1
/
5

「においの世界へようこそ!」 ⑭行きつく先は消臭?

日本人はとてもにおいに敏感。

家庭用品店やスーパーに行くと、数え切れないほどの消臭剤が!

海外、特にヨーロッパやアメリカでは、消臭剤を見ないですよね、香水やディフューザー、キャンドル、エッセンシャルオイルが日常的に使われ、空間の消臭というよりも香りによって空間を心地よく演出するというアプローチ。

この日本の消臭剤の多様性は、日本特有の文化や生活環境、そして消費者のニーズに深く関連していそう。

ちょっと探ってみましょう!


 ーーー

清潔さと香りへのこだわり

日本では、清潔さが非常に重視される文化が根付いています。日常生活において、家や身の回りを常に清潔に保つことが美徳とされる。つまり、日本人はある意味、潔癖性なので、「においがある=不衛生」 という感覚なんですね。公共の場や家庭で「不快な臭い」を避けることはこの理由とは少し異なるかもしれませんが、たとえば日本食などは素材が持つ繊細な香りを重視する傾向も強く、香水などはNG。外国の料理やワインは香りもしっかりしていて、そんな食空間の中では幸水も気にならないという背景もありそうです。


人口密度と狭い生活空間

日本の都市部では、人口密度が高く、住宅が密集しているため、生活空間も比較的狭いことが一般的です。これにより、臭いがこもりやすい環境が生まれ、特に家庭内での臭い対策が重視されるようになっています。部屋の中やマンションの狭い玄関など、限られた空間でも臭いが気にならないよう、各種の消臭剤が利用されるのでしょう。特にトイレや台所、ペットのいる家庭など、特定の場所に特化した消臭剤が多く存在するのはその理由からだと思います。

 

 ーーー

ちなみに、昨今では、香害なんて言葉もあります。

香害(こうがい)という言葉は、近年日本で広がった社会現象を指し、香りや匂いによって引き起こされる不快感や健康被害を意味します。香水、柔軟剤、消臭剤、シャンプー、ボディソープといった日常的に使用される製品の香りが、周囲に悪影響を与えることが「香害」と呼ばれるようになりました。日本では特にこの問題が注目されており、「香害」という言葉は2010年代後半に広く使われるようになりました。

そもそも「香害」という概念は、化学物質過敏症(MCS)やシックハウス症候群など、化学物質による健康被害への関心が高まる中で登場しました。これらの健康問題は、建築資材や生活用品に含まれる化学物質が原因で引き起こされることが多く、香り付き製品もその一因とされました。

特に日本では、日常生活における「におい」の重要性が強調される文化が根付いています。おしろいのような伝統的な香りから現代の香水、柔軟剤まで、日本人は歴史的に香りに敏感で、清潔さやマナーの一環として香りが使われてきました。しかし、近年の製品に含まれる人工香料の強さや持続時間の長さが増加し、これが逆に人々に不快感や健康被害をもたらすケースが出てきたのです。


2017年には日本消費者連盟で「香害110番」という電話相談窓口もできました。

うむ。事態は結構深刻!?

 

ーーーーーーーーーーーーー 

こんな感じで特に日本の生活空間では強いにおいがNGとされていますが、

ほんとに無臭の空間が快適なのかしら?




答えは、どうも

No!

らしい・・・

 

東京大学 応用生命化学専攻 生物化学研究室 教授の東原和成先生が
エッセイの中でこうおっしゃっています。

 ーーーーーーーー

実は私たちは、普段悪臭以外はにおいを意識しませんが、気にしていない無意識の状態でも、においの信号は鼻から脳に入っています。植物や動物が生きているこの空間にはたくさんのにおいが充満していて、私たち人間もたくさんのにおいを発しています。

根本の人間臭はみんな同じなので順応していて感じませんが、他の動物からすると人間は雑食なのでかなり臭い動物だと思います。

実は同じ生物種のにおいがあると安心感を感じるという実験結果があります。音と電気ショックを連合学習させたマウスは音を聞くと恐怖でビクビクしますが、友達のマウスのにおいを嗅がせると安心します。人間も何気に人間臭によって安心していて、例えば、みなさんも手を鼻の下にもっていくときがありますが、往々にして誰かと話していて緊張しているときに、その緊張を和らげるために自分のにおいを何気に嗅いでいるといわれています。確かに悪臭はストレスですが、実は無意識のうちに嗅覚によって多大な恩恵をうけているのです。ロボット、サイバー空間の時代になりましたが、においがなくなると人間らしさを失うのではないでしょうか。

ちなみに、多くの消臭剤は匂い分子を消しません。シュッシュッとして空間にある匂いを吸着させて地面に落とす、衣服についた匂いが飛んでこないように衣服に留める、というのが大方の原理です。その場しのぎでしかありません。もちろん、においを消したい仕事場もありますが、今後は、消臭消臭だけではなくて、においをポジティブに有効につかうビジネスも企業に考えてもらいたいものです。


ーーーー

なるほど・・・

レボーンの目指す快適な空間づくりへのにおいの技術の活用のヒントもここにありそうです。

 

たとえば家庭で、たとえば医療施設や介護施設等で、排除したいにおいと安心につながる必要なにおい。そんなにおいが混じって存在しているのが生活臭です。

ごみのにおいや、カビのにおい。靴の中から漂うにおいや、洋服の汗のにおい。もちろん、これらは排除したいにおい。一方、いつも部屋に置いてある植物のにおいや、好きな果物のにおい。懐かしいお土産の置物のにおいやうちの家族独特のにおい。そんなにおいはそこにいることの安心感につながる必要なにおいなのかもしれません。


強い香りで強制的に打ち消すのではなく、必要なにおいを残し、不快なにおいを調和させる・・・
AIで空気中の快適/不快なにおいを瞬時に解析、においを調和させ、快適な環境を提供する。 

それが、私たちの目指すストレスフリーな環境で快適に暮らせる世界なのかも。。。

ーーーーーーーーーーーーー

こんな新しいにおいのサービスを提供しているレボーンに少し興味がわいたあなた。。。
ぜひこちらも!
REVORN 公式サイト https://www.revorn.co.jp/


参考文献: 
香りを感知する嗅覚のメカニズム (生物資源研究シリーズ) 東原和成 (八十一出版)
化学受容の科学: 匂い・味・フェロモン 分子から行動まで   東原和成 編(化学同人)
へるすあっぷ21 №430 (法研

株式会社レボーン's job postings
1 Likes
1 Likes

AI

Weekly ranking

Show other rankings
Invitation from 株式会社レボーン
If this story triggered your interest, have a chat with the team?