その人が大切にしている言葉を知ることで、その人の考え方や生き方に、もっと触れられるかもしれない。「あ、もっと知りたい」そう思う、きっかけになるかもしれない。
そんな想いで始めた、名優で働く人が大切にしている言葉についてインタビューする「a motto(ア モット)」。
第6回は、物流課で働くT・Yの a motto です。
ー 大切にしている言葉を教えてください。
言葉というよりは、普通の挨拶になってしまうんですけど。
「ありがとう」ですね。
私は、ありがとうにも色々なニュアンスがあるんじゃないかなって、思っているんです。
軽いありがとうだったり、本当にありがとうだったり。ありがとうに表情をつけたり。
ー 色々なニュアンスがある。
例えば、家庭のことになっちゃうんですけど。
私は両親と一緒に住んでいるので。「おはよう」とかの一言で、その日の調子がわかったりするんです。今日ちょっと元気ないな、とか。
私から色んなニュアンスで伝えるというよりは、相手の言葉のニュアンスで感じ取る感じ。
会社でも「これどうしますか?」「手伝いましょうか?」とか、一言声を掛けるようにしているんですけど。その反応で、その人の調子とか状態がわかることがある。
だからこそ、普段の挨拶は、本当に大事にしていきたいなって思っています。
ー 挨拶を大切にするようになったきっかけはありますか?
やっぱり、自分が言ってもらえて、嬉しかったのはありますよね。
些細なことでも、ありがとうとか、これは良かったですとか言ってもらえると。私も、何か一言返したいという思いが出てきたというか。
小学生の頃は、人との付き合いが得意な方ではなかったので、あまり人と関わりたくないなと思っていたんですけど。
やっぱり中学とか高校に入って、部活があったりすると、自分一人でやっててもダメじゃないですか。
だから、周りの人にも自分のことをわかってもらえたらなって、思うようになって。
短い言葉だったとしても、それで繋がっていけたらいいのかなって思ったら、やっぱり挨拶って大切だなって。
ー 部活がきっかけだったんですね。
そうですね。
あとはやっぱり、私自身も、おじいちゃんおばあちゃんと一緒に生活していたので。
昭和一桁の人とか、昔の人はそういうのを大事にしていたので。自然とそう思うようになったというのはあります。
ありがとうとか、おはよう以外にも、仕事中にちょっとした一言を掛けるのを大事にしていますね。
例えば、私が働いている出荷チームと営業サポート課は、別の部署なんですけど、同じ場所で作業をすることがあって。
サポート課に新しく入った方だと、まだ一人でこう、戸惑っているなと感じることもあるんですね。
そういう時に「何か探してますか?」とか、声を掛けることがあります。そうすると、「大丈夫です」って言ってくれることもあるし、「これってどうしたらいいですか?」と聞いてくれることもあって。
会話が膨らんでいって、結果的にアドバイスをすることもあるんです。
ー 声を掛けてもらった人は、嬉しいでしょうね。
そうだと嬉しいですね。
私とかはベテランなので、そういうのに気づいて声を掛けてあげられるんだと思います(笑)。
サポート課の中にも、テキパキ仕事ができて、新しく入った方をサポートするメイト(アルバイト)さんもたくさんいますけど。
どうしてもその日の業務とかシフトの関係で、新しい方が一人で作業をする場面はあるので。
そういう時は、部署を超えて手助けしてあげて。
仕事をスムースにできたら、お互いにいいかなって思っています。
― 逆に、Yさんがかけてもらった言葉で嬉しかったものはありますか?
やっぱり、重い荷物を運んだりしている時に「手伝います」って言ってくれると、とても助かりますね。製品の入荷時とか。
最初は出荷チームだけで、製品が入荷した時の荷下ろしをやっていたんですけど。
今では、サポート課の人たちが用があって通りがかった時とかに「やりますよ」って言ってくれて。それは、とても嬉しいですね。
皆さん当たり前のように、そうしてくれるんですけど。
それって、当たり前ではなくて、やっぱり「有難い」ことだなって思うんです。
(聞き手:優一)