その人が大切にしている言葉を知ることで、その人の考え方や生き方に、もっと触れられるかもしれない。「あ、もっと知りたい」そう思う、きっかけになるかもしれない。
そんな想いで始めた、名優で働く人が大切にしている言葉についてインタビューする「a motto(ア モット)」。
第5回は、営業サポート課で働くA・Hの a motto です。
― 大切にしている言葉を教えてください。
私、そういうのあんまりないんですよ。
だから、皆さんのインタビューを見て、すごくプレッシャーで(笑)。たくさんの言葉を挙げていたり、凄いなぁって。
私は、こういうものを大切にしているとか、そういう自分の軸のようなものが、実はそんなになくて。
仕事において、こういう時はこういう風にする、くらいのものですが。絞りだしたのが「しんどい事は楽しさを見つけてやってみる」です。
― Hさんは、大切にしている言葉とか結構持っていそうなイメージでした。
そんなにちゃんと生きていないんです(笑)。
その時、その日がハッピーであるように、自分で選択して生きているとは思うんですけど。
何年後にはこうなりたいから、今これをするとか。逆算して考えることをあまりしないので…貯金の計画とか、すごく苦手です。
やらなきゃいけないことなので、向き合いますけど。
― この言葉との出会いを教えて下さい。
母からの影響をすごく受けて、作られた私の考え方な気がします。そう言われて育ったわけではないんですけど。
仕事や家庭。日々過ごす中で、今の私を1番表している言葉。
母は「変換」がとても上手かったんです。
例えば、幼少期の私に「こうしなさい」というのではなく、「こうやってみらたら、ほら楽しいよ」と伝えるような人で。
その影響もあって、どうせやらなきゃいけないんだったら、そのもの自体を楽しめるように変換したり。その先にちょっと楽しいことを自分で設定して、そこを目指して頑張ろう!と考えるようになりましたね。
― 仕事だと、例えば?
最近だと、単価契約の見積対応ですね。業務としては、量も多いし、ミスが許されない業務なんですが。
「単契やりたくない」という思いで、取り組みたくないんです。
これはお客様のため、そして会社のためになっている。「来年の注文、待ってますね!」という気持ちで取り組んでいます(笑)。
一種のランナーズハイのような感じ。
あとは、私は現地で参加したわけではないんですけど。
2022年の10月に、3つの学会で、3日連続で名優がランチョンセミナーを主催したことがあって。
なんかこう、会社が一丸となって、1つの目標に向かって雰囲気良く楽しそうに、やるぞ!って。そして、ちゃんと結果が出た(すべてのランチョンセミナーが満員)。
すごくよかったですね。
― わかります。私も文化祭前夜のような働き方が理想です。
仕事って、人生の時間の多くを占める。
それを、しんどいことだけにはしたくないですよね。やっぱり。
しんどい事は、楽しさを見つけてやってみる。
思い出した!この考えは、メリーポピンズの影響が大きいですね。
母が好きだった映画が、メリーポピンズなんですよ。
小さい頃、母と一緒に見ていて、映画の影響をもろに受けていますね。今もすごく好きです。
彼ら(子供たち)は、たぶんお父さんお母さんとずっと一緒にいたいから、過去のナニー(乳母・教育係)に悪戯をして、次々と追い出していたんです。
でもメリーポピンズは、片付けとかも「早くやりなさい」じゃなくて、楽しい歌にして、ゲームにして、魔法にして終わらせてしまうんです。
― Hさんからメリーポピンズが出てくると思わなかった(笑)。どちらかと言えば、ハケンの品格のようなテキパキのイメージ。
それは、カフェで働いていた時の影響かもしれないですね。そういえば、カフェで働いて、変わった部分もあるなぁ。
私には、自分が考える理想の接客というのがあったんです。
入職当初、その想いが強くて。納得がいかない、なんでお店としてこうやらないんだ!って思うことがあって、店長になだめられたことがあります。その店長は、今でも尊敬しているんですけど。
その店長に「その人にはその人の考えがある。Hさんがやりたいと思っている接客、ホスピタリティーはすごいけど、それができない人もいるんだよ。やらないんじゃなくて、気づけない人もいる。」と言われたんです。
なんでできない、気づけないんだろうと思うかもしれないけど、その人が持つ資質だったり、経験もある。そこを無理やり「なぜ?」と怒ってもしょうがないし、前に進まないよと。
人が変わることに期待をしないとか、そういう突き放す感じではなくて。どうやったら、少しでも前に進むか、前向きに建設的に考える。
それをこの店長から教えてもらいましたね。
― ちなみに、Hさんの理想の接客ってどんな感じだったんでしょう?
私、お客さんをみて、一歩先を読むクセがあるんですよ。
例えば、優一さんが「ドリップ ホット ラージサイズで」と注文したら。
まず「あ、この人結構知っているな」と、注文の仕方で思います。ラージってことは結構量があるから、お店でちょっと長居するつもりなのか、それとも外で長い会議があるのかなと想像して。
そこでパソコンを裸で持っていたら、すぐに開くつもりだろうから「店内でいいですか?」と声を掛けたり。注文の口調が急いでいる感じで、もし駅近くの店舗でお待たせしそうだったら「電車乗ります?何分ですか?」と聞いてみたり。
お客さんから情報を得て、この人はどういう状況で来ていて、今ここでなにを求めているかなって察するのが、面白いんです。
これは今の営業サポート課の仕事でも、同じですね。
会社に電話がかかってきたら、この人は営業の方なのか、営業事務の方なのかを会話の中で想像して。
この部署の人であれば、こういう情報もあったほうがいいんじゃないかと考えて、お伝えをする。
その姿勢を大切にしていますし、それが楽しいんです。
(聞き手:優一)