【プロローグ:デジタル化の裏にある、本当の目的】
組織が大きくなり、 デジタル化が進むほど、 必要とされるものがあります。
それは、 変化に柔軟に対応し、 自ら考えて動くことができる「人材」です。
ITのプロ集団として、 技術を磨くことはもちろん大切です。 しかしそれ以上に、 「人を育てること」もまた、 私たちの重要なミッションです。
今回は、IT知識が完全にゼロだった 一人の後輩との出会い、 そして葛藤に満ちた1年間の育成ストーリーをお届けします。
◆ 気づけば「社内最速」。だけど、自分の仕事で手一杯だった日々
入社してから、 とにかく全てのミッションに全力で向き合ってきました。
メイン業務であるPCのトラブル対応をこなすうち、 気づけば私は、 おそらく社内で一番多くの問い合わせを受ける人物となっていたといっても過言ではありません。
さらに、業務はそれだけに留まりません。 会社の根幹を支えるサーバの運用や、 ネットワークの管理といった、 いわゆる「インフラ業務」も担当することに。
毎日がとにかく目まぐるしく、 充実している一方で、 「業務量が非常に多く多岐にわたっている」 と感じていました。
そんなタイミングで、 私のチームに新しい仲間が加わることになりました。 中途入社で入ってきた、一人の後輩社員です。
「これで少しは業務を分担できるかもしれない」
そんな期待を抱きながら、 彼を迎え入れた入社初日。 私は少し、予想外の衝撃を受けることになります。
◆ IT知識ゼロの後輩との出会い
彼は社会人経験が6〜7年ほどあり、 ビジネスマナーもしっかりとした頼もしい人物でした。
ただ、入社日に少し話をしてみて、 私は心の中で「おっと、これは……」と呟いてしまいました。
ITに関する知識が、 本当に、見事なまでに「ゼロ」だったのです。
例えば、PCの裏側にある接続口(インターフェース)の種類が まったく分かりません。 「VGAケーブル」という名前を出しても、実際に見せてもピンと来ていない様子。 それが映像を出力するためのコードである、 ということすら知らない状態からのスタートでした。
数日が経過すると、さらに色々なことが見えてきました。 PCの操作がどこかぎこちなく、 Excelの簡単な関数すら、使った経験がなさそうだったのです。
「これまでのキャリアでは、 あまりPCを使った事務作業をしてこなかったんだな」
そう理解したと同時に、 私は一つの大きな覚悟を決めました。
このDX推進組織の中で、 彼を一人前のエンジニアとして育て上げるには、 本当にゼロから、 土台の土台から積み上げていかなければならない。
よし、じっくり腰を据えて、 丁寧に業務を引き継いでいこう。 そう心に誓いました。
◆ 手取り足取り教えない。多忙な中で悩んだ「自走」への導き方
とはいえ、現実は甘くありませんでした。 私自身のインフラ業務や日々の問い合わせ対応は、 容赦なく押し寄せてきます。
彼の横に四六時中つきっきりになって、 手取り足取りすべてを教える、 という時間は物理的に作れませんでした。
それに、私自身の経験を振り返ってみても、 先輩からすべてを懇切丁寧に 教えてもらったわけではありません。
分からないことは自分で調べ、 実際に触って、失敗しながら、 自分からITの知識を身につけてきました。
だからこそ、彼にも同じように、 「自ら学び、自立して歩めるようになってほしい」 という想いがありました。
「最低限の基本と、考え方の型はしっかりと教える。 でも、そこから先は自分で考えて動いてもらおう」
そう方針を決めましたが、 これが想像以上に難しかったのです。
業務の割り振りには気を使っていましたが、あるとき、業務の量に圧倒されて、 後輩が今にもパンクしてしまいそうな状況がありました。「あ、これはマズイな」と察しました。
私が手を貸して、代わりに全部やってしまえばすぐにでも終わります。 でも、それでは彼の成長の機会を奪うことになる。
「どこまで手を出して、どこから任せるべきか」
この「適切なサポート」の塩梅が、 本当に難しかったです。
まずは彼の心の負荷を下げるために、 業務の割り振りを見直し、 タスクを細かく分解して渡すように心がけました。
さらに、ITの知識だけでなく、 「どの業務から手をつけるべきか」という優先順位のつけ方、 タスク管理の方法、 ケアレスミスをなくすための業務上の工夫など、 仕事との「根本的な向き合い方」について、 自分の経験を例にアドバイスし続けました。
◆ 1年後、頼もしさが増した
後輩社員が入社してから、1年が経ちました。
今、私の隣にいる彼の姿は、 1年前とは完全に別人のようです。 当時と比較すると、知識も技術も、 まさに「雲泥の差」と言えるほどの成長を遂げてくれました。
あんなにぎこちなかったPC操作は嘘のようにスムーズになり、 今では数多くの複雑な業務を一人でこなしています。もちろん時折サポートはします。
社内からの毎日の問い合わせにも、 彼が主戦力となってスピーディーに対応してくれている。 その背中を見るたびに、 「よくここまで頑張ってくれたな」と、 深い感慨と、何にも代えがたい嬉しさが込み上げてきます。
すべてを教え込まなかったからこそ、 彼は自分で調べる癖をつけ、 自分の力で壁を乗り越える強さを身につけてくれたと思います。
「育てる」ということは、 単に知識を教え込むことではない。 相手の可能性を信じて、 自走できる環境を整え、見守ることなんだ。
後輩の成長を通して、 私自身が一番大きな「まなび」をもらった気がします。
◆ まだまだここから。2年目の伸びしろに期待を込めて
もちろん、これでゴールではありません。 彼には、まだまだ大きな「伸びしろ」があります。
1年かけて、実務の土台はできあがりつつあります。 だからこそ、これからの2年目は、 単に目の前のタスクをこなすだけでなく、 もっと広い世界に目を向けてほしいなと思っています。
最新のITトレンド、 会社の経営戦略、 そして私たちが身を置く教育・福祉業界の動向。
「なぜ、今このシステムが必要なのか」 「どうすれば、もっと現場の役に立てるのか」
そんなふうに、ビジネスや技術の背景にある「本質」に興味を持ち、 さらに貪欲に吸収していってほしい。 彼ならきっと、もっと高いステージへ行ける。 今はそう確信しています。
チームの仲間が成長し、視野を広げていく。 その連鎖が、KDAという組織を より強く、より魅力的なものに変えていくのだと信じています。
【エピローグ:次なる挑戦へ。ステキな大人が増える未来をつくる】
誰かの成長を願い、適切な距離感でサポートする。 それは、私たちが向き合っている 教育や福祉の現場の姿勢とも、深く繋がっています。
私たち自身が『探求する好奇心』や『前向きに挑戦する姿勢』を持つステキな大人であり続けたい。 あなたも私たちと一緒に、デジタルのチカラで、ステキな大人が増える未来をつくってみませんか?
ITのスキルや知識は、入社時にはなくても構いません。 「自分を成長させたい」 「誰かのために、自分から学びたい」
その強いマインドさえあれば、 私たちはいくらでも伴走します。
1年後、今度はあなたが「見違えるほどの成長」を遂げ、 誰かのヒーローになっている番です。 KDAで、新しい一歩を踏み出してみませんか?