持続可能なまちづくりのために、スポーツコミッションが必要だ。
Q、自己紹介をお願いします。
<西竹さん>
今の部署には2年前に配属され、現在3年目。その前は教育委員会にいました。役場のいろいろな課を回っている方で、行っていない課の方が少ないくらいです。「全体を知っている」とまでは言わないですが、だいたい回っています。
<隈本さん>
平成元年生まれの33歳。大崎町出身です。高校から県外に出て、大学は関東に行きました。その後、大崎町に帰って役場に入り、現在12年目です。スポーツは大学までずっと剣道をしてきました。
Q、スポーツコミッションとはどんな役割ですか?
<隈本さん>
立ち上げの経緯から少しお伝えさせてください。
私は今この課に来て5年目で、これまでずっとスポーツ合宿の担当をしてきました。2019年に日本初の陸上競技特化型トレーニング施設『ジャパンアスリートトレーニングセンター大隅(JATCO)』が出来てから、年間延べ泊約1500泊だったのが約4500泊まで増えたんです。
たくさんの方に来ていただくことはありがたいのですが、急激に増えたことで利用される方からの要望も増え、我々も制度の改善をしていくなかで、もっと充実した合宿をしてもらいつつ、地域にお金を落とす方法を考える必要がありました。しかも、どうしても行政職員には定期異動があって、そのタイミングで培ったノウハウの全てがリセットされるのももったいないと思っていました。
その中で、スポーツ合宿の受け入れや、スポーツをきっかけとした地域活性を継続してできるようにするためにコミッションを立ち上げて、組織でやっていく方が良いのではないかということで、去年1年間で設立まで準備してこの2022年3月、スポーツコミッションが設立されました。
魅力は、自然・食材・人。
Q、大崎町の魅力とは?
<西竹さん>
豊富な自然ですね。海、山。自然がいっぱいあることです。
食材も豊富です。肉が大好きですが、鶏が好きですね。焼き鳥が特に大好きです。
<隈本さん>
大崎町は、知っている人は少ないかもしれませんが食料自給率 400%の町です。食材がすごく豊富で、どれも美味しい。だからこんな体になってしまっているのですが(笑)。
何が好きかと聞かれると困るくらいあるのですが、私も鶏が好きですね。毎月14日は「ひよこの日」、28日が「にわとりの日」になるお店が町内にあり、その日は通常1本200ちょっとのスモークチキンが10本まで100円になるんです。最高です。
焼き鳥屋は今2店舗あって、中心部の町中に1店舗あって、もう一つは最近オープンしたお店も1本100円で美味しいんです。
鶏以外にも、例えば養殖の 国産ウナギ。あまり知られていませんが、ウナギの生産量日本一は鹿児島県なんです。その日本一のウナギを、養殖から加工までこだわりをもって大崎町で生産しています。
<西竹さん>
生産量県内一の完熟マンゴーも夏に食べますけど、あまり買ってまで食べる人は少ないのではないかと思います。当たり前にあるような感じで、冬はないですけど基本いつでも買えるので地元の方はわざわざ「買いに行って食べよう」とはならないようですね。
<隈本さん>
果物ですと、パッションフルーツもありますね。大崎町では焼酎にパッションフルーツを入れて飲む「パッション割り」という飲み方があるんです。焼酎にパッションフルーツを絞るか、パッションのなかに焼酎を入れて崩して食べるかなんですけど。パッションフルーツは生産量日本一ですから。無類のパッションフルーツ好きの方からすると最高だと思います。
Q、大崎町の人たちはどんな人たちですか?
<西竹さん>
大崎町の人は色んな意味で、熱しやすく冷めやすいところがあると感じています。やり始めると一生懸命やるのですが、なかなか新しいものをスタートしようという気がないようです。冷めやすいというか、熱しづらいというか(笑)。現状に満足している人が多いのかもしれませんし、新しい刺激に触れる機会が少ないのかもしれません。
<隈本さん>
心さえ掴めれば町民の方々はみんな協力してくれます。心を掴むまでの関係性づくりが大切になると思います。
ある種「起業。町の未来をつくりたい夢ある挑戦者、求む。
Q、どんな人が合うと思いますか?
<隈本さん>
折れない心と立ち向かう勇気を持っている方。昨年からのスポーツコミッション立ち上げにあたって委員の皆様からもさまざまなご意見をいただきました。全てがスムーズにいくかというとそうではなかったです。むしろスムーズにいかないことの方が大半です。。新しいことに対して慎重な気質の町だと思います。高齢化率40%を超える町なので、新しいことを、そういう方たちに1回で理解してもらうのは簡単ではありません。根気強く、発信し続けることが大事になってくると思います。新しい取り組みに参加してもらうまでに時間がかかると思うので、そういう意味で折れない心と立ち向かう勇気が必要かなと。
<西竹さん>
気さくな人ですよね。あまり深く考えない人の方が良いですよね。特に最初の3年くらいは心折れそうなことがあっても、気にせずチャレンジし続けることができる人が良いと思います。。町の人たちに、ご自身の人となりを理解してもらう必要がやっぱりありますね。
Q、これからスポーツコミッションの運営メンバーとなる方への希望は?
<隈本さん>
2022年3月に、コミッションが立ち上がって、どういうことをやるか柱だけが決まっている状態です。来てくれた方が大崎町のために、コミッションのビジョンに向かって動くというのもあるんですが、本当に自分たち次第でいろいろと変えられるということに楽しみを持ってくれたら良いなと思います。給与などもこれから決めていくので、コミッションとしての母体はありますが、その母体に何を乗せるかは自分たちで考えていくということなのです。合宿誘致だけでなく、経営の面でも愉しさを感じてもらえたら嬉しいです。ある意味、大崎町で起業するような感覚で、挑戦してくれると良いですね。
<西竹さん>
まさに0からなので、夢を持って来てもらえたらと思います。自分の発想次第でいくらでも広げられる、挑戦出来る環境があります。元々、スポーツコミッションを立ち上げることが目的でもゴールでもありません。自走してくれる組織を、大崎町につくることが理想であり、目指したい状態です。
<隈本さん>
100年いてもらわないといけないですけどね(笑)。
<西竹さん>
わたしたちが異動しても、何か耐えられないことがあったら懇親会や飲み会は全然行きますよ。月1くらいしかお付き合いできませんが。
短い期間での話でなく、長い時間をかけて、町のため、自分のために動ける人が良いのかなと思います。