肌寒い10月の週末、私は宮城県石巻市にいました。
参加したのは、3日間にわたって開催された「第11回 石巻ハッカソン2024」。
少し前の出来事ではありますが、今振り返っても、この3日間は自分にとって大きな刺激になった時間でした。
当時、入社して丸10年を迎え、日々の開発や保守、チーム内外からの相談に応える中で、周りに頼られる場面が増えていました。もちろん、それはありがたいことです。
一方で、開発を始めた頃に感じていた「何かをつくることそのものへのワクワク感」を、少しだけ置き忘れていたようにも感じていました。
そんなタイミングで、思い切って参加したのがこのハッカソンでした。
「刺激的な挑戦をしたい」という気持ちがある一方で、正直なところ自分は井の中の蛙で、「周りがすごすぎたらどうしよう」という不安も少なからずありました。
オープニングイベント後にチームが決まり、メンバーは大学生から外国人の方まで、年齢も経験もバックグラウンドもさまざま。
初対面同士で、日本語・英語・専門用語が飛び交う中、得意分野も考え方も違う人たちが、まさに“闇鍋”のように集まってプロトタイプ開発に挑みました。
今大会のテーマは【かわいい】
シンプルなようで、実は人によって捉え方がまったく違うテーマです。
長い議論の末、私たちのチームは「多種多様な“かわいい”を自由に取り込み、バブルアートとして出力する機能」を作ることに決めました。
一度開発が始まると、そこからは怒涛の時間でした。
途中に懇親会があったり、カレーやドーナツの差し入れがあったりと、イベントらしい楽しい時間もありましたが、ほとんどの時間はPCに向かい、初めて会ったチームメイトと「ああでもない」「こうでもない」と話しながら、少しずつ形にしていきました。
普段の業務では、仕様を整理し、安定して動くものを丁寧につくることを大切にしています。一方で、ハッカソンでは「まず動くものをつくってみる」「見せて、反応をもらって、また直す」というスピード感があります。
その違いは新鮮でありながら、どこか普段の仕事にも通じるものがありました。
アクアリーフでの開発では、サポート担当やマーケティング担当から相談を受けたり、ユーザーの声をもとに改善案を考えたりすることがほとんどです。
そのとき大切なのは、最初から完璧な答えを持っていることではなく、相手の困りごとに興味を持ち、周りと話しながら、よりよい形を探していくことだと思っています。
ハッカソンの場でも、それは同じでした。
自分だけでは思いつかないアイデアが、誰かの一言で広がっていく。
得意な人が自然と手を動かし、わからないことはその場で聞き合う。
短い時間の中でも、そういう空気があると、ものづくりはぐっと前に進むのだと改めて感じました。
最終日、各チームが時間ギリギリまで粘りながら完成品を仕上げ、展示作成を行いました。
その頃には、会場全体が高校の文化祭のような雰囲気になっていました。
他チームの発表ブースを見て、体験して、笑って、拍手を送り合う。
技術イベントでありながら、人と人が一緒に何かをつくる楽しさに満ちた時間でした。
最後は会場いっぱいの拍手の中で閉会。
終わったあとに残ったのは、求めていた「すがすがしい達成感」と、「もう少しやってみたい」と思わせてくれる熱でした。
EC業界は、日々変化しています。
ユーザーの運営方法も、使われる技術も、求められる機能も少しずつ変わっていきます。
その中で、私たち開発者にできることは、変化をただ追いかけるだけではなく、使う人の声に耳を傾けながら、試行錯誤を重ねていくことだと思っています。
当たり前に動くこと。
困ったときに頼れること。
そして、少しずつでも「前より使いやすくなった」と感じてもらえること。
そうした積み重ねが、「明日も無くてはならないシステム」を形作っていきます。
ハッカソンで感じた、スピード感をもって挑戦する楽しさ。
違う考えを持つ人と話しながら、ひとつの形にしていく面白さ。
それは今も、日々の開発やチームづくりの中で大切にしたい感覚です。
これから一緒に働く方とも、正解をただ待つのではなく、ユーザーの困りごとに向き合いながら、「どうしたらもっと良くなるか」を一緒に考えていけたら嬉しいです。
そんなことを改めて思い出させてくれた、秋の休日でした。