「限界」は、時に先入観にすぎません。私たちは、フィジカルデータを武器に、アスリートの真の可能性を引き出す挑戦を続けています。競技人生、つまり「ファーストキャリア」の充実こそが、選手の成長と日本スポーツの発展につながる。その想いを胸に、スポーツコンバイン事業が目指す未来像をお話しします。
アスリートのファーストキャリアを支える
近年、セカンドキャリアやデュアルキャリアという言葉をよく耳にします。しかし、私が最も重視しているのは「ファーストキャリア」、つまり競技人生そのものです。アスリートとしての時間は限られています。だからこそ、この期間をより充実したものにしたい。それが私たちの使命だと考えています。
フィジカルデータが開く新たな扉
フィジカルデータの測定と活用は、アスリートの競技人生に大きな変革をもたらします。私たちのスポーツコンバイン事業では、競技ごとに選定したテスト項目でアスリートの能力を定量化しています。例えばサッカーの場合、30mダッシュ、アジリティテスト、YO-YOテスト、垂直跳び、立ち幅跳びなどを実施します。
これらのデータは、選手自身が現在の能力や立ち位置を客観的に知るための貴重な指標となります。私自身、アメリカンフットボールの現役時代に、こうしたデータがあれば、もっと効果的なトレーニングができたのではないかと感じていました。データに基づいて自分の強みや弱みを把握し、ターゲットを絞ったトレーニングを行うことで、競技力向上への近道が見えてくるのです。
自己理解からはじまる成長
フィジカルデータは単なる数字ではありません。それは選手一人ひとりの可能性を示す羅針盤です。私たちが開発した専用アプリでは、選手が自分自身のデータと向き合い、チームスタッフがチーム全体のパフォーマンスを把握できます。
さらに、過去の自分や仲間たち、ライバルチーム、上位カテゴリーの選手とも比較することが可能です。この比較機能により、選手は具体的な目標を設定し、モチベーションを高めることができます。私が現役時代に感じていた「もっと自分を知りたい」という思いを、テクノロジーの力で実現できるようになったのです。
データを活かした競技力向上の仕組み
パーソナライズされたトレーニング提案
フィジカルデータの蓄積は、個々の選手に最適化されたトレーニング提案を可能にします。私たちのアプリ「nowtis Plus」では、毎週、選手一人ひとりに必要なトレーニングを提供しています。これにより、誰もが日本代表選手などトップアスリートと同様のトレーニングを実施できるようになりました。
私自身、トレーナー時代にアスリートの指導をしていましたが、個々の選手に最適なトレーニングを提案することの難しさを痛感していました。データとテクノロジーの力を借りることで、その課題を解決できると確信しています。
コミュニティによる相互刺激
個人の成長だけでなく、選手同士が高め合える環境づくりも重要です。「nowtis Plus」のタイムライン機能では、他の選手のトレーニング状況を共有することができます。この「繋がり」と「刺激し合い」が、選手たちの成長を加速させると信じています。
私がアメフトで日本一を2回経験した際、チームメイトとの切磋琢磨が大きな力になりました。デジタルの力を借りて、そうした相互刺激の機会を増やすことができれば、日本のスポーツ界全体のレベルアップにつながるはずです。
スポーツ界の未来を創る
データがもたらす新たな可能性
フィジカルデータの活用は、選手個人の成長支援だけでなく、スポーツ界全体に大きな変革をもたらす可能性を秘めています。例えば、育成年代全体でデータを蓄積・分析することで、より効果的な選手育成プログラムの開発につながるかもしれません。
また、将来的には他の競技への展開や、東南アジアなど海外市場への進出も視野に入れています。スポーツの種類や国境を越えて、アスリートの可能性を最大化する。それが私たちの目指す未来像です。
テクノロジーが支えるスポーツの魅力向上
最後に強調したいのは、私たちの取り組みが目指すものは、単なる競技力向上だけではないということです。スポーツには、世の中に熱狂や勇気、感動を届ける力があります。テクノロジーを活用してアスリートの可能性を最大化することで、結果としてスポーツ界全体の底上げにつながり、より多くの人々に感動を届けられると信じています。
私たち株式会社F&Vは、「スポーツで世の中に熱狂を届ける」というビジョンの実現に向けて、日々挑戦を続けています。アスリートの皆さん、そしてスポーツに関わるすべての方々と共に、日本のスポーツ界を変革していきたい。それが私の、そして私たちの願いです。
スポーツの力を信じ、テクノロジーの可能性を信じる。その二つが重なったとき、アスリートたちの無限の可能性が開花すると確信しています。共に、スポーツの新たな未来を創造していきましょう。