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データサイエンティストに聞く、OpenStreetの仕事の面白さやその可能性とは。

OpenStreetでデータサイエンティストとして活躍している山田さん・久冨さんのおふたりに、仕事の面白味などをインタビューしてみました

OpenStreetに入社を決めたのは、データの話で盛り上がったから。

黒杉 データサイエンティストとしてOpenStreetを支えてくださっているおふたりですが、学生時代はどんな勉強をされてきましたか?

久冨 私の場合、大学では数学を専攻しており主に代数やグラフ理論をテーマにしていました。実社会には直接結びつかないテーマも多い学問ですが、掘り下げていくなかで、のめり込むような面白さがありましたね。

山田 私は大学院で、次世代半導体の研究をしていました。具体的には鮭のDNAで薄膜を作りそれを発光させるという、今でいう“有機 EL” の組成に近しいもので、いまのデータサイエンティストの仕事とは全く畑違いではありました笑。

黒杉 鮭から発光物質ですか!全く異分野だったのですね!そんな勉強をされてきたおふたりが、OpenStreetに入社するまでにどのような経験をされてきましたか?

山田 私の場合もともと航空関係に興味があり、新卒では ANA ベースメンテナンステクニクスという技術系企業に入社。航空シミュレーターのメンテナンスを担っていました。このシミュレーターですが1台数百億円という高額な機器で、使用期限や退役のタイミングなどを判断する材料が必要となります。これをデータ分析という手法で導き出したのが、データサイエンティストらしい初めての仕事でした。

黒杉 これがデータサイエンティストを目指したきっかけなのですね。

山田 はい。その頃データサイエンス分野はますます発展すると直感していまして、この想いを果たそうと企業データの最大手である帝国データバンクに転職を果たしました。
ここでは経済産業省主導のダッシュボード作成用のデータ収集という仕事を担当。この時にデータの可視化を担当する先輩のサポートでGPSデータに触れる機会を得ました。このことがきっかけで“現実社会と繋がっているリアルなサービス”に興味が膨らみ、その夢が果たせそうなOpenStreetにJoinすることにしたんですよ。

黒杉 リアルタイムなデータを解析する面白味に目覚めたんですね!では久冨さんはどんな経緯で当社にJoinされたのですか?

久冨 私の場合大学での研究以外に、地方議員の事務所で3年ほど “都市計画”や“都市交通”、そして“観光”というテーマでさまざまな調査を担っていました。このなかで注力したテーマの1つがダイヤ通りにバスが運行されているかを評価する“定時性”の調査です。これは今のシェアサイクルでのデータ分析にもつながっていますね。
そしてこの経験からデータという視点で都市空間を俯瞰したいと思うようになり、地図業界最大手のゼンリンに新卒入社しました。ここではまさに都市課題に対するデータの活用方法を考え、データ分析やこのデータを活用した事業企画までを担っていました。
とても面白く申し分なかったですね。一方で地図情報だけでは読み解けない都市の変化も多くあり、“もっと流動性の高くリアルタイム性の高い空間情報を扱いたい”“それを都市政策に還元したい”との思いが強くなり、この想いが実現できそうなOpenStreetにJoinすることにしました。

黒杉 おふたりにとって、入社前にOpenStreetはどのように映っていましたか?

久冨 私の場合、街なかを普通にシェアサイクルが走っているのを見かけていましたし、MaaSをやっている企業のなかのひとつという認識は以前からありました。

山田 そうですね。僕も久冨さんと同じで、リアルでシェアサイクルを見ていて、これから伸びそうだと感じていました。それと同時に、面白そうなデータ分析ができそうな会社だなあと注目していました。

黒杉 面接を経て最終的にOpenStreetに入社を決意した決め手は何でしたか?

久冨 きっかけは、いまの上司でもある工藤さんで、面接していたはずが技術的な話でものすごく白熱してしまい(笑)……リアルにデータを触りながら働けると思えたことがきっかけです。ここだったら間違いないなと。

山田 僕も久冨さんと同じで、きっかけは工藤さんですね。はじめてお会いして話が盛り上がりすぎてしまい、面接という感じではなくなってしまいました。お互いのデータに関する知識を深いところまで話し合えたことが良かったです。


分析結果が意志判断に活用される喜び

黒杉 データサイエンティストとしての仕事の面白味はどんなものですか?

山田 データ分析は本当に面白いのですが、そのなかで特にやりがいに感じるのは、データが自治体や事業提携している企業などの意思決定に活用されたり、頑張って分析したことで良い結果が出た時に「凄いことをしているなあ。」と思える瞬間ですね。
シェアサイクルのステーションを街のどこに配置したら最良か、というデータの使い方だけではなく、自治体によってはもっと他のことにも活用したいというニーズが透けて見えることがあります。例えば私たちの提案以前から、お客様のなかで計画しているテーマがあり、でもなかなかカタチに出来ていなくて。そこを私たちのデータを使って計画を補強するなど、サポートできることもやりがいのひとつなんです。
例えばGPS の軌跡データを自治体の方にお見せした時に、「人ってこういう風に自転車を使うんだ」と感動されたり。自治体の方とディスカッションしながらシェアサイクルを広めていく仕事は、データ分析の醍醐味ではないでしょうか。

久冨 私も山田さんと同じく、シェアサイクルのために創り上げたデータが、自治体の意思決定などに反映されることに面白味を感じています。例えばデータをベースに新たなモビリティを生み出すことで、これまで行けなかった場所にアクセスできるようになるとか。
一方で急拡大中のシェアサイクルですが、道路にまだ自転車専用レーンが普及していない等のハード面の課題も……こういうことにも導き出されたデータを活用し問題提起につなげて、現実社会に貢献していけるのではないかと思っています。
集まってきたデータをどう使いこんでいくか……その活用先がリアルな街で、だれが見ても分かりやすい形で使われていればいいなと思います。これが自分のなかでは一番のやりがいになっています。

黒杉 これは大変だったという経験はありますか。

山田 ありますよ、それこそ山ほど(笑)。例えばデータにもさまざまな傾向のモノがありまして、それらをきちんと理解して使わないと間違った結果を導き出してしまうことも。だから入社直後はこのデータが正しいのか、その理解を深めることからスタートしましたが。ここがとても大変でした。

久冨 データを可視化するというのはアウトプットだけを見ればとてもシンプルですが、そこに行き付くまでの準備で時間を取られたりするので、うまく解釈して作り上げていくところが大変なんです。データサイエンティストって花形っぽいですが、目に見えない地味な仕事が多いんですよ、案外。

黒杉 これまで仕掛けてきた案件で、印象深いものはありますか?

山田 私が経験したなかですと、交通不便地域でのエピソードでしょうか。都会に住んでいるとなかなか実感できませんが、鉄道やバスに恵まれておらず、駅に行くだけでも徒歩で50分以上かかるようなエリアが実際に存在するんですよ。そういう場所に対して「シェアサイクルでラストワンマイルを埋めませんか」といった提案は共感性を呼びやすく、課題に感じている自治体にも提案が通りやすく、お話がうまくまとまります。またインフラが完成することで、その先にいるエンドユーザーの人たちの笑顔まで見えてきます。何か人助けをしている名奉行のような気分にもなれるんです。


利用しているデータ分析ツール

黒杉 データ分析にはどんなツールを使っていますか?

山田 まずは基本的なツールとしては、アマゾンウェブサービス(AWS) を使っています。それ以外ですとGoogle のBigQueryをデータ分析に用いています。クラウド環境がメインなので、場所を選ばず仕事ができるのはありがたいですよね。
またシェアサイクルも、ユーザー数が増加し利用回数も増えていくと、どんどん扱うデータも拡大します。今後これらの増加したデータを扱ううえで今のやり方を見直すなど、技術的なところもリプレイスしていく予定です。例えば GPS データだけでも取得するだけでかなり時間を要しますので、ツールを含めさまざまなトライをしています。

久冨 私の私の場合はTableauをシェアサイクルの利用実績データの分析やビジネスダッシュボード作りに用いています。Tableauは世界中で使われているBIツールの1つで分析やビジュアライズ機能が充実し、ドキュメントも豊富なので重宝しています。
また自分の場合は GIS 領域での経験も活かし、QGISやPostGISなどのGISツールを使用した移動経路分析やステーション候補地の絞り込みなどの地理的な分析も行っています。それらの分析結果をもとに自治体担当者の方とコミュニケーションを取ることが、今一番面白いです。自治体の人から「こんなこともできるんだ」と喜んでいただくことがモチベーションにつながっています。

まちづくりのデータコンサルティング、経営判断~開発~営業を支えるサポーター、強いチーム作り・・・私達の夢と野望

黒杉 おふたりにとっての将来の夢や野望について、本音が聞けたら嬉しいです!

久冨 野望ですか(笑)。個人的なキャリアという点では、元来 GIS 領域での活躍を目指しており、まずは地理的な分析で出来ることをどんどん増やしていきたいと考えています。またこのスキルをまちづくりにどうフィードバックしていくかというのもテーマです。現在、さいたま市スマートシティ推進事業(*1)を自治体の方と連携しながら取り組んでおり、ここでもまちづくりの現場目線に近いデータコンサルティング活動をしていきたいと思っています。

山田 夢という意味では、データチームをもっと大きく強靭な組織に創り上げていくことですね。またまちづくりでも、私たちが導き出したデータを中心に、開発が行われるようになればと。いまは営業を支える役割であったり、経営判断を支えるサポーターだったりしますが、今後は自らの発信で、世の中を良くしていきたいと思います。

黒杉 夢や野望について、お話しいただきありがとうございました。最後に、この対談を見ている転職潜在層の方に向けて、メッセージはありますか?

山田 そうですね。さまざまなデータを駆使して、それをまちづくりなど現実の世界に活用できる仕事って、データサイエンティストの範疇を越えていると常日頃感じています。
単一の分野で膨大なデータを大量に処理するというようなスタイルではないですし、さまざまなデータをフレキシブルに活用できるというところという点が他にはないもので、本当にデータサイエンスしているなと心底感じています。なので、この対談をご覧になられた方は本当にチャンスだと思いますよ。僕らと一緒に未来を創り上げませんか。

久冨 美味しいところを山田さんに持っていかれちゃいましたが(笑)都市のデータを分析するうえで、そのソースが何かと考えたとき、当社の場合はデータを自社サービスから直接収集できている点が特徴的だと思っています。他社だとデータソースを作るというところを含めて関われることはなかなかありません。アプリのデータでもOpenStreetの場合、実際の現場を見たうえで創り上げているので、そういった意味では濃くて興味深いデータに触れられる場所だと思っています。
こういうリアルなデータに興味がある人には是非オススメしたいですね。また、いま存在しないデータに関して、それを生み出す瞬間を目撃できるのも、この仕事のアドバンテージです。

*1 国土交通省のスマートシティモデルプロジェクトに選定されました
(さいたま市)https://www.city.saitama.jp/006/014/008/003/009/005/p074875.html

インタビュイープロフィール
■山田慧史(やまだ けいじ)
2020年2月1日入社
財務経営統括 データサイエンス課 データサイエンティスト

■久冨宏大(ひさどみ こうた)
2020年4月1日入社
財務経営統括 データサイエンス課 データサイエンティスト

インタビュアープロフィール
■黒杉有美子(くろすぎ ゆみこ)
2020年1月1日入社
財務経営統括 総務人事課

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