」的要素があります。

インターネットでサービスを行う上では当たり前で全般的に当てはまることだと思うのですが、estie proの開発で特に感じます。
ユーザーから直接フィードバックをもらうアカウントマネージャー、SQLを書いて集計したログから行動分析をする事業開発、新規顧客を見つけ新たなニーズを模索するセールスと一枚岩でプロダクト開発を進めている感覚があります。

特定領域の難しい課題を解くVertical SaaSのestie proだからこそ、その傾向が強いと思います。また、業務で利用いただくtoBのプロダクトであるという重要性も相まって、それぞれの役割は全て欠かすことができないと全員が思っています。
そのため、相互にプロフェッショナルとしてリスペクトする姿勢があり、良い協力関係と緊張感があります。このような私たちのチームにおいてデザイナーはハブ的な存在だと感じています。

estieのデザイナーはアカウントマネージャーやセールス・事業開発とともにユーザーの声を聞き、カスタマージャーニーマップ等の可視化を通して解く課題を明確にしていくこともあれば、エンジニアと一緒に開発を進めることもあります。

estieのデザイナーは時と場合に応じて鳥の目・魚の目・虫の目を瞬時に切り替え、必要なアウトプットを作り出す存在です。デザイナーの1つのスキルとして、情報を整理し論点を浮き彫りにする力があると思っており、様々なタイミングでその力を発揮しています!

その3:顧客が近い

楽しさの3点目として「顧客との距離が近いこと」があります。

これはestieに入って強烈に感じていることです。 ヤフーでデザインをしているときも、日々ユーザーの行動ログを見ることはできましたが、日々数千万規模でアクセスするユーザーのそれぞれの「顔」は当たり前ですが解像度高く見えませんでした。
そのためユーザーの課題を解決している感覚が漠然としていて、手触り感のようなものがあまり感じられないと思う時がありました。

一方、estieではとてもクリアにユーザーの顔が分かります。導入いただく企業様と定期的に打ち合わせのお時間いただいており、直接フィードバックをいただいています。その打ち合わせの参加者はセールスに閉じていないため、エンジニアやデザイナーもカジュアルに参加させてもらっています。

ご理解いただいている各企業様のおかげで、ユーザーの生の声に基づいてプロダクト開発を進めることができます。estieはコンサルティング会社でもなければクライアントワークを行なう会社でもなく、estie proというVertical SaaSを作る会社です。
そこに求められるのは各ユーザーの生の声から課題を抽象化し、個社限定ではない普遍的な課題を定義し解いていく力です。そのためにヒアリングの積み重ねと、アクションと改善を繰り返して実行する必要があります。とても根気がいりますが、「◯◯社の□□さんが新機能、超感動してたよ」等のフィードバックが直接届く楽しさがあり、自分の改善が役に立った実感を得られる瞬間の嬉しさはひとしおです!

最後に

業務の中での利用を通して、意思決定やプロセスをアップデートするプロダクトを作るということは、経済活動に貢献することであり、社会的に大きな意義があります!

今回はVertical SaaSのestie proをデザインする楽しさ3点を書いてみましたが、estieはデザイナーに限らず全力募集中です! カジュアルに話聞いてみたい!とか何でも大歓迎ですので、お気軽にお問い合わせください!

Twitter:https://twitter.com/rakenarai

デザイナー
デザイン主導でプロダクト開発を進める、デザイナー募集!
日本のマクロ経済を支えるため、巨大な商業用不動産市場全体のDX/IXを目指し、業界のバリューチェーンを横断する複数のプロダクトを展開しています。 ▼estie マーケット調査 / オフィス賃貸に品質とスピードを。 estie マーケット調査は、全国8万件以上、都心5区90%を網羅した日本最大級のオフィスビル情報プラットフォームです。物件情報、空室情報、募集賃料、入居テナントなど、オフィス賃貸業務に必要な全ての情報が揃うサービスです。 上記以外にも、「estie 物件売買」「estie 案件管理」をリリース(2024年2月時点)。 今後も複数のプロダクト展開を予定しています。 estieが取り組んでいることは、以下のコーポレート動画にも想いを込めました。ぜひご覧ください。 ・estie コーポレートムービー https://youtu.be/ftPXoL99rDE?si=P4-vzpCHV-f6G4e5 ・estie 公式YouTubeチャンネル https://www.youtube.com/@estieinc.7428
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