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変化しながらブレずに進む。創業27年のアイテックが今、パーパスを策定したワケ

2023年5月。アイテックは「一歩先の豊かさを、社会に実装する」というパーパスを策定しました。創業27年を迎える今、どうして改めてパーパスを定めることになったのでしょうか。またそこには会社としてどのような想いが込められているのか。実現のための道のりとは。大植みさ代表取締役副社長に話を伺いました。



強みを生かしきれていないことが、もったいなかった

ーー パーパスについて伺う前に、まずはアイテックのこれまでの歩みを教えてください。

大植:アイテックの設立は1996年。光回線が登場し、Yahoo! JAPANがサービスを開始したりまさに日本のインターネット元年と言えるような年です。

私はまだ在籍していなかったのですが、創業当初は、主に組み込み系システムの開発を手がけていたそうです。そこからクライアント企業に常駐して技術支援を行うSES事業にも参入するなど、時代のニーズに応えるかたちでビジネスを展開してきたと聞いています。

私が入社した2008年には、「オープンシステムソリューション」「インフラソリューション」「エンベデッドシステムソリューション」「カスタマーサポートソリューション」の4部門を軸とした現在の組織体制がほとんど整っていました。

とはいえ、その頃はまだまだSES事業の比重が大きかったですね。私自身は経理部門からキャリアをスタートしたこともあり、そのことに特に疑問を感じていなかったのですが、当時の上司は「今のままじゃウチの強みを生かせない」とよくこぼしていました。その言葉の真意が理解できたのは、営業部門に移り、エンジニアさんとの接点が増えてからです。



ーーSES事業だと、なぜ強みを生かせないと感じたのでしょうか?

大植:私たちの強みは、やっぱり技術力なんです。インターネット黎明期からあらゆる産業のIT化に貢献してきたことで、社内には本当に多種多様なナレッジが蓄積されています。組み込み系システムからオープン系システム、さらにはネットワークインフラまでを一手に担える企業は、そう多くはありません。

それを十二分に生かせば、クライアントの本質的な課題を解決するソリューションも提供できるはずです。ただSESというポジションだと、そこまでの提案をすることは難しい。私たちにとっても、お客様にとっても、非常にもったいない状況が続いていました。

そこで2018年に経営方針を転換し、提案から要件定義、設計、開発、運用までをワンストップで担える体制づくりに着手。2021年に私が代表に就任してからも、この方向性は変わっていません。一朝一夕にはいきませんが、今ようやくその成果が出つつあります。

情報技術の本質とは? 自分たちのアイデンティティとは?

ーーそんななか、このタイミングでパーパスを策定した理由を教えてください。

大植:最大の理由は「会社がどこに向かっているのかわからない」という声が聞こえてきたからです。脱SESという方向性はわかったけれど、じゃあその先に何があるのか、と。正直にいうと、私たち経営陣も、そこをはっきり言語化することができていなかったんです。それがジワジワと社内のモチベーションに悪影響を及ぼし、最終的には会社を離れてしまうメンバーもでてきてしまいました。コロナ禍に入社し、最初からテレワークで働くことになってしまった新入社員たちにしても、このままではエンゲージメントが上がらない。

こうした状況を打開するために、まずは社員全員が目指す「北極星」を示す必要があると考えました。そこで経営陣を中心にブレストや議論を重ね、最終的に決まったのが「一歩先の豊かさを、社会に実装する」というパーパスです。

ーーそこにはどのような想いが込められているのでしょうか。決定までの思考のプロセスも、あわせて教えてください。

大植:まず考えたのは「情報技術の本質とは何か?」ということです。私たちはそれを「つなげる技術」だと定義しました。ばらばらに存在しているヒト・モノ・コトを有機的に結びつけることで、そこに新たな価値が生まれる。たとえば、弊社のオリジナルプロダクトである金融機関向け個人信用情報システム『個信(KOSHIN)』であれば、複数の個人信用情報機関の情報をつなげ、一括検索を可能にすることで、与信審査業務の効率化に貢献してきました。

こうした「つなげる技術」をさらに磨き、みなさまの仕事や暮らしをより便利で快適なものにしていくこと、つまり「一歩先の豊かさ」をお届けすること。それこそが私たちの存在意義だと考えました。

また私たちのアイデンティティは、あくまでも技術者です。未来のビジョンを語るだけではなく、それを実際にかたちにするところまでが仕事です。「実装」という言葉には、そんな矜持を込めています。


パーパスを「つくって終わり」にしないために

ーー最後に今後の展望を教えてください。

大植:パーパスを単なる“飾りもの”にしないために、まずはしっかりと社内浸透に取り組みたいですね。こうしたWantedlyでの記事をはじめ、継続的に情報発信を続けていきます。

またパーパスの実現のためには、「個の力」ではなく「チームの力」が不可欠です。弊社では現在、5~6人の少人数チームで仕事を進める体制を構築していますが、この仕組みをさらにブラッシュアップし、メンバー同士の相互理解・相互成長を促していきたいですね。

ほかにもやるべきことは山積みです。組織としてもまだまだ改善の余地がある。だからこそ「こんなことがやってみたい」というアイデアがある方にとっては、大きなチャンスの時期だとも感じています。パーパスという北極星を目指し、ともに成長を続けていきましょう!


かえてゆこう、技術で。ともにゆこう、未来へ。

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