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「テニス選手はテニスだけやってなさい」はもう古い?西岡良仁選手が実践するアスリートのパラレルキャリア

【独白】プロテニス選手・西岡良仁がスタートアップへの投資を決めたワケ

GODAI note編集部です。

たまたま「Forbes JAPAN」で目にしたこの記事。
錦織圭選手とともに日本を代表するトップテニスプレーヤー・西岡良仁選手が、スタートアップ企業への投資という新たなチャレンジを始めました。
今回はこの西岡選手の記事から、「アスリートのパラレルキャリア」について(ゆるく)考えてみたいと思います。

人気YouTuberでもある西岡選手

西岡選手は、世界各国のツアーを転戦する多忙な選手活動の傍ら、自身のYouTubeチャンネルで積極的な情報発信を行っています。
そのきっかけを、先の記事では次のようにコメントしています。

僕がテニス以外の活動にも興味を持ち始めたのは、今から3年前。2017年に左膝前十字靭帯を断裂し、ツアー離脱を余儀なくされたことがきっかけです。そのときにテニス選手としてテニスだけするだけでなく、もっと他の事もしていかないといけない、と思いました。

ご多分に漏れず、テニス選手もテニス以外のことをしようとすると、「本業に集中しろ」「テニスだけやっていればいい」と言われるのですが、いざテニスができない状況になると、本当に何者でもなくなってしまうんですよね。将来を考えたとき、テニス以外のこともできた方がいいと思い、怪我をきっかけに投資の勉強や、ユーチューブの勉強を始めたんです。

3年前の大ケガから見事復活して、今や世界のトップ50入りを果たしている西岡選手ですが、そのケガの体験が、選手以外の活動に関心を持つ転機となったようですね。
(ちなみに、西岡選手はYouTubeの撮影でスポル品川大井町のコートをよくご利用いただいています。いつもありがとうございます!)

トップアスリートの「パラレルキャリア=複業」は増えている

実はここ数年、トップアスリートが複数の職業を持つ「パラレルキャリア」の動きが徐々に生まれてきていると感じます。
Forbes JAPANの記事にもあるように、サッカーの本田圭佑選手や長友佑都選手の例は有名ですね。

プロバスケットボールリーグ「Bリーグ」プレーヤーの岡田優介さんは、公認会計士や3×3チームのオーナーなど、さまざまな“名刺“を持っていることで知られています。
公認会計士、バー経営、チームオーナー…12の顔を持つプロバスケットボール選手が複業をする理由

アスリートではなく芸人の事例ですが(笑)、人気お笑いコンビ「東京ダイナマイト」のハチミツ二郎さんがIT企業の会社員になったというニュースも話題になりました。
「芸人一本の時代は終わった」会社員になったハチミツ二郎が見る未来

ひと昔前は節税対策で飲食店を経営する、といった例はありましたが、本業のほかにさまざまなキャリアにチャレンジする例が、少しずつ出てきています。

アスリートのパラレルキャリアの持つ意味

あらためて、このようなアスリートがパラレルキャリアを持つことの意味について考えてみたいと思います。
動機は人それぞれだと思いますが、大きな共通項としては次のいずれかに該当しそうです。

➀将来のセカンドキャリアへの備え(ビジネス経験など)
②本業との相乗効果
➂本業が不調になったときのリスクヘッジ
➃自己実現(本当に好きなこと、本業のほかに興味のあることをしたい)

西岡選手の場合、インタビューでの発言から、➀と、とりわけケガを経験したことから➂の動機が強いと思われます。
芸人のハチミツ二郎さんの場合は②の動機もありそうです(芸のネタに使えるなど)。

アスリートは試合。芸人は舞台。自分を表現できる場を強制的に奪われてしまいました。これからのアフター・コロナでは➂の側面もより注目されていくでしょう。

そして、最近はテレビで活躍するタレントが続々とYouTubeに進出していますが、これには➃の自己実現の側面が強いでしょう。
YouTubeというプラットフォームが、制約を受けずに自己表現できるプラットフォームということに気づいた、テレビでできない表現方法の実験場として使い始めた、とみることができます。

アスリートの“複業“はポジティブになっていく

「本業に集中しろ」「テニスだけやっていればいい」と言われた……と西岡選手も語っていますが、「アスリートのパラレルキャリア」に関しては、まだまだ世間はネガティブな見方が多いようです。

でも、これを書きながらずっと考えているのですが、「やってはいけない理由」というものが見つからないのです。

逆に、「やったほうがいい理由」はこれだけ出てきます。

スタートアップへの投資家になることで……
・ビジネスやお金の動きを知ることができる
・テニス界・スポーツ界とは違う業界のことを知ることができる
・「応援する側」の立場を理解することができる
・自己マネジメント能力が向上する
・テニス界・スポーツ界以外のつながりができる
・(つながりができることで)自分自身に対する支援が広がる
・(つながりができることで)日本テニスのPRにつながる
・気持ちを切り替えることができ、アスリートの活動にも好影響を与える

現に、Forbes JAPANのようなメディアを通じて、西岡選手のことをはじめて知ったという方も多いでしょう。プロモーション戦略上も大きなメリットがあります。
そしてもちろん、先に挙げたように、もし本来の仕事でうまくいかなくなったときのリスク回避ができるし、将来のセカンドキャリアへの備えにもなるのは間違いないでしょう。

ビジネスの世界では、副業(複業)もだんだんと市民権を得つつありますし、今後は在宅ワークが定着することで、「週40時間の遣い方」がますます多様化する予感がしますね。

西岡選手のようなトップアスリートが、今回のようなチャレンジをすることで、アスリートにとっても「パラレルキャリア」がポジティブなこととして認識されるのは、そう遠くないことかもしれません。

西岡選手、応援してます!

※「GODAI note編集部」からの転載 https://note.com/godaigroup

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