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Mediaid History By H.Yajima

HISTORY

現在の当社のビジョンである「新たなヘルスケア社会基盤の実現を支援する」に至るまで、そして当社の事業ドメインを「ヘルスケアDX(デジタルトランスフォーメーション)」とする、に至るまでには、本当に長く、そして苦しい歴史がありました。

このページでは、現在の提供サービスに至るまでに、当社がこれまでの乗り越えてきた歴史を少しお伝えできればと思います。

患者のQOLを上げる患者メディア…「ライフパレット」

当社では患者メディアの構築を構想し、2008年から、がん患者のための闘病記サイト「ライフパレット」を運用してきました。この闘病記サイトには多くのがんなどの患者さんにご利用頂き、社会的にもとても意味のあるサイトであったと考えています。

しかし2008年当時は、今とは全くIT環境が異なる世界で、まだスマートフォンもクラウドもない時代です。パソコンが主体という状況では、どうしてもこのサービスを利用する患者さんが限られてきます。比較的高齢な方もスマホを使う現在とは全く利用者層が異なってきます。さらに当時はまだクラウドサービスはありませんでした。サーバーは、データセンターにラックを借り、そこにラッキングをして、ネットワーク工事を手配するなどサーバー構築自体が非常にコストと手間のかかるものでした。さらには今のように使った分だけコストがかかるというものではない所有するという世界であったため、運用コストにも大きな費用が掛かりました。

そのように、利用してくれる患者さんを集めることも、運用コストも大きくかかる中において、さらにメディアとして事業を軌道に乗せるには広告主が必要でした。しかし「がん」というテーマということもあり、広告主を探すことも非常に困難な中において、2010年末にはほぼその事業化の目途をあきらめることになりました。

東日本大震災の発生と事業の転換…スマホ×クラウドを活用したSIサービス

そのような状況において2011年3月には東日本大震災が発生します。
その時には、多くの電子カルテや薬歴などが流されました。と同時に、IT環境にもスマホの登場やクラウドの広がりという大きな潮流もあり、クラウドでのデータ保管という議論や、どこでもMy病院のような内閣府が進めるPHRとして患者自身が健康データを自分で保管するという流れもありました。
私自身は2000年からIT業界に身を置いていたため、ヘルスケア領域においてSIサービスを立ち上げるということにし、スマホアプリやクラウド、特にクラウドにおいては医療情報ガイドラインへの対応というノウハウなどを蓄積しながら、2011年には、薬歴システムと連携をした訪問薬剤師向け在宅システムの構築、2014年には電子版お薬手帳サービスなどの構築などを行い、薬局業務についてのノウハウを蓄積してきました。

さらには医師と連携をして2013年にはスマホと血糖自己測定器を自動データ連携するスマホアプリ「ライフパレット・ダイアベティス」や、栄養士と協力して食事データベースを活用しながら食事記録を行うことのできる食事管理アプリ「食ノート」を他に先駆けてリリースをし、製薬企業が持つ健康管理サイトとデータ連携をするという仕組みを作り上げてきました。
その他にもポイント・インセンティブやオンライン・トレーナーなどの要素を入れた体重管理システムの構築や、クラウドをヘルスケア領域で活用することをテーマにした総務省と経産省による健康・医療クラウドコンソーシアム事務局の対応などにも取り組んできました。

患者プラットフォームの構築へ…ライフパレット・プラットフォーム

SIサービス構築においては、ヘルスケア領域におけるサービス構築ノウハウ、そして技術的、業務的なノウハウが蓄積されていきますが、それは形としては残っては行きません。一つのシステムとして残していけないか・・・そして患者メディアとしては立ち行かなかった「ライフパレット」を、患者のみでなく医療従事者とつなげるという発想、つまり「プラットフォーム」として再構築することができないものか、そんな発想を2015年頃に持っていましたが、それを2016年から構築を開始することを決心します。

「ライフパレット」はこれまでナラティブな情報を登録するサイトとなっていましたが、そのナラティブな中にもバイタルデータや検査データ、食事の写真などが登録されています。つまりはPHRデータの塊であるというとらえ方をし、米国においては大きなサービスに発展をしたPatientsLikeMeを見ながら、PHRデータをベースとして、また病名や薬剤名などのFacebookにおける学校名や会社名に相当するプロフィール情報をベースとして患者同士が探して、つながれるような、新たな患者コミュニティサイトとしました。

さらにそのPHRデータは、これまで開発したアプリ群をつなげることで実現する、そんな構想を描いたのが、このライフパレット・プラットフォームです。PHRデータを蓄積・参照するためのプラットフォームというよりも、PHRデータを蓄積しつつ、患者同士が、そして患者と医療従事者がコミュニケーションすることができるプラットフォームという考え方です。その患者と医療従事者をつなげるサービスは「パレットライン」と名付け、あらたなサービスとしてリリースしました。

電子版お薬手帳システムの構築時などの薬局業務ノウハウからは「薬局向けパレットライン」を、そして食事管理アプリ開発時のノウハウや、体重管理システム構築時のノウハウから「管理栄養士向けパレットライン」を、さらに血糖値管理アプリ開発時などのノウハウからは「医療機関向けパレットライン」を作ってきました。

この構想は私の頭の中にしかありません。よって実際の構築においては、私自身の頭の内容を伝えるには設計書を書いて、それを伝えていく以外にないと決心をし、1500枚を超える設計書を自ら作成し、それを開発メンバーに伝えることで、それをこのプラットフォーム・システム構築の礎にしていきました。

プラットフォームの拡大へ・・・

「患者参加型医療」という社会貢献性の高いミッションを掲げながら、同時に事業性についての両立も図り、サステイナブルなサービスしていくことはとても難しい事と考えています。このプラットフォームもまだ0から1にしたというフェーズです。
今後は、ご利用頂く皆さまのニーズを当社のサービスに、そしてプラットフォームに反映させていくことで、さらにはこのプラットフォームを活用したヘルスケア領域において、これまでのサービス企画や業務コンサルティングノウハウなども総動員してビジネス構築をも含めた、デジタルトランスフォーメーション(DX)の支援までをも行っていければと考えております。これが、1から10へと一歩一歩発展をさせていく道であると考えております。

2020年は、新型コロナウイルスCOVID-19によってニューノーマルな世界が急に現れました。そのような中においては、これまでオフラインに付属する形でオンラインがあり、デジタルとは一つの道具という状況だった世界から、オフラインとオンラインが融合化し、デジタルを使っていることが当たり前の世界、すなわちデジタルトランスフォーメーション(DX)が今後進んでいくと考えています。

私たちの作りだしたプラットフォームが、ヘルスケア×デジタルトランフォーメーション(DX)という世界を、少しでも支えることができればこれに勝る喜びはありません。

2020年1月吉日
代表取締役社長 矢島 弘士

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