【社員インタビュー】500万人の足を支える新たな交通インフラ。リードエンジニア川上さんが挑む、システム運用の醍醐味とは?
みなさん、こんにちは。人事担当の橋谷です。
今回は、システム運用部でインフラリードを務める、川上さんにお話を伺いました。
大学卒業後、SESでの現場経験を積み、「一人インフラエンジニア」としての苦労も乗り越えてきた川上さん。面接当日、自作のプレゼン資料20枚を持参して入社への熱意を語ってくれたエピソードは、自分が信じた道に対して一切の妥協をしない、川上さんらしい情熱が伝わってきます。
「500万人以上の足を支えるシステムの裏側で、何が起きているのか?」
「デジタルと物理が融合するIoTサービスならではの、運用の難しさと醍醐味とは?」
属人化された『秘伝のタレ』を解体し、IaCやSRE的アプローチで「新たな交通インフラ」を再定義していく、現場の緊張感と熱量が伝わるお話が盛りだくさんです。
大規模インフラの改善や、社会貢献度の高いエンジニアリングに興味がある方は必見です!ぜひ最後までお読みください。
―川上さんはこれまでどのようなキャリアを歩み、現在はシステム運用部において、具体的にどのような役割を担っていますか?
大学卒業後、社員30人ほどの小さなSES企業に新卒入社し、3ヶ月間のJava研修を受けました。その後、リソース不足の背景もあり大手広告代理店のインフラチームに出向することになったのですが、そこで一緒に働いていた、いわゆる「師匠」と思える先輩に4年ほど師事しました。その後、別々の会社に転職したのですが、私はしばらく客先の開発チームに所属する「一人インフラエンジニア」としてキャリアを積んでいました。
SESとして7年半ほど経験を積む中で、契約の範囲内でしかプロジェクトやサービスに関われないもどかしさを感じるようになり、「自社プロダクトを持つ会社で腰を据えて働きたい」と考えるようになりました。
前職はtoB向けサービスでしたが、よりエンドユーザーに近い環境で、かつ自分自身が共感できるビジネスを展開している会社を探していた際、OpenStreetに出会いました。入社したい一心で、これまでの経歴や想いを記した20枚程度のプレゼン資料を自作して面接に臨んだことを今でも覚えています。
現在は、主に「HELLO CYCLING」や「HELLO MOBILITY」のサービス運用体制の整備、セキュアで安定した稼働のためのインフラ改善や負債の返済、そしてIPOに向けた内部統制の構築(標準化・構造化)などをメインに担っています。
―数多あるIT企業の中で、あえてOpenStreetを選んだ、最大の決め手は何でしたか?
過疎地に住む親の様子を見ていて、超少子高齢化社会によるバスや鉄道の廃線、さらにそれを補完するコミュニティバスですら減便していく現実に直面し、交通インフラの課題の大きさを痛感していました。
コンパクトシティ構想やMaaSについて調べる中で、ラストワンマイルの移動を支える補助交通として「HELLO CYCLING」や「HELLO MOBILITY」の存在を知り、強く興味を持ちました。 OpenStreetがマイクロモビリティ市場で国内最大級のシェアを誇り、プラットフォーマーとして各地域の事業者や自治体と深い協業関係を築いている点に、ビジネスモデルとしての圧倒的な優位性と将来性を感じたことが応募の決め手です。
―実際に中に入って「HELLO CYCLING」のシステム基盤には、システム運用エンジニアとしてどのような「解きごたえ」があると感じますか?
「HELLO CYCLING」は会員数が500万人を超え、1日の利用回数も数万回にのぼります。もはや単なるシェアサイクルサービスではなく、一つの「社会インフラ」としての性質を帯びています。 大規模なトラフィックを扱っているため、わずか一箇所のコード変更やインフラ設定の変更が負荷の急上昇を招いたり、じわじわと進行する性能劣化に直面したりすることもあります。
ある日突然サービスが麻痺するリスクを未然に防ぐため、性能劣化や重要機能のエラー率を監視し、継続的なセキュリティ対策を講じる。こうした日常的なアクションの一つひとつが、巨大なサービスの信頼性を支えているという実感は、エンジニアとして大きなやりがいにつながっています。
―「自転車が街中で動く」という物理的なサービスだからこそ、一般的なWeb運用とは異なる特有の緊張感ややりがいを教えてください。
最大の特徴は、自転車の鍵(スマートロック)というIoTデバイスが、駐輪ポートのビーコンと通信して返却可否を判定するという仕組みにあります。
私自身も日常的に利用しているので痛感するのですが、通勤や通学、買い物などで利用する際、予約ができなかったり、開錠・施錠や返却がスムーズにいかなかったりすると、非常に強いフラストレーションを感じます。 「HELLO CYCLING」は他の自転車があれば借り直しもできますが、代替手段がない場合は返金対応などの手間も発生してしまいます。そうなると交通インフラとしては致命的ですし、サービスへの不信感にも繋がります。
「使いたい時に、いつでも確実に使える」という当たり前品質を担保することは、想像以上に難易度が高く、同時にエンジニアとしての腕の見せ所でもあります。
―インフラリードとして推進中のIaC化やSRE的アプローチは、チームの生産性やサービスの信頼性をどう変えていくのでしょうか?
これまでは特定のエンジニアの経験値に依存していた設定や構築作業を、すべて「コード(IaC)」として定義し、共有可能な資産へと変換しています。これにより、手作業によるヒューマンエラーを排除し、新規環境の構築や既存環境の修正スピード、そして品質を劇的に向上させています。「秘伝のタレ」化した属人的な運用を解体し、スケーラブルなインフラへと再定義する、非常にエキサイティングなフェーズにあります。
また、レスポンスタイムや成功率といったユーザー体験ベースのSLI/SLOを定義することで、ビジネスの成長と安定稼働のバランスをデータドリブンにコントロールできる体制を目指しています。
加えて、事後分析(ポストモーテム)を通じ、問題の根本原因を特定して「同じ失敗を二度と起こさない仕組み」をエンジニアリングで解決する文化を創り上げています。当社ではインシデントが発生すると、全社員が閲覧可能なレポートが作成されます。これを適切に管理することで、トラブル対応の知見を属人化させず、会社の「知財(アセット)」へと昇華させていけると考えています。
―運用からスタートし、将来的にリードエンジニアやSREへとステップアップしていくために、どのような「打席(挑戦)」が用意されていますか?また、数年後どんな「強いエンジニア」になれるキャリアが想定されるでしょうか?
スタートアップ期に構築されたインフラを標準化・自動化していく過程で、大規模トラフィックに耐えうる「負債のないインフラ」を再定義する力が身につきます。 また、インフラを「コード」で管理し、CI/CDパイプラインを構築することで、インフラをソフトウェアとして扱うスキルが得られます。これは将来的にプラットフォーム全体のアーキテクチャを設計する上で不可欠な経験になります。
さらに、IPOを見据えた外部監査対応やガバナンス設計、大規模環境ならではのコスト最適化(FinOps)を主導することで、「技術によってビジネスの利益率を直接改善する」という経営的な視点も養えるはずです。
―リードエンジニアから直接サポートを受けられる体制とのことですが、具体的にどのようなコミュニケーションでメンバーの成長を後押ししていますか?
当社は週1日出社のリモート勤務がメインですが、デイリーミーティングなどの場は単なる進捗報告ではなく、気軽に「壁打ち」ができる雰囲気作りを意識しています。会議中はもちろん、終了後も「ちょっといいですか?」とラフに会話が始まる文化が根付いています。
リードエンジニアも些細な疑問や違和感をスルーせず、その場で議論・解決するスピード感を大切にしており、新規技術の導入時には勉強会も開催しています。年次に関わらず、メンバー同士で「この自動化はどう実現したのか」「このアラートの傾向は何か」といった情報をフラットに交換し、チーム全体のナレッジにしています。
―週1出社やスーパーフレックスという環境で、技術的な研鑽とプライベートの時間をどのように両立されていますか?
私の場合、朝が一番集中できるので、始業前の1時間ほどを技術・セキュリティ情報のキャッチアップや学習に充て、その後9時〜18時を基本の勤務時間としています。 スーパーフレックスにより、中抜けが許容されている点も非常に助かっています。チーム内で調整さえすれば、夕食の準備や買い出しのために一度業務を離れ、食後に少し戻って仕事を完結させるといった柔軟な働き方が可能です。
最近では、プライベートな時間での学習のアウトプットとして、冷蔵庫の食材から、今日の献立を提案するスマホアプリ「kiro」を用いて作ったりしていました。
―インフラチームを今後どのような組織にしたいですか?また、応募を迷っている方へメッセージをお願いします!
大規模トラフィックに耐えうる「負債のない洗練されたインフラ」を構築し、それを絶えずメンテナンス・改善し続けられる組織を目指しています。 私たちは単にサーバーを維持する担当ではなく、500万人の日常を支える「交通インフラ」を背負っているという強い当事者意識を持つ集団でありたいと考えています。
カオスを仕組みで解決し、構造化していくプロセスを楽しめる方、「当たり前の品質」を技術で支えることに情熱を持てる方と一緒に働けるのを楽しみにしています!
【編集後記】インタビューを終えて
500万人の日常を支える大規模な交通インフラを支えるストイックな姿勢の一方で、スーパーフレックスを活用して生活のリズムも大切にする、自然体な姿が印象的でした。
「カオスを仕組みで解決する」というエンジニアの本質的な喜びを追求しながら、日々の暮らしを技術で豊かにしていく。そんな川上さんと一緒に働きたい方や、興味のある方はぜひOpenStreetへのご応募、お待ちしております!
(プロフィール)
川上 敦史
2024年8月 OpenStreet株式会社に入社
テクノロジー統括
システム運用部
担当課長