映像配信サービスが本格化しはじめた2011年に設立し、以来業界シェアトップクラス企業としてデジタル・ディストリビューション事業を手がけるマイシアターD.D.株式会社。5000タイトルを超える作品を、Amazon Prime Video、Netflix、U-NEXTなど40サービス以上の配信サービス事業者に提供しています。
本記事では同社の「働き方」「人事評価制度」「社風」など、求職者の方が気になるポイントを採用広報を支援するVALUE WORKS所属の白井が経営管理部 部長の中川さんにお聞きしました。“徹底して労働環境を整えている理由”についても語っていただきましたので、ぜひ最後までご覧ください。
<プロフィール>
中川 泰介
マイシアターD.D.株式会社 経営管理部 部長。2022年に中途入社。これまでは税理士法人、コンサルティングファーム、IT企業数社にて経理・財務・経営企画をコアとしつつ管理部門全般の業務を経験。現在は、過去の経験をもとに管理部門の統括や社内DXを推進している。
退職者が発生しない、自由で働きやすい環境が魅力
ーーまずは、マイシアターD.D.の組織構成を教えてください。
事業を行う部門として、案件獲得を担うセールス部、作品調達を担うアグリゲーション部、そして作品を配信するための各種素材準備とデリバリーを担うオペレーション部の3つと、バックオフィス業務を担う経営管理部の計4部門で構成されています。年齢構成は20代が23%、30代が50%、40代が25%、50代が2%と若手社員が多めで、男女比は男性4:女性6と、女性社員が多い組織となっています(2023年5月時点)。
ーー中川さんは中途入社と伺っていますが、これまでの企業と比べてマイシアターD.D.にはどんな特徴があると思いますか?
何よりも「働きやすさ」に驚きました。まず実働時間が7時間と短めに設定されている上、19時には数名しか残っていないほど残業も少なめです。フレックスタイム制やリモートワークなど、各個人が柔軟に働ける環境を整えています。出社頻度のルールも特に設けていないため、社員には「月に1回も出社しない」なんて方もいるほど。
加えて、女性が多いこともあり、産休・育休の取得後も働き続けやすい環境・風土づくりに力を入れています。実際に子育てしながら働いている社員も多く、育休を取得した男性社員もいるんですよ。
私服勤務である点も魅力かもしれません。どんな服を着ても、どんな髪色でもOKです。今は「好きなK-POPアーティストと同じ色だから」とアッシュグレーにしている社員もいます。
ーーエンターテインメント業界は過酷なイメージがありましたが、意外でした。
当社が目指しているのは、社員が辞めない組織です。できるだけ社員が居心地よく働ける環境づくりににこだわっています。実際、年間の退職者は1名いるかいないかといった感じなので、本当にありがたいですね。
社員自身が納得感をもって働ける、明確な評価制度を構築
ーー社員の人事評価は、どのように決まるのでしょうか?
当社では、属人的な人事評価を撤廃しています。具体的には、「各部門それぞれ求められる役割・能力を、明確な基準に基づいて、個人を評価」→「その評価から自動的に点数が導き出され、等級・等号を決定」→「等級・等号に紐づいた報酬を支給」という人事評価の仕組みです。
評価軸は、当社が掲げるミッション・ビジョン・バリューに基づいたものや、部門ごとに求めたいスキル・知識、マネジメントに関するスキル・知識など全5要素・29項目あり、「役割能力開発マップ」というツールを使って客観的に評価しています。評価面談の頻度は年1回行っています。
ーーミッション・ビジョン・バリューにも重きを置いた人事評価制度となっているんですね。企業理念について詳しく教えてください。
ミッション(存在意義)は「良質なコンテンツを全ての顧客へ”きちんと“提供し、映像の未来を創造する」。ビジョン(目指す姿)は「映像エンタテインメントのリーディングカンパニーになる」。そしてバリュー(価値基準)は「付加価値の提供」「クリエイターファースト」「自分ごと化」「スピード」「”楽”を追求」です。
バリューについては「私たちについて」でも詳しくご説明していますので、ぜひご覧ください。
ーーここまで明確で詳細な評価基準を設けたのはなぜですか?
人事評価で最も大切なことは、評価される本人がその結果に納得できることだと考えているからです。
評価基準が曖昧だと、やはり評価する上長に近い人ほど評価が高くなり、「自分の仕事をきちんと全うしているのに給与が上がらず、納得できない」と思う社員も当然出てくるものです。ここ数年で社員数が急増したこともあり、2022年の10月から社長に就任した三小田が人事制度を一新し、2022年12月から現在の形になりました。新しい人事制度に関して、社員にアンケートを取ったところ、95%以上がポジティブな反応で嬉しかったですね。
メンバーシップを大切に、皆で未来をつくっていきたい
ーーマイシアターD.D.には、どんなタイプの方が多いですか?
環境の変化に柔軟な方が多いと思います。たとえば新しい勤怠打刻システムを導入するとなったとき、おそらくほとんどの企業では導入意図を説明しても「使いにくい」「操作方法が分からない」といった拒絶反応が起きたり、しっかり打刻してくれない人が出てきたりするもの。しかし当社の社員は、どの方もかなり前向きに変化を受け入れてくれるんです。きっと、経営陣の意思決定の意図をきちんと理解してくれる方が多いんでしょうね。私はこれまで色々な企業で働いてきましたが、ここまで環境の変化に柔軟な組織は初めてでした。
ーーマイシアターD.D.の働く環境は、今後さらに変化していくのでしょうか?
そうですね。作業効率を高めるために、現在「社内DX」を推進しています。Salesforceをベースとした基幹システム構築を進めており、その先には新事業の創出も見据えています。
それ以外にも社内のインフラ・アプリケーション環境を変えようとしているところ。当社はまだ非効率な作業が残っている部分があるので、それを削減していきたいです。最終的に、作業量を半分ほどにできたらいいなと考えています。ただ作業をこなすのではなく、新しいアイデアも生み出せるような職場環境にしていきたいですね。
ーー最後に、読者にメッセージをお願いします。
冒頭でも少し触れましたが、マイシアターD.D.は「社員が誰ひとり辞めない会社」を目指しています。いわゆる“実力主義”のような排他的な考えではなく、メンバーシップを大切にしている会社です。
退職者がほぼいないため、新卒以外の採用活動を行う機会は少なめかもしれませんが、その分入社した方とは末長くお付き合いしていきます。この考えに共感いただける方と、一緒に働いていけたら幸いです。
取材・文:VALUE WORKS