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30歳になり、漫画業界で10年やると決めました。


※この記事は2021年11月に公開した以下noteの引用です。

30歳になり、漫画業界で10年やると決めました。漫画3000冊調達します。|株式会社LOCKER ROOM|note
こんにちは朝岡です。タイトルの通り本日30歳になりました。最近は色々な場所でWebtoon編集者の朝岡として出没しています。 30歳の誕生日、良いタイミングなのでこれからの10年について備忘録を兼ねて今の思いを書き留めます。 ...
https://note.com/lockerroom/n/n94521003bf9c


こんにちは朝岡です。タイトルの通り本日30歳になりました。
最近は色々な場所でWebtoon編集者の朝岡として出没しています。

30歳の誕生日、良いタイミングなのでこれからの10年について備忘録を兼ねて今の思いを書き留めます。

WebtoonスタジオLOCKER ROOMの創業背景

22歳からゲーム業界で6年、色々なエンタメビジネスに携わり2年ほど経ちました。
新卒でアカツキに入り、デバッグやゲームのADV、プランナーをし、ありがたいことに2年目で新規ゲームの立ち上げ、プロデューサーをさせていただきました。

その後退職して1LDKという会社を作りました。

株式会社1LDK|1LDK inc.
MY BEST ROOM, NO VISION COMPANY. 「いちばん好きな、自分といよう。」を合言葉に、居心地を何よりも大切に "何でもやる会社" としてゲーム開発やIP創出のプロデュースなどエンターテインメント領域とシステム開発などデジタルマーケティング領域を主軸に事業を展開しています。大好きな漫画がたくさんあるオフィスです、いつでも遊びに来てください。
https://oneldk.co.jp/


1LDKは僕と大学の友達の隼人と作った会社です。
貯金0で開業しオフィスも当然無く、僕の家で二人で始めました。
当時思ってたことは

「自分の周りにいる人たちと死ぬ気で働いて、困難や問題を乗り越えて、
 最後良かったことも苦しかったことも分かち合いながらお酒飲めたら結構幸せ。」

休みなく、めちゃくちゃ働きました。
周りの皆さんのおかげでコロナ禍にも関わらず仕事には恵まれ

  • IPゲームタイトルの開発支援
  • ゲーム周辺事業の事業支援
  • ライブ配信マネジメント
  • 事業会社のシステム開発支援
  • 保険会社や自動車会社のマーケティング支援

みたいなことを色々やりました。

もちろんすげー大変なことはいっぱいありました。
ちゃんと逃げ出したいくらいのハードシングスもたくさんありましたが、今後も人生を共にする多くの人に支えられ、なんとかいろんな困難乗り越えて頑張りました。

業務委託メンバー+アルバイト中心の会社で、少しはお金も増えました。

ただ、二人で1期目を振り返る旅行をした時
「あれ、最初3年位で達成したかったこともう達成してるな。」となりました。
結構幸せなんだけど、なんかこれ物足りないわ、って。

次に何を目標とするのか二人で話しました。次は「稼ぐこと」よりも「創ること」をしようと決めました。
僕たちはマーケットインで考え、トレンドを早く察知し、型化して、稼ぐことが得意です。
ただ、僕は同じ会社で「稼ぐ会社」と「創る会社」を共存させるような器用な人間じゃなかったので、別の会社にしました。

1LDKでは、一番好きな自分でいるということが最も大事な価値観として、個々人にとって最も居心地が良い会社であり、自然体でいることを大切にしている会社です。

一方で、LOCKER ROOMは、青春時代のようなひとときを過ごし、チームでもの作りをしていくことを大事な価値観とし、
エクイティファイナンスを積極的に行い、仲間を増やしながら、世界で勝負していきたいと考えている会社です。

会社は自分の自己表現の一つだと思っているので、そのような形で「創る会社」は別にしようと決めました。

漫画業界に決めた理由

その上でじゃあ何を創るか。
ゲーム、アニメ、映像、グッズ、靴下、スムージー、痩せる薬、太る薬…etc
色々考えたけどしっくり来なかったです。

そんな時、さまざまな経営者と会う中、漫画を主軸に経営されている方々のお話を伺い、漫画という同一ドメインで長期間挑戦し続けている人の視座の高さ、会話のレベルに圧倒され、自分自身にムカつきましたし、やはり長い時間挑戦し続けないと見えてこない景色があるなと感じました。

また、今までゲームやvtuber、ライブ配信、トレンドと呼ばれるエンタメビジネスはいくつか事業として行い、少なからず多少の成果は出してきました。

でもどれも僕が10年やり続けられるものではなく、仮に失敗した時に後悔しそうだなと思いました。
だから10年やれることしかやらない、と決めました。

やはり僕自身が一番好きなエンターテイメントは漫画。
寝る間も惜しんで漫画を読み続け、ちょっと時間空いたら漫画を読み、仕事で落ち込んだ時も漫画で元気もらっていた。
そして死ぬまでには漫画事業はやろうと決めていたこともあり、漫画ビジネスへの挑戦を決めました。

すぐに漫画業界の課題はどんなものがあるのだろうと、あんじゅ先生や、conote山田さんとかに話聞いたり、

現役の100名ほどの漫画家さんにDMでアポを取りヒアリングして、以下の課題があることを知りました。

  • 漫画執筆だけでご飯を食べられる漫画家さんはほとんど存在しないこと
  • アシスタント業務や広告漫画など漫画家さんの名前が残らない漫画の仕事が多く存在すること
  • 漫画家を目指す学生がどんどん減ってきていること

そんな時たまたまアカツキの香田さんからWebtoonの今後の展望や現状の課題、アカツキがWebtoonのドメインで勝負していく事について伺い、僕が昨年100名以上の漫画家にヒアリングしてわかった課題をwebtoonだったら解決できると思い、ここに注力しようと決めました。

Webtoonはとても可能性がある領域です。
梨泰院クラスをはじめ世界的大ヒットドラマを生み出したり、俺だけレベルアップな件のような単体数億円の売り上げを創る漫画もあります。
日本発で原作を作り世界にリーチすることができる。そんなビジネスです。

でも僕はそれ以上に、「世界に誇れる漫画文化」を絶やさないために漫画家を目指す若い世代をどんどん増やし、クリエイターがクリエイターらしくご飯を食べられる世界を作っていきたいと考えています。

Webtoonへの想い

正直成功までは長い戦いになると思います。
短期的に収益がめちゃくちゃ上がるマーケットではないと思っていますし、
世界を代表するような作品が1-2年で生まれづらいんじゃないかなあと感じています。
むしろ今のWebtoonマーケットは過熱しすぎているように思えています。

ただ僕は日本が生み出した偉大な漫画文化を絶やさないためにも、そして今まで僕が助けられてきたこの漫画市場に貢献するためにも継続的にこの事業を行なっていきます。
そして、長い戦いになるからこそ、どのような持続可能な戦略、組織文化を作っていくかが大事だと思っています。
持続可能な経営をする為に下記のような文化・制度を作っていきます。

<分業制の確立>

WEBTOONは分業制です。チームでものつくりをします。
企画→シナリオ→キャラデザ→ネーム→線画→着彩
絵は上手だけど、お話を考えることが苦手な人。
ネームは得意だけど、線画以降が苦手な人。
キャラデザが好きだけど、漫画には苦手意識がある人。
僕が好きな漫画アイシールド21のように、専門性を研ぎ澄まし、最高のチームを作ればヒット作を作れる可能性があります。
自分の苦手領域があるから漫画家の夢を諦めた人を救うことができると信じています。

<印税制度の形成>

分業制ゆえに、弊社は部分的に関わった方でも全てに印税をお支払いします。
いままでは雇用は安定しづらいが、それでも夢を追いかけるビジネスだったかと思います。
そして夢半ばに諦めてきた方もたくさんいたと思います。

僕たちは現状の戦略として「企画からネームまでの上流工程」において、
直接雇用(契約社員・正社員)を前提として採用させていただき、
社会的に必要な保険や安定した賃金をお支払いしつつ、作品に応じて従業員個人に印税をお支払いします。
おそらく日本でも数少ない試みではあるとは思いますし、経営的にみたら、業務委託やフリーランスの方を雇用した方がいいとも思います。
わざわざ印税をお支払いしたり雇用を安定化することは無駄だとも言われました。
でも長く戦い続けるために、漫画家を目指す人をたやさないために、直接雇用し、ベース給与+印税と言う形で還元していきたいと思っています。
ただどうしてもの事情で正社員が難しい方もいらっしゃると思います。
そういう方のために業務委託として働いてもらうパターンも考えています。
その場合も規定の印税はお支払いします。

<スタッフロール文化の形成>

漫画家の仕事は名前が残らないものが多いと感じています。
一方で、映画のスタッフロールのように関わってくれたクリエイターの名前が乗る場所があってもいいはずです。
僕たちは作品に対して関わってくれたメンバーをスタッフロールとして記載します。
(版権によってはできるできないもあるかもしれませんが、努力します)
雇用が流動化し、企業に囚われない働き方が一般化していく世界で
結果的にその方のクリエイターとしての知名度 / 市場価値があがっていく。そして、またその方が素晴らしい作品に携わることができればめちゃくちゃ良いと思ってますし、結果うちの会社から離れてしまっても仕方ないと思っています。

こんなドスタートアップにチャレンジしてくれてる、業界未経験の女の子や、現在も漫画家として夢追っているメンバーなど若いメンバーで挑戦しておりますので、ご興味ある方はこちらからご連絡ください。

未経験でも、不得意なことがあっても、得意を研ぎ澄まして、一緒にチームでものつくりしていきましょう。

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