幕が下りたあとに始まった、私の第二幕
発研セイコーに転職したのは2019年のこと。今年で7年目です。現在はアパレルメーカーやハイブランド、量販店などを固定したお客様としてサインの提案から納品まで対応しています。今は大きなやりがいを持ってこの仕事に取り組んでいますが、ここにたどり着くまでに、いろいろなことがありました。
私は28歳までの約10年間はプロのバレエダンサーでした。小学生の時にバレエに出会い、プロを目指しました。19歳でバレエ団に所属し、プロとして舞台を踏みました。夢を実現し、充実した日々が続きましたが、それは突然に終わりを告げました。プロ10年目の時に足にケガを負ってしまい、引退をせざるを得なくなったのです。
その後、就職先を探し、IT業界の営業職に就いたこともありました。ただ、実態のないモノの販売にまったく面白みが感じられませんでした。そこでサインメーカーの営業職の求人に出会い応募したのです。その会社が発研セイコーでした。面接を担当した久永専務からは「本当に(バレエを)辞めてしまっていいのか。未練はないのか」と何回も尋ねられたのが忘れられません。久永専務はかつてダンサーだったキャリアがあったからだと思います。私は「ありません」と自らの決意をきっぱり答えました。それが新たな〝やりがい〟と出会った瞬間でした。
営業というタクトで描く、私の成長ストーリー
営業の仕事は言うなれば「タクト(指揮棒)を振ること」です。積算する営業事務と、製作図面を描く設計、製作を担う工場の協力を得ながらサインを完成に導きます。しかしながら営業として一人立ちした当初といえば、お客様とのコミュニケーションや、取り付け現場の管理、工場への指示のほかに通常管理の業務というマルチタスクでパニックに陥りました。全方位に全力になり過ぎたのです。それも今では力の抜き方を覚えて、仕事をコントロールできるようになりました。
しかし、この仕事は「タクトを振れるようになれば終わり」ということはもちろんありません。私たちはお客様が「何を求めているか」を理解し、その期待を上回るクオリティーの高いサインの実現を目指しています。その評価として「ありがとう」という感謝の言葉を受け取れるのです。そして次の仕事につながっていきます。さらに高いクオリティーへの挑戦が待っています。当社が培ってきた技術力は、これまでにない新たなモノづくりの可能性があり、探せばどこまでも追及できる世界があるのです。これが〝やりがい〟の一つだと思います。通常のサインは店舗の改装や更新により数年でなくなってしまうことが多いのですが、将来、後世に残るモニュメントのような作品を残すことが個人的な目標になっています。