2011年に設立し、以来業界シェアトップクラス企業としてデジタル・ディストリビューション事業を展開するマイシアターD.D.株式会社。邦画をはじめ、洋画、アニメ、ドラマ、バラエティなど5000タイトルを超える作品を、Amazon Prime Video、Netflix、U-NEXT、TVerなど数々の配信サービス事業者に提供しています。
当社の特徴は、扱える作品が圧倒的に多いこと。そして配信業務に関する豊富な実績・ノウハウを有しているため、顧客に対してより精密なご提案ができることにあります。
今回は、アグリゲーション事業部の二上部長にインタビューを実施しました。現在、期限付きでパートナーやお子さんと共にドイツに在住している二上さん。マイシアターD.D.に入社した理由や、現在の働く環境、仕事の面白さ…など、さまざまな観点からお話ししてもらいました。
<プロフィール>
二上 菜月
デジタル・ディストリビューション事業部 アグリゲーション部 部長
大学時代にCSのテレビ放送局でインターンとして従事し、セールスやマーケティングの経験を積む。大学卒業後は動画配信サービスのプラットフォーム企業に入社し、データ分析、ITシステム開発の進行サポート、編成、SNSアカウントの運用などを担当。その後、2016年にマイシアターD.D.へ転職。現在はパートナーの仕事の関係でドイツに滞在中。
飛ぶ鳥を落とす勢いの成長性に魅力を感じ、転職を決意
──これまでのキャリア遍歴を教えてください。
初めてメディア業界に足を踏み入れたのは学生時代で、とあるCS放送のテレビチャンネルにインターンとして参加しました。主にアドセールス部で営業アシスタントとして、そこで営業やマーケティング、バックオフィスなどさまざまなことを学びました。
その後、やはりメディアに興味があったため、映像配信プラットフォーム事業を展開する会社に入社しました。入社後は視聴データの分析や、おすすめ映画のラインナップを考える編成業務、公式SNSの運用などを手がけました。途中、急遽IT部門でプラットフォームの改修を手伝うことになり、パートナー企業へのテスト結果のフィードバックや仕様確認の共有なども行いましたね。幅広い経験を積ませてもらいました。
──なぜマイシアターD.D.へ転職したのですか?
1つ目の理由は、スキルアップしたかったからです。前職の会社では、権利元企業から作品を購入して配信するプラットフォーム事業を手がけていましたが、私はプラットフォーム側だけでなく、権利元側の目線に立てるような仕事も担えるようになりたいと考えていたんです。そのため、両者の間に立つマイシアターD.D.の仕事に興味を持つようになりました。
2つ目は、当社の成長性に惹かれたからですね。前職の会社はマイシアターD.D.からもよく作品を購入していたため、当社の扱っている作品がいかに人気か、どれだけ急成長を遂げているかが数字で分かっていたんです。
そんな折に、先にマイシアターD.D.へ転職していた前職時代の上司から誘っていただき、入社に至りました。
──実際に入社してみて、前職との違いを感じた部分はありましたか?
コロナ禍になる前から柔軟な働き方が許容される社風でしたが、特にアグリゲーション部に言えることなのですが、驚くほど自由度が高かったですね。
またアグリゲーション部は以前「アニメ事業部」という部署だったのですが、その頃は部のメンバーが3名しかおらず、それぞれが個人事業主のように働いていました。現在は部署としてしっかり連携を取っていますが、自由に働ける当時の雰囲気は継承されているように感じます。
とはいえ、もちろん新しく入ってきた方の教育やサポートは手厚く行っています。基本的にOJTでの育成にはなるのですが、その方のバックグラウンドを踏まえて丁寧に指導していきます。動画配信とはまったく関係のない業界から転職してきた社員も活躍しているので、その点はご安心いただきたいです。
映像作品バイヤーに欠かせない、バランス感覚と人間力
──アグリゲーション部とはどんな役割を担う部署なのでしょうか?
一言でいうと、「コンテンツ作品の権利元」と「配信プラットフォーム事業者」の間に立つ存在です。特にアグリゲーション部は、プラットフォーム事業者のお客様のために、権利元から作品を買い付ける役割を担っています。
つまり私たちが行うのは、映像作品のバイイング業務が主な業務となっています。プラットフォーム側に立ちながらも、権利元の方々とも信頼関係を築き、より良い条件で取引を進めることがミッションとなります。また配信には「先行配信」や「独占配信」といったオプションがあるのですが、それを付けるか否かを判断・助言することもあります。どの作品を購入すべきか、いくらまでなら価格交渉に応じてもらえるか…といった見極めるバランス感覚や、プラットフォーム事業者・権利元と良好な関係を築く人間力が大切な仕事です。
──アグリゲーション部ではどんな方が活躍していますか?
年齢や性別、バックグラウンドは皆バラバラです。権利元やプラットフォーム事業の会社で働いていた者、広告業界でキャスティングの仕事をしていた者、新卒で入社した者などがいます。共通しているのは「アニメや映画などの映像作品が好き」「成長企業で自分自身も成長していきたい」といった思いですね。
この仕事に向いているのは、相手の立場に立って物事を考えられる方だと思います。いかに相手の事情を想像できているかによって、提案や説明の仕方が変わり、それが取引の結果に大きく影響するんです。そのため取引はかなり慎重に進めますが、最終的な提案内容を決める際には「えいや!」と思いきって判断する勇気も必要になります。簡単にこなせる仕事ではないですが、だからこそハマると面白いんです。
──これまでの業務の中で、特に印象残っていることを教えてください。
プラットフォーム事業者さんが購入不要だと言っていたアニメ作品を、自分の独断と偏見で「これは絶対に入れておくべき」と説得して購入してもらい、結果的に大ヒットとなったことがありました。
その作品は当時そこまで有名ではなく、かつ取引先のプラットフォームの視聴者層にはあまり受けない作風で、お客様も「入れる必要があるのか?」と疑問視していました。
しかし、長年の経験でこの作品はいけるという感覚があり、あきらめずにプラットフォーム側・権利元側と交渉し、良心的な価格で購入させてもらうことにしました。結果的に大ヒットにつながったときは本当に嬉しかったですね。
男女ともに時短勤務実績あり。長く働き続けられる職場環境
──マイシアターD.D.の労働環境はいかがですか?
とても働きやすいですよ。私は2022年に出産して育休を取得したのですが、復帰後早々に部長に抜擢してもらいました。そして1年経たないうちにドイツに来てしまうという…。我ながらとても自由にやらせてもらっているなと感じます(笑)。
子育てと部長職を兼任できているのは、何より周囲の方々のおかげです。私は結婚した当時、実は子どもを持つつもりはなかったんです。しかし上司が「何があるか分からないから、サポートできる人を雇った方がいいね」と言ってくださり、実際に1人採用してもらいました。そのため、いざ出産するとなったときは何の支障もなく産休を取得できました。本当にありがたいことですし、私もメンバーに何かあったら必ずバックアップしたいと考えています。
子育てのしやすさについてさらに話すと、もちろん産休・育休は男女どちらも取得ができますし、最近では男性で時短勤務している社員もいます。ライフイベントを経ても無理なく社会復帰できる、長く働きやすい会社だなと感じます。それが、当社の離職率の低さにもつながっているのではないでしょうか。
──ちなみに、ドイツでは普段どのように働いているのですか?
フルリモートワークです。日本とドイツでは8時間ほど時差があるため、会議や打ち合わせの時間は日本時間の夕方頃に設定してもらうようにしています。現場業務をすべてメンバーに任せていることもあり、それ以外の支障は特に感じていません。コミュニケーションもメールやチャット、Web会議システムで毎日のように取ることができています。
当社はリモートワーク率もかなり高く、当初出社を予定していたとしても「子どもが熱を出した」「今日は少しだけ体調が悪いので家にいたい」といった場合は、ラフに在宅勤務に切り替えることができます。この柔軟性の高さは、当社の大きな魅力だと思います。
新しいことにも迷わず挑戦できる、自由な組織を目指して
──映像配信業界は、今後も成長が見込めるでしょうか?
日本のアニメはまだまだ可能性を秘めているなと感じます。というのも、私は今ドイツの中でもかなり田舎の方に住んでいるのですが、そんな田舎の小さな本屋にさえ“マンガ”のコーナーがあるんです。さらにドイツの映像配信サービスを見てみても、視聴数トップ10に日本のアニメが入っていることは珍しくありません。
加えて、観光でイタリアやスウェーデン、アメリカ、イギリスにも足を運んだのですが、どの国にも必ずアニメファンが存在します。人気キャラのTシャツを着ている人がいたり、マンガストアがあったり。それくらい、日本のアニメやマンガは世界中に浸透しているんですよね。そう考えるとアニメの需要は今後も伸びていくでしょうし、映像配信企業が世界に与える影響はさらに大きくなっていくのでは?と期待できます。
──今後、どんな人と一緒に働いていきたいですか?
アグリゲーション事業は当社のメイン事業ではないため、そこをネックに感じる方もいらっしゃるかもしれません。しかし、主力組織ではないからこそ自由度が高く、裁量の大きい環境があります。これからもっと新しいことにチャレンジできる組織にしていきたいですし、そこに意欲を見出せる方と一緒に働いていけたら嬉しいです。