こんにちは、東急株式会社「URBAN HACKS」採用担当です。
今回のインタビューは、URBAN HACKSでシニアプロダクトマネージャーを務める田中さんの登場です。
同プロジェクトは、約100年の歴史を持つ東急がDXの加速を目指し、2021年7月に発足。開発機能の内製化を推進し、グループ横断でのサービス開発や体験設計を実行しながら、東急グループのアセットを活かしたよりよい暮らしの実現を目指しています。
【今回のストーリー登場者】
東急株式会社 デジタルプラットフォーム
シニアプロダクトマネージャー 田中 志樹(たなか もとき)
▼田中さんのインタビューはこちら
URBAN HACKS は現在、新たなイノベーションを生み出すべく、人材採用は順調に進んでおり、プロジェクトが発足してから1年半で40名以上の仲間が参画し新たなものづくりが進んでいます。一方で、新技術を活用した東急の新しい街づくりの実現に向けた取組みを推進していく上では、乗り越えなければいけない課題も多くあります。
本記事では、URBAN HACKS プロジェクトを進める上で浮き彫りになってきた東急のマーケティング課題と現状について、田中さんにインタビューを実施しました。ぜひご一読ください。
3つの事業領域でアプリを提供し、DX推進体制の基礎を整備
―現在のURBAN HACSの状況について教えてください。
田中:チームの立ち上げから1年経過し、東急グループの4つの事業領域である交通インフラ、都市開発、リテール、ホスピタリティのうち、都市開発以外の3領域に対してアプリを提供しています。URBAN HACKSが今後デジタル上でお客さまと東急の接点を構築し、顧客体験を中心にサービスを進化させていくための第一歩を、ようやく踏み出せた段階ですね。
これまで開発面で抱えていたバックエンドの技術負債の解消に向けた体制も、徐々に整ってきたところです。東急の事業サイドのメンバーからも、「顧客視点でプロジェクトを企画・推進する」というスタンスに対して、少しずつ理解を示していただけています。
―チームはどんな環境で働いているのでしょうか?
田中:エンジニアやデザイナー、プロダクトマネージャーといった各職種が非常にフラットにコミュニケーションを取りながら、プロダクト開発を行っています。職能でプロセスを分けるというよりも、さまざまなバックグラウンドを持ったメンバー同士が連携し、知恵を出し合いながら自由に、かつスピーディに物事を進めています。
デジタル×リアル観点による顧客戦略が必要
―なぜ今、URBAN HACKSはデジタルマーケティング人材の採用を進めているのでしょうか?
田中:現在、URBAN HACKSは、顧客と向き合い、より良いプロダクト開発を進めていこうとしています。しかし、プロダクト自体のグロースを図る、あるいは市場環境の変化や競合の動向に対してマーケティング的な施策を立案するといった動きは、エンジニアだけではできません。
もちろん、弊社としても交通広告やキャンペーンといった活動は定常的に実施してきましたが、「デジタル×リアル」を統合した観点での顧客戦略やブランディングは不十分であるというのが正直なところです。今の東急に欠けている視点を補い、顧客エンゲージメントやビジネスの成長に貢献していただけるデジタルマーケティング人材を求めています。
―課題解決のために、具体的にどのようなアプローチが求められるのでしょうか?
田中:現在、東急のグループ会社数は129社(2022年3月時点)、従業員数は延べ2万4000人以上です。これまでの100年間、それらのグループ各社が自律的に「街づくり」に取り組んできた実績は、東急グループの強みであると言えます。
他方で、それによる弊害も生まれています。例えば、東急グループのお客さまのなかには、鉄道に乗って通勤をされる方がいらっしゃいますよね。そうした方の生活シーンを考えてみると、帰宅時に、駅に併設された東急のスーパーや食品売り場で夕食の買い出しをされる方がいらっしゃいます。なかには、ショッピングセンターや百貨店に立ち寄られる方もいらっしゃるでしょう。駅から家に帰るときは、東急バスにご乗車いただくかもしれません。このようにお客さまの生活の中には、東急が手掛けるさまざまな事業との接点が存在するのですが、今はグループ各社が独立して事業を展開しているため、横軸で一連の顧客体験をデザインできていないという課題認識があります。
デジタルが普及した現代において、その課題感はより顕著になりました。全体感を持って東急グループがどういう方向に向かっていくべきなのか、そしてどのような共通インフラ・プラットフォームを以ってお客さまの生活を支えていくのかという部分は、検討しきれていない弱点です。
デジタルマーケティング人材に期待するのは、顧客体験ベースで、東急とお客さまとのコミュニケーションのあるべき姿を描き、適切な打ち手を講じることです。
「街全体をハックする」壮大な可能性が東急最大の魅力
―マーケティングポジションでジョインしたら、どのような業務を手掛けることになるのでしょうか。
田中:繰り返しになりますが、顧客ニーズの多様化や市場環境の変化を受けて、東急がどのように対応すべきか、課題発見と打ち手の検討をリードしていただきたいと思っています。
言うまでもありませんが、ここで鍵となるのがデジタル活用です。一般的に、東急グループと聞いてお客さまが想起するのは、第一に「鉄道」です。あるいは、ビルやショッピングセンターを想起されるかと思います。しかし、「東急」と聞いて「デジタル」を想起される方は、極僅かではないでしょうか。
現状を鑑みると、まず東急がデジタルの世界でお客さまにどう見てもらいたいのか、ストーリーの構築が必要です。そして、さらにその先に描く世界観としては、デジタルもリアルも関係なく、東急のブランドやプロダクトがお客さまの生活に自然と溶け込むような形を構築していく必要があります。そのための顧客戦略とコンセプト策定、ファン化までの顧客体験のデザイン、プロモーション施策、インセンティブプログラム設計、NPS改善のための全社プロジェクト設計など、幅広い業務がスコープとなります。もちろん、これらに紐付いたリサーチやKPI策定、ROI管理のほか、予算管理やパートナー企業との折衝、マネジメントもお任せする想定です。
―URBAN HACKSのマーケティングポジションならではの魅力はどんなところですか?
田中:一般的に、デベロッパーのビジネスでは「強い点」としてのランドマークを作ることで、街づくりを行います。一方で、東急のアプローチは、「面」での事業展開です。駅やバスで網目状のネットワークを街中に張り巡らせ、主要な「点」の周辺には百貨店やスーパー、ショッピングセンターなど、人が集まるポイントを作っています。
そこには、国内外からさまざまな企業様に出店・入居いただいています。すなわち、BtoB、BtoBtoCからBtoCまで、さまざまなお客さまやステークホルダーとの関わりがあるのが弊社の強みですので、将来的にはURBAN HACKSの名の通り、街全体をハックするような大きな展望を描ける可能性がある点で、他社には無い魅力があると感じます。
100周年の節目に、変革をデザイン
―どんな人がURBAN HACKSのデジタルマーケティング人材にマッチしているのでしょうか?
田中:今回募集しているデジタルマーケティング人材に求められるのは、好奇心や探究心を持って世の中の変化を汲み取り、柔軟な対応ができることです。東急はインフラ企業だからこそ、長い目線で物事を考える傾向がありますが、ここに世の中の変化を柔軟に取り入れていただけるような人材を求めています。
とはいえ、「流行っているからメタバースやAIを活用する」といったHowに走るのではなく、常に顧客視点を持ち、世の中の変化がお客さまの生活にどう影響するのか、それに対して東急はどんな方向から取り組みを進めていくのかを、一緒に考えていただければと思います。
今年、東急は創業100周年を迎えました。この大きな節目を変革のチャンスと捉え、次の100年をどうデザインしていくのか?という壮大なテーマにチャレンジしたい方は、ぜひご応募いただきたいと思います。