サイエンスのお話 初級編 | 株式会社ミラクア
ミラクアとサイエンスミラクアは段ボ-ル工場向け排水処理設備を販売している会社です。排水処理とサイエンス(特に化学と生物)は切っても切れない関係にあります。1年以上雑記ブログのような形でストーリー...
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グルメやゴルフなど道楽の話ばかりしていないで、たまには本業のコアの部分の話もしないと。
こちらは以前公開したサイエンスのお話初級編。
今日は中級編を語ってみたいと思います。
是非初級編に一度目を通してからお読みください。
「BOD」=「生物化学的酸素要求量」
水の汚れ具合を表す指標です。
水中の有機物を微生物の力を借りて分解する際に、どれくらいの酸素を消費したのかを示す指標で、消費酸素量が多いものを汚れた水と定義づけています。
実はこの指標、すぐには測定出来ないんです。
何故なら微生物が有機物を分解するのには時間がかかるため、酸素の消費量を測定する期間を5日間と定めているためです。
5日間かけてどれくらいの酸素を消費したのかを測定しないといけないので、分析結果が出るまでに時間を要するというわけです。
よくあちこちで「簡易に測定できるキットはないの?」とご質問をいただきますが、「ありません」ということをこの理由とともにお伝えします。
それでも理解するのは難しいですけどね。
「COD」=「化学的酸素要求量」
こちらも水の汚れを表すための指標で、同じく酸素量を測定します。
水中の有機物を触媒という反応促進剤のようなものを使って化学的に分解し、その分解に要した酸素量を測定して得られる指標です。
化学反応なので生物分解より比較的短時間で結果が出、有機物量の推定はこちらの方が正確だと考える専門家もいます。
国内ではBODを基準として採用するケースが多いですが、海外ではCODを採用する地区も多くあります。
水に含まれる有機物を微生物に分解させるのか、化学反応により分解するのかの違いだけで、実際に分解したい有機物は全く同じものです。
でも測定の結果は同じ値になることはほぼなく、COD>BODになることが一般的です。
これは何故なのでしょうか?
理由の一つ目は微生物分解は時間がかかること。
5日間かけて分析するのですが、中には6日以降に分解される有機物もあります。
分解されずに残る有機物も、化学反応では分解可能な場合が多いので、測定値としてはCODが高くなるというわけです。
理由の二つ目は微生物にとっては難分解な有機物が存在すること。
微生物は分子量の大きい物質の分解をあまり得意としていません。
小さくて柔らかいものは食べやすいけど、大きくて硬いものは食べにくい。
そんなイメージです。
そんな有機物を多く含む場合、BODは0に近いのに、CODは何千にもなるなんてケースがあったりします。
食欲の秋、スポーツの秋、みなさんは何の秋ですか?
読書の秋の方には今日のストーリーはぴったりだったかも知れません。
僕もこの秋は勉強にも少し時間を割いてみようと思いました。
サイエンス続報、お楽しみにしていてください!