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アラフィフエンジニアの新たな一歩 〜プロダクト、人、チャレンジに魅了されて〜

2024年2月にテックタッチの SRE チームにジョインした tabito です。

これまで、スパコンを使った天気予報(数値予報: 数値計算による大気のシミュレーション)に長く従事し、最近ではクラウド、Rust にハマっているアラフィフのエンジニアです。

(カバー写真は、2008年から2年間滞在した英国で撮影した、町並みと底面が平らなことが分かる雲。数値予報モデルの開発では、こういう雲をスパコン上でどのように表現するかというモデリングもやっていました。)

技術評論社から「コンセプトから理解する Rust」という技術書を刊行させていただいております。

コンセプトから理解するRust
Rustはメモリ安全,スレッド安全を保ちつつ,高パフォーマンスなプログラムを開発できるプログラミング言語です。また,手続き型,オブジェクト指向型,関数型でのプログラミングに対応できるマルチパラダイムの言語でもあります。ただ,そういったRustのポテンシャルを引き出すには,所有権やライフタイム,ジェネリクスやトレイトといった特徴的な仕様の理解が求められ,これらは初学者の壁にもなっています。本書...
https://gihyo.jp/book/2022/978-4-297-12562-2

テックタッチへの入社から1ヶ月が経ち、これまでのことを振り返ってみました(何回かの転職をしていますが、入社エントリーの執筆を依頼されたのは初めてだったりします)。

私のこれまで

天気予報で社会的使命に燃えていた時代

私は、気象庁で天気予報をスーパーコンピュータ上で実行するソフトウェア開発に14年間従事しました(途中、2年間、英国気象局でも同様の仕事をしていました)。日常生活から生命や財産を守るための防災に重要な天気予報の基盤技術を担うという社会的使命を果たすべく、論文や国内・国外の会議を通じた最新の知見の収集、その知見の実装と実験などとともに、毎日実行される天気予報と実況の比較を日常的に行い、天気予報の精度のさらなる向上のための課題を見いだし、それを開発に活かそうとしていました。

クラウド・コンテナ・Rust に出会う

気象庁では、技術力で社会貢献できていることを実感できて、充実した日々を送っておりましたが、思うところがあり、検索エンジンをベースとした Web アプリケーションの開発ベンダーに転職しました(国家公務員の転職は当時は非常に珍しかったかも)。

そこでは、エンジニアの自分がお客様に直接相対してお客様の案件の開発を進めるとともに、ここでもその運用の日常的なモニターやオペレーションを通じて課題を見いだし、アーキテクチャやモニタリングをはじめとする改善を進めてきました。

その中の一つが、クラウド活用でした。当初は、自分はクラウドのことは何も知らず、職場でもオンプレのサーバーの代替という使い方だったのですが、AWS の認定資格「ソリューションアーキテクト・アソシエイト」の参考書をたまたま書店で手にしたときに、 AWS の推しサービスは違うところにあることを知って AWS サービスの学習を始めました。その学習の中で、AWS のサービスが一貫した思想のもとに提供されていることに感銘を受け、いかにAWSサービスを業務に活用するかをいろいろ考えるようになりました。その学習成果をサーバーレス、コンテナなどに活かし、開発、運用の効率化に寄与して、お客様に短い時間で高い価値を届けることができました。

(AWS サービスの学習効果の測定としてAWS 認定資格を受験し、全12冠(当時)を達成しました。練習問題の中に出てくる様々なユースケースに興奮を覚えながら学習したことを今でも覚えています。)

また、Rust に触れる機会にも恵まれ、技術評論社の雑誌「Software Design」への寄稿、さらには技術書の執筆、刊行をさせていただくこともできました。

開発やビジネスを止めないための支援・改善

その後、AWS サポートを経て、経営管理 SaaS を提供するスタートアップに参画しました。もともとはデータエンジニアというアプリ開発のメンバーとして入社しましたが、専任のインフラ・セキュリティなどの担当がいないことによる課題が顕在化し、私がその役割を担うことになりました。

クラウドインフラ、セキュリティ、社内からのアプリの諸設定の依頼、問合せ対応など、「開発・ビジネスを止めない」「プロダクトの(評判を含めた)価値向上」のために自分でできることは何でもやってきました。

たとえば、クラウドインフラの IaC (Terraform) 化をほぼ100%にして、それによって、検証環境の増設を容易にしたり、安全なインフラ変更作業ができるようになりました。また、オペレーション的なことをエンジニアリングの知見を使って効率化して、作業依頼からのレスポンスを速くすること(困っている人や依頼をして待っている人にはできるだけ速く応えたいという自分の性格から来るものもあります)、モニターの充実による障害予兆の検知をしやすくしたりすることなど、ここでも業務を通じて課題を見いだして改善をしました。加えて、突発的に生じる対応(障害の原因改善、セキュリティ関連など)を素早く解決するということもしていました。

自分が大切にしてきたことって何だろう

こうして自分の経歴を振り返ってみると、自分が大事にしてきたこととして

  • 自分がよければよし、ではなく、お客様やチームの仲間が喜んでくれることをしたい
  • 日常の運用などから課題を見いだして、その課題解決のために長期的に価値があることをする

というのがあるかな、と思っています。一方、短期的な成果を量産していくことについては、もう若い方々にはかなわないと思うところも正直あります。

なぜテックタッチに?

「ピッタリな会社」と紹介

アラフィフになり、直接的な価値を高速に作り出すことよりも、日常の業務や運用から課題を見いだし、クラウド技術などを活用しながら長期的な観点で素早く課題解決をすることが得意分野になってきました。しかし、一般的には直接的な価値の創出が求められることが多いと感じていたため「転職を考えなければいけない状態になっても、もう需要がないのだろうなぁ」と漠然に不安を感じていました。そんなときに、たまたま登録したままになっていた転職エージェントからのコンサルティングのメールが届き、「最近の転職市場について聞いてみよう」という軽いノリでエージェントの方に話を聞いてみました。その中で、自分の経歴、大事にしてきたことなどを話したところ、「ピッタリな会社があります」と言われて紹介されたのがテックタッチでした。

プロダクトのデモに圧倒される

この段階では転職を具体的に考えてはいなかったので、軽い気持ちでカジュアル面接にのぞんだのですが、そこで採用人事担当者が見せてくれた「テックタッチ」のプロダクトのデモに衝撃を受けました。特定のシステムに組み込むガイドではなくて、あらゆるシステムをターゲットに組み込めるという技術的に難しいことを実現していることはエンジニアとして想像できましたし、システムを導入してもなかなか使えないという世の中の課題は自分が感じていた問題意識とまさに合致するものでした。また、細かなところに「やさしさ」を感じられるプロダクトでした。

技術的にディープな話で大盛り上がり

私が現在所属しているSRE チームのメンバーとの選考前の面談では、技術的にディープな話がたくさんできて、考え方、取り組み方に共感を感じることも多く大変刺激的でした。また、エンタープライズのお客様が多いこと、また、他のシステムの上で稼働するというプロダクトの特性から、求められる信頼性にはチャレンジングなことがまだまだあることがわかりました。大切にしていること、仕事の進め方などの価値観に共通点がある方々と、これまでのアプリ開発やクラウド技術の知見を活用して、素晴らしいプロダクトの運用上の難しい課題に SRE として挑戦できることに、大きな魅力を感じました

入社の決め手

もともと転職を考えていなかったところからスタートしたので、選考を経てオファーをいただいてからも、(当時)現職の会社で積み重ねた知見とメンバーとの関係性をリセットして新しい一歩を踏み出すのか、それとも現職にとどまるのか、の間でだいぶ長い間悩みました。

アラフィフの自分にはもう需要はないのかもしれないと思っていた中で、自分の経験、得意分野、考え方を高く評価していただき熱心なオファーをいただいたこと、一緒に仕事をすることになるチームのメンバーと価値観が共有できたこと、選考、ミートアップでの社員との交流、業務体験などでお会いをした社員の皆様と初対面にもかかわらず何ら身構えることなくお話ができた「人のやさしさ」、そしてデモで圧倒された「人にやさしい」プロダクト。これらが決め手になり、入社することに決めました。

入社して1ヶ月 - 入社後もイメージが変わらない

                             (SRE チームのメンバーと。筆者は一番左)

テックタッチでは、「入社前とのイメージにギャップがないことを目指している」ということを聞いていたものの、これまでの何回かの転職の経験から、何らかのギャップが生じることは覚悟していました。しかし、テックタッチでは入社1ヶ月を過ぎた今でも何もギャップを感じることがないのです。

自分たちのプロダクトが大好き

テックタッチのメンバーは自分たちのプロダクトが大好きです。

入社前の最初のカジュアル面談でのデモでは、自社のランチ補助の精算申請のフローを見せていただきました。自分たちのプロダクトを自分たちでも存分に活用している、ということに好感を持ち、自分たちのプロダクトが本当に好きなのだろうと感じました。

実際に、入社してみると、社内で使っているいろいろなツールに「テックタッチ」のガイドが組み込まれており、使い方・ルールがすぐわかるようになっています。

また、オンボーディングの中で、自社プロダクトに触ってみる時間が長めに取られていますが、実際に触ってみて、こんなこともできるのか、これってどうやって実現しているのだろうかとワクワクして、私も「テックタッチ」を大好きになりました。

人も組織も「やさしい」

テックタッチでのカルチャーフィットとは、課題に真摯に取り組むことができること、相手の気持ちを考えることができること、という話を選考の中で聞いていて、それなら自分でもフィットできるのではないかと思い入社しました。実際に、自分たちがよければよい、という発想でなく、お客様をはじめとする周りが方々の思いを考えながら動いているという「やさしさ」は、実際の組織体制や業務の中でも現れていると感じました。

                     (テックタッチ採用資料より。2024年3月1日時点のもの)

この図はテックタッチの採用資料にもある社員のロールの数ですが、機能開発を担う「エンジニア」の人数に対して、エンジニアリングの観点からお客様の導入支援やお問い合わせに対応するCSE(Customer Success Engineer)、品質保証やテストを担うQA (Quality Assuarance)、プロダクトの信頼性を担う SRE (Site Reliability Engineer) という、直接の機能開発以外でお客様に届ける価値を高めようとするロールの人数が多いように感じています。これは、採用前からもこの会社の特徴として気になっていたところですが、入社して社員の皆様の動きを見ていると、機能開発はもちろんのこと、それ以外の場面でもお客様が困ることなく使えることを重視していることを改めて感じます。

たとえば、お客様の環境で正常にテックタッチが使えていないかもしれないという状況を察知すると、直ちに技術にも精通した CSE が主導して、お客様の詳細な状況を確認し、必要に応じて機能開発のエンジニア、SRE などの協力も得ながら、問題の切り分け、原因の特定を進め、対応を考えていくという場面を入社後に何回か見ました。CSE というロールの社員を手厚く配置していることで、問題の技術的な切り分けなどの初動が滞りなく進み、問題解決までの時間を短縮できていることを目の当たりにしました。

また、バックエンドの開発者、SRE メンバーが週1回集まり、各種メトリクスやエラーログの状況の確認をおこなっています。そして、そこで課題を見つけたときには、タスクに落とし込んでアサインをしていく、ということが行われています。これも、新しい機能開発ばかりでなく、お客様に安心して使っていただけるようにしたいという思いからの取り組みだと理解しています。

このような取り組みは、自分たちのことではなくお客様に喜んでいただくことを第一とすること、日常の運用などから課題を見いだして、その課題解決のために長期的に価値があることをする、という自分が大切にしてきたこととつながっており、自分の価値観と共有できる会社であり社員の皆様であると居心地よく感じています。

課題に地道に取り組んでいる

入社前から見ていたテックタッチのエンジニアのブログからは、目立つようなことを狙っているわけではないけど、技術を深めることで課題に真摯に取り組んでいるという印象を持っており、そういう姿勢にも親近感を感じていました。実際に入社して分かったのは、その印象通りで、個々のエンジニアのスキルは非常に高い中、個々で目立つようなことをやろうとするのではなく、全体でパフォーマンスが高くなるように、地道なことも含めて課題解決に取り組んでいることでした。そして技術的に難しいことへのチャレンジが事業価値に直接的につながっていくというのが、テックタッチの特徴であると感じています。

Techtouch Developers Blog
テックタッチ株式会社の開発チームによるテックブログです
https://tech.techtouch.jp/

これから

私はスロースターターであり、最初の2-3ヶ月は仕事の進め方や考え方をじっくり観察して、そのあとに一気に動き始めるというのを職場が変わるたびに繰り返してきました。今はまさにテックタッチでの「観察期間」であり、その観察の中で、会社の取り組み、意識、人、技術の中に今までの自分の経験にはなかった「これはすごい」と思うことがたくさんあります。一方、観察の結果、今は運用できているけど、もっと改善できるかもしれない、と自分のこれまでの経験から思ったりすることも出てきており、その背景なども「観察期間」で探ったりしています。

テックタッチでのこれまでのやり方とメンバーの豊富な知見に、自分の知見をあわせて、プロダクトの信頼性向上を中心に、お客様に喜んでいただけるサービスの提供に寄与していきたいと思います。



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