当社の原点は、約20年前に代表が考え出した『通気性の良いヘルメット』の発明にあります。当社は環境緑化事業を営むビルマテル社の知財部門が分社化してできた会社ですが、代表はそのビルマテル社で作業をしていた社員の熱中症対策に頭を悩ませていました。なぜなら、当時のヘルメットはとても通気性が悪く、炎天下で作業をしていると危険な状態になってしまうからです。
今では工事現場などで当たり前に見るようになった通気穴付きのヘルメット。約20年前にはそのようなものはありませんでした。安全第一の工事現場で、穴あきヘルメットなんて"非常識な"アイデアだったのです。代表は『二層構造にして穴をずらせば、異物の侵入を防ぎながら通気性を確保することができる』と思いつき、国内外で特許を取得、金型を作って試作品を完成させました。ヘルメットに関してまったくの素人だったにもかかわらずです。
しかし、当時のJIS(日本工業規格)を満たすことができず、代表は労働省(現厚生労働省)に何度も足を運んで陳情しました。門前払いがつづきますが、たった1度のデモンストレーションのチャンスを逃しませんでした。安全性を証明するために、常に持ち歩いていたじょうろと水を使い、水を通さないこと、釘を穴に挿してもヘルメットの中に入らないことを実演し、ついに省内の幹部がそのアイデアを認めてくれました。
『社員や現場で働く人たちの環境を改善したい』という想いから生まれた、当社の原点となる発明です。