そもそも、業務委託とは
業務委託とは、企業や個人が特定の業務を第三者(業務委託先)に委託し、その業務の遂行を依頼する契約形態のことを指します。業務委託契約では、委託元(依頼する側)と委託先(依頼を受ける側)の間で、どのような業務を行うか、報酬の金額や支払い方法、業務の遂行期間、守秘義務などの詳細を取り決めます。
業務委託には以下のような特徴があります
1,雇用関係がない:業務委託契約は雇用契約ではないため、委託先は従業員として扱われません。そのため、労働基準法や社会保険の適用外となります。
2,成果物ベース:業務委託は、一般的に成果物や業務の完了を基準に報酬が支払われることが多いです。
3,独立性:委託先は業務の遂行方法について自主的に決定し、委託元からの具体的な指示や監督は受けません。
4,契約の自由度:契約内容は双方の合意に基づき自由に設定できますが、契約書を作成しておくことが一般的です。
例として、IT業界におけるシステム開発やウェブデザイン、マーケティング業務の外注などが業務委託の形態で行われることが多いです。
行政申請業務の業務委託の場合は?
しかし、実は「業務委託」という名称の契約は法律上存在せず、実際には民法上の「請負契約」または「委任/準委任契約」が該当します。どちらの契約形態かによって契約の性質が異なります。今回の話題の行政申請業務を行う方の業務委託は、「準委任委託」と呼ばれる契約を、業務委託としてお話をいたします。
では、準委任契約とは?
準委任契約とは、民法上の契約形態の一つで、特定の業務の遂行を依頼するものです。準委任契約は、一般的に次のような特徴を持ちます。
【業務の遂行に対する責任】
準委任契約では、業務の遂行そのものに対して報酬が支払われます。つまり、成果物の完成を保証するものではなく、委託された業務を誠実に遂行することが求められます。
【契約の内容】
契約の内容は業務の具体的な遂行方法や範囲などを詳細に取り決めます。委託元と委託先の間で、どのような業務をどのように行うかを明確にします。
【指示の自由度】
委託先は、業務遂行において一定の自由度を持ちながらも、委託元の指示や要望に応じる義務があります。これは、請負契約と異なり、業務の過程において委託元の関与があることを意味します。
【契約の終了】
契約の終了は、当初の契約期間の満了や、両者の合意によって行われます。また、委託元が必要と判断した場合や、委託先が業務遂行を続けることが困難になった場合など、特定の条件下で契約を解除することができます。
準委任契約の具体例
コンサルティング業務:コンサルタントが企業に対して経営戦略のアドバイスを行う場合などが該当します。この場合、アドバイス自体が業務の遂行となり、具体的な成果物の完成を保証するものではありません。
弁護士や税理士の業務:法律相談や税務相談なども準委任契約に基づいて行われることが多いです。これらの専門家は、相談内容に基づいてアドバイスや対応を行うことが業務となります。
準委任契約は、請負契約とは異なり、特定の成果物の完成を保証するものではありませんが、委託された業務を誠実に遂行することが求められる点で重要です。
行政申請のサポート業務は、弁護士や税理士のような専門職ではありませんが、知識をつけることで専門性は高くなっていき、業務委託(準委任契約)で業務を行っていくことができます。