「社内ブラック」という意味じゃない。私たちが向き合う、正解ゼロの「二重のカオス」
ーー 募集タイトルにある「カオス耐性」や「正解ゼロを楽しむ」という言葉。これって、初めて見る人からすると「社内の体制が整っていなくて慌ただしいだけなんじゃないか?」とイメージされることもあると思います。イーサンの言葉で、私たちが向き合っている「カオス」の正体を教えてください。
確かにそうですよね(笑)。
まず大前提としてお伝えしたいのは、うちの環境でいうカオスって、単に「人手不足でバタバタしている」という話ではない、ということです。僕たちが向き合っているのは、もっと本質的な「二重のカオス」なんです。
まず一つ目は、私たちが入り込む「中小企業」の、一筋縄ではいかない利害関係の複雑さ。 僕たちのフィロソフィーに「For Real(現実と向き合う)」という言葉があります。
一般的に「後継者」って、楽だったり恵まれていると思われていたりするんですが、全くそうではなくて。変革を起こすにも、創業者とはまた違った苦悩や壁を抱えています。
その裏には、先代社長とアトツギの人間関係だったり、新しいことに反対する古参社員さんとのすれ違い、さらには数千万円から数億円の借入や相続税の負担っていう、外からは見えない「現実」が渦巻いています。
マニュアルも正解も一切通用しない、人間臭いリアルな難しさがそこにはあります。
ただし、私たちの役割は、アトツギにマンツーマンで張り付いて個別にコンサルティングをすることではありません。
こうした複雑な現実を抱えるアトツギたちの背中を押し、変革を加速させるための「伴走支援プログラムの運営」や「地域を巻き込んだ支援の仕組みづくり」そのものが私たちの仕事です。
そして二つ目のカオスが、「そうした多層的なプログラムや仕組みを構築・運用するためのお作法が、組織としてまだまだアップデートの真っ最中である」という点です。
私たちはこれまで、様々な取り組みをスピーディーに立ち上げてきました。
だからこそ、いま目指している「より社会的インパクトの大きい仕組みづくり」という目標に対して、過去に現場で得た貴重な知見をさらに体系化し、組織の共通アセットとして仕組みに昇華させていく伸び代があります。その場しのぎではない「持続可能な仕組み」を自分たちの手で創っていけるフェーズだからこそ、主体性を持ってこの環境を楽しめる人が求められているんです。
毎年が「初めての挑戦」。AVSやアトツギ甲子園で起きた、プロジェクト推進の裏舞台
ーー 実際に、これまでのプロジェクトで発生した「マニュアルも正解もないトラブルや予期せぬ変化」を、チームでどう乗り越えてきたのか、具体的なエピソードを教えてもらえますか?
一番分かりやすいのは、毎年開催しているアトツギのための祭典「AVS(アトツギベンチャーサミット)」ですね(AVSとは、ベンチャー型事業承継に挑む全国のアトツギたちが一堂に会し、最先端の挑戦や知見をナレッジシェアし合う、熱量あふれる一大イベント)。
毎年やっているサミットではあるものの、毎回テーマに合わせて企画していて、会場も違えばコンテンツも違うし、既存のパッケージをただ回すような仕事ではありません。
僕自身、他にも複数の事業を同時並行で動かしている中でのマネジメントだったので、準備は毎回本当にエキサイティングなスピード感で進みます。
特に去年の12月に開催したAVSは、チームの体制が新しく切り替わった直後のタイミング。
現場を推進するメンバーの多くが、実質初めてAVSの運営に関わる状態でした。
「これは全員で相当タフに動かないと形にならないな」という心地よい緊張感がありましたね。
でも、いざプロジェクトが本格化してからの、チームの連動性とやりきる気概は本当に見事でした。
前例のない局面にぶつかって、誰かがタスクを抱え込んでしまいそうな時は、周りのメンバーが「一緒に考えよう」と自然にサポートに入って対話する。
本番直前の準備中には、みんなで夜にピザをデリバリーして、お互いを鼓舞しながら泥臭くディテールを詰めていきました。
結果として、参加者全体の満足度はめちゃくちゃ高くなりましたし、社内の感想もよかった。
最善を尽くしてゴリッとやりきったら、それがアトツギの方々の成果や社会的インパクトとして100%返ってくる。この仕組みを動かす手応えは、何にも変え難いですね。
『アトツギ甲子園』で新しい企画を立ち上げた時も同じでした。
前年踏襲をせず、新しい座組を走りながら作っていった。ブラッシュアップの余地はそれこそたくさんありましたけど(笑)、お互いに愛と敬意を持って、当事者の目線になって仕組みをやりきれる仲間がいるから、最後は最高の形で着地させることができるんです。
「誰かが作ったレール」をスマートに走るよりも、レール自体を敷きたい人が活躍できる
ーー そんな「正解ゼロ」の環境に飛び込んでいくからこそ、今回募集している事業責任者候補やPMには、スキルとは別のものが求められますよね。逆に「こういう環境を求めている人だと、少しギャップがあるかもしれない」という基準があれば教えてください。
言葉を選ばずに言うと、「他責傾向がある人」や「指示を待って動くスタイルが染みついている人」だと、お互いに本来の強みが発揮しづらくなってしまうと思います。
例えば、「マニュアル通りに動くのが得意」とか、「大企業のアセットの上で、スマートに定義されたタスクだけをこなしたい」という、自分の役割の枠をあらかじめ決めてしまうスタンスだと、戸惑ってしまうかもしれません。うちの環境では、「次は何をすべきか」という課題そのものを、自分で見つけて動くことが求められるからです。
僕たちが求めている理想像を言葉にするなら、「自責や内省ができるOS(マインド)がしっかり土台にあって、その上に『他者起点』のプロジェクト推進スキルが乗っかっている人」です。
私たちの仕事は、行政の方、金融機関の方、そしてアトツギ本人やその先代など、関わるステークホルダーが本当に多岐にわたります。
だからこそ、「相手が今どういう状況にいて、何を求めているのか」をそれぞれの背景や立場から丁寧に想像し、ケアしていく『客観視する力』が絶対に欠かせません。
正論を振りかざして無理にプロジェクトを進めるのではなく、事前の配慮や根回し、調整の重要性を心から理解して動けること。そういった高い想像力を持ったスキルが、自責のベースの上にあって初めて、複雑なカオスを切り拓く武器になります。
僕たちがやっているのは、イベントを盛り上げて終わり、ではなく、一人のアトツギの変化を地域企業の変化に変えて、「組織や地域に、仕組みや関係資本として残す(For Society)」ということです。
だからこそ、自分で内省して成長し、この面白いカオスの中に圧倒的な当事者意識(オーナーシップ)を持って飛び込んできてくれる人を求めています。
目的ごとに連動する組織へ。今、この変革期に参画する最高のおもしろさ
ーー ちょうど今、組織としても「大きな変革期」を迎えていますよね。「事業部への移行」について教えてください。
今までは、案件ごとにみんながバラバラに独立して動いている状態でした。
それだと、せっかく各プロジェクトで得た素晴らしい知見や地域サポーターとの関係性が、組織全体の共通資産(ナレッジ)として蓄積されにくいという構造的な課題があったんです。
そこでいま、組織としてより強固に連動させるために、『機会創出』『エコシステム』『ナレッジ』の3つの事業部に役割を分けて、目的に向かって全員が同じ解釈で連携できる組織への移行をゴリゴリ進めています。
「なぜ今、社団がこの事業をやっているのか」の大義名分を明確にして、現場の知見を組織の資産に変えていく、まさにその『型づくり』の真っ最中なんです。
日本中に「アトツギベンチャー」という新しいビジネスカルチャーを定着させるためのエコシステムをゼロから設計していけるのは、今このタイミングで入るメンバーの特権です。
すでに出来上がった組織のレールの上を走るのとは、アドレナリンの出方が違います。
この未完成なカオスを「自分たちの手で整えていくから面白い!」と思ってくれる方からのご応募を、心からお待ちしています!