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人を育てて業界を変える!教育を重視したSES企業の社長が語る未来とは?

SES株式会社は、様々な技術を持った社員がお客様の元で業務の効率化や生産性の向上に寄与する、SES(システムエンジニアリングサービス)業界の会社です。

実は会社名は「システムエンジニアリング仙台」の略称で「SES株式会社」としています。

本日はSES株式会社代表取締役社長の柿沼さんにお話を伺いました。


自分たちにも業界にも感じている「課題」

-エンジニア業界に対して感じている課題はありますか?

やはり人材不足ですね。
いざ社員を雇おうと思ったときに、なかなか人がいないです。

エンジニアの需要自体は時代と共に高まっていますし、エンジニアになりたいという人も今はたくさんいます。
中学生、高校生のなりたい職業でも上位にランクインしているそうです。

ですがこの業界は職種柄、入り口が閉じられていることが多く、なりたい人がなれないというのが現状です。

また、経験者しか採用しない会社や、新卒を数名採って終わり、という会社はとても多くあります。


-SES株式会社が未経験者の受け口になれると良い、ということですね

出来ない人に寄り添いたいと思っています。

プログラミングをしっかり学んできて、自分の中に知識と技術がある人たちは、出来ない人への理解に乏しいケースがたまにあります。

私自身違う畑からこの業界に来ているので、プログラミングというものに腹落ちするまでに大きな谷があることを知っています。
それをどう乗り越えるかが大事で、これを教える側が重要視できているかがポイントだと思います。

エンジニアに興味を持ち始めたころから、最初の壁を越えられるかどうかをしっかり支えていきたいです。


上場を目指す意味とは

-現在上場を目指しているとのことですが、これについてはどのようにお考えですか?

正直な話、上場することでのニュースバリューはそこまで重要視していません。

ただ、上場を目指すも目指さないも、社内の管理体制を整えなきゃいけない、というところは一緒です。

会社の規則が曖昧でなあなあのままだと、いずれ働いている人にしわ寄せがいってしまうことが想定されます。
社員数を増やして会社を大きくしたいという社内共通の考えがありますから、企業としてのルールであるガバナンスを整備することは必須です。

その他にも必要なことや数字上目指すべきものはありますが、一番重要な「ガバナンスの整備」がいずれにしろ通る道なら、それを踏まえて上場を目指していっても良いと思いました。


-確かにそれは重要ですね

自分が明日いなくなっても成り立つ会社にするためには、そういった社内の規定を構築し整備する事こそが重要であると考えています。

例えば、私を含め今の経営陣は現在およそ40歳前後です。
そして一番若い社員は21歳あたり。

仮に20年後、経営陣が定年近くなって「自分たちが好きなことをやったからもう終わりで良い」と会社を潰してしまっては、その時40歳になって働き盛りの人たちが困る状況になってしまう。それでは無責任すぎます。

自分たちの後にも続く会社でなくては意味がないです。
そのためにもガバナンスの整備は避けては通れない、ということですね。


エンジニアに求められること

-ずばり、SESのスピリットはなんでしょうか?

「教育」です。これははっきりと言い切れます。

先ほどもあった通り、需要があるにも関わらずエンジニア業界は人がいないというのが現状です。
未経験や経験不足な人材に「場」と「技術」を与えていくことで、現場で活躍できるように育成し、輩出していくのが命題です。

自分がやりたいことの為に会社を辞めてフリーになったり、他社に転職するという人も当然出てくると思います。

そんな時に、SES株式会社の中で出来ることを増やせば、やりたいことをやるために「会社を辞める」という選択をしなくても良くなると考えています。

やりたいことがある人が進む道を、社内にもっと作っていきたいです。

それから私は、システムエンジニアリングサービスの本質は、コンサルタント業界と同じ考え方をするべきじゃないかと思っています。


-コンサルタント業界ですか。詳しく伺えますか?

コンサルタント業界は、入社したら各プロジェクトを管理しているマネージャーが欲しい人材をどんどん引っ張っていきますよね。
そして現場に入っている人ほど重宝され評価されますし、社内にいて直近の仕事が無いという人もその間に資格などを取得して自己研鑽を積んでいきます。

単価こそ違いますが、本来エンジニアもそうあるべきです。

個人個人がスキルアップして、スペシャルな技術を身に着けられれば、会社はそれをいかに高く売るかに注力できます。
こうしてエンジニア業界を底上げしたいです。

単純に「手に職をつけたいからエンジニアになる」という人たちの感覚を、さらに上へ引き上げていきたいですね。


-なるほど。SES株式会社に入社してくる人に共通点のようなものはありますか?

うちに集まる人たちは、とにかく真面目な人が多いです。これは良くも悪くも。
何事もごまかさない誠実な人が多いと思います。

ただし、この「真面目の方向性」を間違えないように導く必要はあると感じています。

ただ生真面目に堅い仕事をするだけでは、生産性の低い人になってしまいます。
自分が一人のプロフェッショナルとして生産性を高めるために、ぜひとも柔軟な真面目さを求めて欲しいなと思います。


新規事業へ積極的にチャレンジする体制作り

-新規事業にも取り組んでいると伺いましたが

はい。
月に1回の社内全体の会議で、社員に進捗の報告をしています。
うまくいかないものも多くありますが。

今は経営陣が自分たちの空いたリソースで新規事業の案を出して進めています。

今後もそれは続けながらしっかりと仕組みを作ったうえで、社員数が増えた際には新規事業部を立ち上げ、取締役の手から独立させたいと思っています。


-仕組み作りですか?

そうです。

「嗅覚が鋭い人」というのが世の中にはいますが、自分には正直そのセンスはないと感じています。

1年後何が来るのか見えている人は、一大ブームを作ることができます。
一方自分は5年・10年先の大きな流れまでしか見えません。ざっくりと「これからはテレビの時代じゃないな」くらいのレベルです。

時代に沿った瞬間を掴む才能が、少なくとも自分にはないと思えるからこそ、その代わりの仕組み作りに注力しようとしています。

新規で事業を起こすための仕組みがあれば、個人から出た案を吸い上げやすくなりますし、安定してプロジェクトを進行することが可能になります。

後はいざ才能がある人が入社してきた時に、スムーズに事業を任せられる組織にしておくことです。
予算は組むから好きなことをやってみて、と言える環境があるのと無いのでは大違いですから。


-ここでも「やりたいことをやれる」環境、ということですね。
貴重なお話をありがとうございました

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