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「社会のために本気で活動している企業が選ばれる業界に」塗装でできる社会貢献を行う「塗魂ペインターズ」とは

「塗装でできる社会貢献」をテーマに活動しているボランティア団体「塗魂ペインターズ」。2009年に設立され、現在では全国各地約200社の会員と10社を超える協賛メーカーが所属しています。

またこれまでに実施してきたボランティアの数は100回を突破。国内だけではなく、ハワイやベトナム、リトアニアなどの海外での活動も行っています。

今回は塗魂ペインターズの事務局長を務め、ユウマペイント代表でもある佐々木さんに団体に関わることになった経緯やこれまでの活動実績、今後の目標について詳しく伺いました。


佐々木拓朗 / 代表取締役

16歳のときに不良の先輩の言われるがまま、塗装業界に入る。22歳のときに独立し、株式会社ユウマペイントを設立。設立13年を迎えた2020年では、千葉県柏市で7年連続No.1の施工実績を誇るまでに成長。2021年8月、東京都江戸川区に「外壁塗装のZERO」の第1店舗目をオープン。塗魂ペインターズでは2代目事務局長を務める。

「一緒に活動したくない」否定的な考えを持ちつつも団体に加入

ーー佐々木さんは闘魂ペインターズの事務局長を務めていらっしゃいますよね。団体に加入をされたきっかけをまず伺いたいです。

そもそも最初は塗魂ペインターズの活動に賛同していませんでした。結成当時、世間ではCSRという言葉が出てきていて、塗魂ペインターズもその流れに乗ってペンキ屋のブランド価値を上げようとしていました。「塗装でできる社会貢献」と理念を掲げていたものの、どちらかというと自分たちのために取り組む団体だったんですね。それであまり協力しようとは思いませんでした。

ただ2011年に起きた東日本大震災がきっかけで、団体の雰囲気が変わっていったんです。東北で事業を行っている会員がいたため募金を届けに行き、現地の状況を目の当たりにして「本当に困っている人たちの力になれるような団体にならなきゃダメだ」と決意したそうです。

その様子を傍から見ていて、すごく上からですが「あ、変わってきたな」というのはわかっていました。しかし、当時の会長からのお誘いは断っていました。

塗魂ペインターズは「塗装でできる社会貢献」をテーマに、日本中を笑顔にしていきたいと考えています。塗装業としての強みを最大限発揮するため、全国の塗装職人が連携しながら、全ての人、地球環境にも優しい団体として、成長し拡大して参ろうと思います。
『人』に愛され、『地元』に愛され『社会』に愛される塗り替え施工店を目指し結成。『塗装店』であるが故、社会に対して、して差し上げられるのは『ボランティア』での塗装作業。プロフェッショナルとしての『特技』を社会に還元したくて結成された塗装のボランティア団体です。 CITIZEN シチズン時計株式会社のホームページ、社会に感動を与える人々を応援する「CITIZEN OF THE YEAR」で ...
https://www.to-kon-painters.com/
闘魂ペインターズのHPはこちら!

ーーすぐには加入しなかったんですね。

そうですね。変わったとはいっても、中には利己的な思考を持ち続けている会員もいたんですよ。やはりそのような人とは一緒に活動したくなかった。それに「ボランティアをやりたければ自分たちだけでやればいい」「群れる必要はない」という尖った考え方を当時は持っていました。

その後、業界の先輩方に何度も何度も誘われて、仕方なく加入することにしましたが、1年間活動は全く行わなかったんです。間近で活動を見ていても、心は動かなかった。

ーー活動は全く行わずに、見定めていた。

そのまま塗魂ペインターズは設立5周年を迎えて、会員が100社に到達するぐらいまで拡大していきました。そして結成披露宴を行うという話が持ち上がりました。会員だけでなく来賓の方々も呼ぶことになり、300人程度集まることになったのですが、当時の会員の中にはそのような規模の式典の運営経験がある人は自分以外誰もいませんでした。

自分は中小企業家同友会で実行委員を務めていたことがあり、500人規模の式典を運営したこともあったため、白羽の矢が立ったんです。「塗魂ペインターズが嫌いなのはわかるけど、力を貸してほしい」と頼まれ、実行委員として活動することに決めました。

そこから塗魂ペインターズの活動に本気で取り組むようになったんです。

「日本一塗魂ペインターズが好きな男になった」実績が認められ社会貢献団体として表彰を受ける

ーー実行委員を担ったことでどのような心境の変化があったのでしょうか?

それまでは「塗装でできる社会貢献」を本気で目指しているのかどうか、いわば本物か偽物かを見定めようという気持ちがありましたし、偽物の人たちと一緒にされたくありませんでした。今考えると本当にえらそうですよね、、、(笑)。ただ自分と塗魂ペインターズにいる会員メンバーは何も変わらないということに気づいたんです。

これまでに自分は堂々と胸を張れないような人生を歩んできていて、ユウマペイントを起業したタイミングで、この仕事に命をかけて本物になろうと決めました。塗魂ペインターズのペンキ屋を営んでいる社長たちも、これから本物になろうと思って生きていて、自分と同じ思いを持った人ばかりでした。そんな人たちを切り捨てるようなことをしてる自分自身が偽物なのかもしれないと思ったんです。

そこからは「生き方を変えると決めれば、必ず本物になれる」ことを証明するような団体にしようと勝手に目標設定して活動し始めました。「日本一塗魂ペインターズが嫌いな男」と言われていたこともありましたが、そのときからは「日本一塗魂ペインターズが好きな男」になりました。

ーー同じ思いを持った仲間だと思うようになったんですね。

塗魂ペインターズの会員は、これまで活動に賛同せず、文句ばかり言っていた自分のことを快く受け入れてくれたんですよね。同じ志を持った仲間だとみんなはずっとわかってくれていたんだと思います。

会員たちの器の広さを感じましたし、自分のことを信じ続けてくれた方々がたくさんいることに気づきました。その後は、塗魂ペインターズの仲間たちとさまざまな活動を行っていきました。

ーー具体的にはどのような活動を行ったのでしょうか?

戦後70年の節目の年に「平和の奇襲攻撃」という作戦名をつけて、ハワイオワフ州のパールハーバーでボランティア活動を行いました。つてがあったわけではなかったので、ぶっつけ本番で日本の領事館に行き「どんな施設でもいいから、塗装させてほしい」と交渉したんです。その結果、日米合同慰霊碑を塗らせていただけることになりました。あとは長崎や広島を始め、日本各地でもボランティアを行っていました。

その功績を認められ、2016年11月28日に第47回社会貢献者表彰式典にて『社会貢献支援財団』から社会貢献団体として表彰していただいたんです。それが自分たちの活動が社会に本当の意味で認められたという証になり、会員数は150社ほどまであっという間に増えました。

そのタイミングで会長が代わり、2代目の体制に移っていきました。ハワイや長崎、広島での活動は自分が企画したものだったので、事務局長を任せていただけることになりました。

会員数1,000社超えを目指し、ペンキ屋業界の改革を。

ーー事務局長はどのような役割を担うポジションなのでしょうか?

団体のトップは会長ですが、活動全体の指揮を執るのは事務局長です。日本一塗魂ペインターズのことが嫌いだった自分が、日本で一番価値のあるペンキ屋団体にしようと奮闘しています。今は会員数を1,000社まで増やすことが目標です。

ーー1,000社を目指されているのはなぜですか?

1,000社いれば、ひとつの都道府県に25社ほど会員がいる計算になります。日本は地震や台風など、災害が絶えない国です。なにかあった時に手弁当で駆けつけて、建物を修復してくれる団体が全国各地にそれだけいれば、日本の安心で安全な暮らしは担保できると思っています。

またお客様がペンキ屋を選ぶ際に、塗魂ペインターズに加入している団体かどうかがひとつの指標になったらいいなという構想もあります。「この会社は加入してもう10年以上経つのか、信頼できそうだな」とか「この会社は加入してまだ3年だけど、ボランティアには10回以上も参加していて、勢いがありそうだな」とか、社会のために本気になって活動している会社が選ばれるようになるので、業界の健全化にもつながるはずです。

ペンキ屋を設立したらまずは塗魂ペインターズに加入して活動しようと思ってもらえるような、そんな業界を作りたいと考えています。

ーーボランティアに参加している企業が勝つ世界線……。

そうです。一般的に企業はマーケットシェア100%を目指したいはずですよね。市場を独占すれば、それが勝ちですから。しかし、例えば弊社が市場を独占しているような状態になったとしたら、日本で次々と起こる災害にすべて対応することはできません。そのためライバルは殺すべき存在ではなく、生かすべき存在なんです。同じような志を持った同志たちであり、一緒に業界を変えていく仲間です。

「どこのペンキ屋さんも地域に必要な状態にする」「資金力のある企業が勝つのではなく、ボランティアに参加している回数が多い企業が勝つ」綺麗事かもしれませんが、そのような状態を実現したいと考えています。積極的にボランティアに参加する企業が増えれば、それは全部国のためになりますから。

理想を理想で終わらせない。ユウマペイントが100億円企業を目指す理由。

ーー今後の目標を教えてください。

現在の会長から代替わりすると、自分が3代目の会長になるかもしれません。任命されてみないとわかりませんが、現在の考えではあまり会長になりたくないと思っています。

なぜなら、自分はこれまでに「平和奇襲攻撃」という活動を実現したり、自分の通っていた小学校でもボランティアができたりと、十分自分の夢は叶えられた実感があるからです。次は、もう少し若い世代にチャンスを与えて、それを支えていく立場になりたいと思っています。

若い世代の方々に「これが実現できたからもう満足だ」と思ってもらえるような活動のサポートをしていこうと考えています。

ーーなるほど。団体の中心を担うのはもっと若い世代に託したいと。

そうです。役職がなくても絶対に塗魂ペインターズをより良くするために動くので、あまり役職をもらうことにこだわりはないんです。

あと青臭い理想論を語っているからこそ、ユウマペイントをもっと成長させていかないとなとも感じています。誰が見ても立派で、「業界の中でも1番の会社だね」と言われるぐらいまで大きくしていかなければいけないなと。そうしないと、「バカみたいな理想論を語っているから、ビジネスに負けたんだ」と言われてしまいます。

「ボランティア活動をしている企業が勝つ業界にする」と言っている会社が100億円企業になれば、少なくともそのようにバカにされることはありません。「100億円企業の代表である佐々木の言うことなら、間違っていない」と思われるようになれば一旦のゴールです。

ーー確かに、それが証明にはなりますよね。

「偽善を死ぬまで続ければ善だ」という言葉を塗魂ペインターズの会員の先輩から言われたことがあります。社会からどれだけ偽善だと言われても、死ぬまでやっていれば、周りも認めてくれる時がくるからと。そのため今後も自分が掲げる理想を本気で追い求めていこうと思っています。

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